【インタビュー】「LINE GAME」が1年を通して10周年記念キャンペーンを実施中! 繋がりをテーマにした施策の狙いとは

大ヒットタイトル『LINE:ディズニー ツムツム』を始め、『LINE POP2』や『ジャンプチ ヒーローズ』など、ゲーム好きだけでなく普段はあまりゲームをプレイしないという方を含め幅広くの世代に愛されるゲームを作り続けてきた「LINE GAME」。

そんな「LINE GAME」は、202211月より、10周年を記念した企画を実施している。本企画では、「みんな、どこかでつながってる。」をテーマに、1年間を通してキャンペーンの実施やブランディングサイトの開設、アニメーションの公開など、さまざまな施策を行っている。

今回、gamebizでは、LINE GAME10周年企画のプロジェクトリーダーを務める登尾翼氏と、全体のディレクションおよびアニメーション企画を担当した櫻井大輝氏にインタビューを実施。10周年企画が折り返しの半年を迎えた今、これまでに実施したキャンペーンでどのような反響があったかや、そもそも企画が発足した経緯、アニメ制作に込められた想いなどを伺ってきた。


▲LINE GAME10周年企画プロジェクトリーダーの登尾翼氏(写真左)と、全体のディレクションおよびアニメーション企画を担当した櫻井大輝氏(写真右)。

――:まず始めに、お二人の担当している業務を含めた自己紹介をお願いします。

登尾LINE GAME全体で横断的な取り組みやキャンペーンを実施するときに取りまとめを担当しております。今回の10周年企画もその一環で、立ち上げから時からプロジェクトオーナーとして携わっています。

現在に至るまでの経緯としては、元々事業推進系のチームでApp storeGoogle play storeなどのストア領域においてLINE GAME全体の窓口を担当していたのが、プロジェクトを横断的に見るようになった始まりになります。各タイトルだけでは対応できないことがそのチームに集まってきたことで、様々なことに対応するうちに業務の幅が広がっていきました。そこから、チームを作ってマネージャーになったことで現在のポジションに就くことになりました。

櫻井:クリエイティブディレクターとして、Webサイトやゲーム内キャンペーン、SNSでのキャンペーンなど、各施策の制作ディレクションを担当しているチームのマネージャーをしています。元々さまざまなタイトルの施策に関わるチームですので、今回のLINE GAME10周年企画にも参加させていただくことになりました。

――:LINE GAME10周年企画が始まって半年が経つのですが、改めてこれまでにどのような企画を実施されてきたかという振り返りをお願いします。

登尾:一番大きい企画は1年を通して今も行っている「大感謝祭」というものです。これは、ユーザーさんがデイリーやウィークリー、マンスリーでミッションを行ってクリアをすることでガチャ券がもらえ、ガチャを回すことでLINEポイントなどが当たるというキャンペーンになっています。これを軸に、さまざまなタイトルをダウンロードして遊んでいただきたいと考えています。

また、LINE GAME10周年をテーマにアニメーションやブランディングサイトを制作し、アニメに関しては昨年11月にショートバージョンをYouTube公開させていただきました。

――:その辺りの施策に関して、ユーザーからの反響はいかがですか?

登尾:そもそも、今回キャンペーンを実施した目的に、10年という長い期間、LINE GAMEを楽しんでいただけたユーザーさんに感謝の気持ちを伝えたかったというところがあります。また、この企画をきっかけにLINE GAMEには他にもさまざまなタイトルが存在することを知ってもらい、今後の15周年や20周年に繋げていきたいという想いがありました。

結果として、今回、実施したキャンペーンを通して多くの人により多くのゲームをプレイしていただけたと感じています。大感謝祭の方は、ガチャの回転数や各タイトルのダウンロード数が想定を上回ったことから好評を得ていると感じることができました。

また、先ほど話したアニメのショートバージョンは100万回以上も再生され、視聴者からは共感や好意的なコメントを多くいただけました。いただいたコメントを見て、改めてLINE GAMEが多くの人に遊ばれてきたことを実感しましたし、引き続き長く遊んでいただきたいというモチベーションにもなりました。



――:アニメーションについては、そもそもなぜ制作されたのかというところからお伺いさせていただけますか?

櫻井:まず、LINE GAME10周年企画は「みんな、どこかでつながってる。」というブランドメッセージを掲げています。このメッセージをより多くの人にしっかりと伝える表現方法としてアニメを用いたというのが企画発足の意図となります。先ほど、LINE GAMEのユーザーさんには4050代の女性が多いというお話をさせていただいたのですが、LINE GAMEではよくアニメなどとのコラボを実施していることもあって、声優ファンの方など、他の層にもアプローチしていきたいと考えてアニメを制作いたしました。

アニメの内容としては、高校生の友達同士が同じゲームをプレイしていて、そこでハートの送り合いをすることで恋に発展していって、大人になっても二人の関係値は続いているし、LINE GAMEも続いているよというものになっています。

――:今回のアニメに込められた想いや見てほしいポイントについてもお聞かせください。

櫻井:高校時代から始まる10年間の友人関係や親子関係を描いています。結婚して子供が生まれたり、お母さんとのやり取りがあったり、LINEやゲームを通じて繋がりが感じられる作品になっています。このアニメを見ることで、身近なコミュニケーションツールとしてLINEやゲームが自分の近くにもあることを感じてほしいです。

過去に自分がLINEで体験したことを思い出してほしいという想いも強くあって、連絡したいけどメッセージはちょっと送りづらいなというときに、ゲームでハートを送ったことから連絡が始まったという経験がある方もいるのではないでしょうか。今回、Twitterでユーザーさん同士のエピソードを投稿してもらうキャンペーンを実施したのですが、そこに「最初は間違えてハートを送っちゃったけど、その後トークが始まって、今度会うことになりました」というコメントもあったので、そういった方は少なくないと思います。

――:起用されている声優陣に関してもかなり豪華な顔ぶれとなっていますが、この辺りの狙いについても教えていただけますか?

櫻井LINE GAMEがアニメを作ったと聞いてすぐに皆さんに見ていただけるかというと、正直なところ難しいと思います。そこで、まずは皆さんの知っている声優さんがひとつのきっかけになればと考えました。実際、チームにも声優好きのメンバーが多く「このキャラにはこの人だよね」という話し合いも活発に行われていて、ファンの方々に喜んでいただけそうなところを軸にしたという狙いはあります。



――:次に、今回10周年企画を実施される中で苦労したことはありましたか?

登尾:全体的に2軸ありました。

ひとつは内部的なところで、今回の10周年企画はこれまでのLINE GAMEのキャンペーンの中でも参加タイトル数が1番多くなりました。LINE GAMEはタイトルごとにユーザーさんとのコミュニケーションのナレッジを持っているのですが、タイトルを横断してとなると周年キャンペーンぐらいしかなく、その周年キャンペーンも7周年以来、実施していないのであまりナレッジが残っていません。その中でこれだけの大規模プロジェクトを動かしていくとの話だったので、LINE GAMEとしても初めてのことがかなり多かったです。企画はもちろん、各タイトルに対しての説明や依頼、機能開発、法務確認など、大人数を巻き込んでプロジェクトを進行していくのが最も大変でした。1年以上前から発足したプロジェクトだったので、リリースされたときはかなり嬉しかったですね。

外部的なところでは、大感謝祭が特にそうなのですが、ゲームをダウンロードしてポイントを獲得するという仕組みは、ダウンロード数を伸ばせる反面、裏を返すとポイントを獲得するためだけにゲームをダウンロードしてその後は遊んでもらえないというケースも多いです。だからといってミッションを難しくしてしまうと達成できないユーザーさんが増えてしまうというジレンマがあります。今回は、キャンペーン期間が1年間あるという強みを活かして、定期的にゲームをプレイしてもらえるようなミッションを作るよう工夫しました。苦労したポイントもここで、リリース前からデイリーやウィークリーのミッションをどういった内容にすればより遊んでもらえるかを考えていたのですが、リリース後の継続率を見ると想定とズレていたりするので、日々メンバーと話し合いながら調整し続けています。この辺りは、ひとつのゲームを運営している感覚に近いですね。

――:規模が大きくなるほど人をまとめるのも大変になると思うのですが、スムーズに進行するために何か工夫されたことはありますか?

登尾:これは自分が今まで横断的な仕事をして培ってきたことではあるのですが、多くの人に伝える場合、一回でひとつのツールで行うのは無理だと考えています。例えば、100人にメールを送ったとして、全員にしっかりと読んでもらえるかというとそんなことはないと思います。そこで、さまざまなツールを使って周知し、集まる場を複数回セッティングして、どうすれば伝わるかということを念頭に置いてまとめていきました。

櫻井:登尾とここまで深く一緒に仕事をするのは初めてだったのですが、凄く情熱を持って人に伝えるということをしてくれていた印象があります。その熱がいろんな人に伝播していったのを身近で見ていて感じました。言い方や話す内容などを含め、彼から発されるエネルギーが今回のプロジェクトの肝になったと思っています。

――:アニメに関しては苦労された部分はありましたか?

櫻井:そもそもアニメを作ったことがある人がほとんどいないという状況で、本当にゼロから全てを行わなければいけないというのが大変でした。最初は右も左も分からない状態だったので、何からすればいいんだろうと。

その後、プロジェクトを進めていく中で大変だったのは、30代以上のメンバーが多い中で、リアルな高校生の会話を表現しなければならないということです。今の若い世代は友達とどういった距離感でどういった言い方をしているのか。自分たちの目線で作ると古いものになってしまうので、できるだけ今の高校生がどういった会話をしているのか言い回しに気を付けながらこだわって作りました。

――:ボイス収録に関してはいかがでしたか?

櫻井:今回敢えて長い台詞を取り入れさせていただいたので、声優さんは大変だっただろうと思います。ただ、流石プロで経験もある方々なので、イメージ通りに声を吹き込んでいただけて収録はスムーズに進みました。

ひとつ特徴的だったのは、今回、LINEを題材にしていたので、セリフもLINE画面の表示に合わせなければならなかったということでしょうか。何も気にせずにセリフを進めてしまうとスマホ画面にテキストが表示されるタイミングとズレてしまうので、テキストが改行されているところで少し間を作るといった工夫をしていただけたのが印象的でした。

――:アニメに関しては、今後サイドストーリーの公開も予定されているとのことですが、こちらの内容についてもお話いただける範囲で聞かせていただけますか?

櫻井:まず、元々202211月に公開したショートバージョンにシーンを追加したものがロングバージョンになります。そこでは、10年間でキャラクター同士がどうなっていったかというストーリーを描いているのですが、その合間にどういうやり取りがあったのかをサイドストーリーで見せています。

また、サイドストーリーは計4本あるのですが、それぞれ、親子や男3人グループ、女子同士のやり取りなど、異なる特徴にフォーカスした内容になっています。本編にあったシーンの裏で友達同士のこういう会話があったからあのシーンに繋がったというのが分かるので、両方見ていただくことでより面白くなるようになっています。



――:最後に、LINE GAMEの今後についてどのような展望を持たれているか聞かせてください。

登尾:今回、アニメのテーマにもなっている「ユーザー同士の繋がり」は引き続き大事にしていきます。今後も多くの人、友達との繋がりも含めて楽しんでいただけるようなゲームを届けられると良いなと思っています。

また、LINE GAMEとして横断的な取り組みも継続していきたいと思っておりますので、LINEの他のサービスやグループ会社との連携を深め、LINEだからこそ実現できたという取り組みを実施できればと考えています。

櫻井LINE GAMEはプラットフォーマーとして数多くのタイトルをリリースしてきました。そのひとつの集大成が今回の10周年企画だと思っていて、それがひとつの成功体験になったということは我々にとって大きな収穫でした。

今後もプラットフォーマーとして何ができるか、ユーザーにとって何が喜んでいただけるかということを突き詰めていきたいと思っています。

――:本日はありがとうございました。



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(取材・文 編集部:山岡広樹)

LINE株式会社
http://linecorp.com/

会社情報

会社名
LINE株式会社
設立
2019年12月
代表者
代表取締役社長 出澤 剛/代表取締役 慎 ジュンホ
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