Aiming、第1四半期は『DQタクト』半周年と『カゲマス』フル寄与で営業黒字化も"伸び悩み" 「開発投資を積極化すると利益が伸びていないようにみえてしまう」(椎葉社長)
Aiming<3911>は、本日(2月14日)、2022年12月期 第4四半期(22年10月~22年12月)の連結決算について、売上高39億4200万円(前四半期比18.0%増)、営業損失1600万円(前四半期は7600万円)、経常損失1億1000万円(同7800万円)、最終利益2億円(同300万円の損失)と増収・赤字になったことを明らかにした。
・売上高:39億4200万円(同18.0%増)
・営業損失:1600万円(同7600万円)
・経常損失:1億1000万円(同7800万円)
・最終利益:2億円(同300万円の損失)
売上については、『ドラゴンクエストタクト』2周年の反動があったものの、『陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン(以下、カゲマス)』が1ヶ月と短期間ながらも収益貢献し、「想像を遥かに上回る」結果をもたらしたほか、『カゲマス』海外版の製作委員会への納品分が検収がカバーし、前四半期比でプラスとなった。
引き続き営業損失になったが、これは主に『カゲマス』の広告宣伝費を計画よりも増やしたことにある。『カゲマス』は、すでに報じたように想定よりも遥かに良いスタートになったそうで、今後の収益貢献を期待して広告宣伝費を思い切って増やした。
■第1四半期の業績は営業黒字転換を見込むが…
続く2023年12月期 第1四半期の業績は、売上高47億1900万円(前四半期比19.8%増)、営業利益2億2000万円(前四半期は1600万円の損失)、経常利益2億1800万円(同1億1000万円の損失)、最終損失3500万円(同2億円の利益)と増収・営業黒字転換を見込む。
・売上高:47億1900万円(同19.8%増)
・営業利益:2億2000万円(同1600万円の損失)
・経常利益:2億1800万円(同1億1000万円の損失)
・最終損失:3500万円(同2億円の利益)
売上については、『ドラゴンクエストタクト』の半周年のほか、『カゲマス』が四半期でフル寄与し、20%近い増収を見込む。
営業利益については、黒字転換する見込みだが、前年同期に比べると34.6%の減益と、伸び悩んでみるようにも見える。
これは新作の開発進捗に伴い、人件費と外注費が増加し、収益を圧迫するためだ。同社は、新作3本の開発を進めているが、開発費を資産計上せずに、毎月、費用計上しており、「売上が伸びても、新作への大規模な投資を行うと、どうしても利益が伸びなくなっているように見えてしまう」(椎葉社長)。
多くのゲーム会社は、新作オンラインゲームの開発費は、開発中では費用ではなく資産に計上し、サービス開始後に一定期間かけて償却(費用計上)していくのが通常だ。開発中に費用負担が軽くなるものの、サービス開始後に思うような結果が出なかったとすると、減損損失を計上するリスクが出てくる。
つまり、営業利益の"伸び悩み"については、将来的に計上すべき費用を先に計上するために発生するものといえる。メリットとしては、思うようにヒットしなかった場合、突然、減損損失を計上するようなリスクが減ることがあげられるだろう。
また、前四半期に影響があった広告宣伝費については、『カゲマス』の広告宣伝費が落ち着く一方で、『ドラゴンクエストタクト』のハーフアニバーサリーに合わせてプロモーションも行うため、横ばいとなる見通し。
最終損益は赤字となるが、これは『カゲマス』製作委員会の他の出資者に帰属する損益が控除されるため。これはサイバーエージェントの決算でもみられたものと同じだ。サイバーエージェントは、子会社Cygamesの株式をすべて保有しているわけではないので、他社の持つ保有する「少数持ち分」を最終利益で調整している。
会社情報
- 会社名
- 株式会社Aiming
- 設立
- 2011年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 椎葉 忠志
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高181億9900万円、営業損益13億900万円の赤字、経常損益11億円の赤字、最終損益22億2700万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3911