【決算レポート】エイチーム、第2四半期(11~1月)は売上高4%減も赤字幅縮小 『FFVII ザ ファーストソルジャー』の終了などで減収に 自転車小売り事業は3月に譲渡

柴田正之 編集部記者
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エイチーム<3662>の2023年7月期の第2四半期(11~1月)の連結決算は、ライフスタイルサポート事業は順調だったものの、エンターテインメント事業での『FINAL FANTASY VII THE FIRST SOLDIER(FFVII ザ ファーストソルジャー)』のサービス終了と、既存ゲームアプリのダウントレンドによって減収となった。

一方、利益面では本社オフィスの縮小に伴う費用計上もあって赤字計上となったが、『FFVII ザ ファーストソルジャー』の開発費や広告宣伝費が膨らんでいた前年同期と比較すると赤字幅は大きく縮小した。

なお、最終損益が損失計上となっているのは、関係会社株式売却損失引当金繰入額の計上などによる特別損失1億73000万円を計上していることも影響している。

売上高73億3900万円(前年同期比4.0%減)
営業損益200万円の赤字(前年同期8億9100万円の赤字)
経常損益400万円の赤字(同8億9300万円の赤字)
最終損益2億7100万円の赤字(同5億8400万円の赤字)

ライフスタイルサポート事業は、引越し関連事業の一部である新電力会社および通信事業者への送客事業において、資源価格の高騰の影響などを受けたものの、車の査定・買取サイトの「ナビクル」と人材メディア事業が集客強化により引き続き好調に推移し、前年同期比で5.3%の増収となった。

エンターテインメント事業は、『FFVII ザ ファーストソルジャー』のサービスを1月に終了した影響もあり、前年同期比で18.5%の減収となった。

ただ、既存タイトルの効率運営に努めたことや、新作の開発投資が前年同期の規模には至らなかったこともあり、セグメント利益は黒字転換を達成した。

新規開発のパイプラインは、前四半期と同じ4本となっており、他社協業の大型タイトルが準備中のステータスから開発中に移行した。

NFTゲームについては「ブラッシュアップ」に入っているが、セキュリティ面についての念入りな確認なども行っており、引き続き開発中の段階にあるようだ。

EC事業は、化粧品・スキンケアブランドの「lujo(ルジョー)」と、ペットフードブランド「Obremo(オブレモ)」において新規獲得件数が増加したが、自転車専門通販サイト「cyma-サイマ-」が引き続き中国のロックダウンや円安・資源価格の高騰に伴うメーカーの値上げの影響を受けており、全体では前年同期比で15.5%の減収となった。

なお、「cyma-サイマ-」については、3月1日付で自転車小売り事業を新設子会社に分割承継する形でワイ・インターナショナルへの事業譲渡が完了しており、次の第3四半期(2~4月)からEC事業の収益規模・構成に大きな変化が生じる予定だ。

■「cyma-サイマ-」譲渡の影響もあって通期業績予想を修正

2023年7月期通期の連結業績予想については、自転車小売り事業の譲渡に伴う減収と特別損失の計上もあって、以下のとおり修正している。

売上高280億円(前期比11.9%減)
営業利益5億円(前期2億9800万円の赤字)
経常利益5億円(同2億1900万円の赤字)
最終利益ゼロ(同13億3700万円の赤字)

株式会社エイチーム
https://www.a-tm.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社エイチーム
設立
2000年2月
代表者
代表取締役社長 林 高生
決算期
7月
直近業績
売上高275億5200万円、営業利益5億4300万円、経常利益7億1100万円、最終利益1億4300万円(2023年7月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3662
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