Aiming、第2四半期は例年通り「谷」も 『カゲマス』は想定より良好 第3四半期は『DQタクト』周年と『ダンクロ』貢献も投資先行の想定

Aiming<3911>は、昨日8月2日、2023年12月期 第2四半期(23年4月~23年6月)の連結決算を発表し、東京都内で決算説明会を開催した。第2四半期の数字は、売上高38億6800万円(前四半期比25.0%減)、営業損失1億5700万円(前四半期は5億7600万円の利益)、経常損失1億1800万円(同6億2600万円の利益)、最終損失3億7900万円(同2億1800万円の利益)と減収・赤字転落となった。

次の四半期の見通しも含めて、数字だけ見ると良くない決算と感じられるかもしれない。しかし、新作パイプラインの魅力と可能性、海外展開を考慮した戦略的なIPタイトルへの注力(後に掲載予定)、そして何よりゲーム会社としての基本である開発力を重視して投資し続ける姿勢など、将来大きく花開くと予感させるもので、ポジティブな印象を抱かせる内容だった。

今回は第2四半期の実績と第3四半期の見通しに関する記事となる。

 

 

・売上高:38億6800万円(同25.0%減)
・営業損失:1億5700万円(同5億7600万円の利益)
・経常損失:1億1800万円(同6億2600万円の利益)
・最終損失:3億7900万円(同2億1800万円の利益)

 

同社では、『主力タイトルドラゴンクエストタクト(DQタクト)』で前四半期に実施したハーフアニバーサリーの反動があったことに加え、『陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン(カゲマス)』の時間経過による減収があったことが主な要因としている。

例年、第2四半期にあたる4~6月は、収益的にも「谷」になるタイミング。『DQタクト』のハーフアニバーサリーと周年の間であることや、運営年数の長いタイトルについても大きなイベントがないためだ。

 

費用面では、開発中のタイトルの進捗により人件費と外注費が増えた一方、一部人件費と外注費を仕掛品に計上し、売上原価が減った。新作開発費を費用処理しつつ資産計上…聞くと一瞬「ん?」と混乱するが、同社によると、開発中のタイトルは費用処理しているが、開発時期の決まった時点で資産計上するルールだという。

この会計処理は、新作タイトル『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか バトル・クロニクル(ダンクロ)』にまつわるものだ。リリース時期が5月23日から8月24日に延期されたが、同タイトルに関わる開発費が費用処理と資産計上された。

 多くのタイトルの開発を進めている中で、従業員数の増加による人件費の増加に加え、外注費についても今後も増えていく見通しだ。この四半期では、新卒の入社などもあり、前四半期比で70名の従業員が増えたとの報告もあった。開発力強化に向けた投資に余念がない。

 

なお、『カゲマス』については、想定よりも良い結果になっているという。スマホゲーム会社の決算を見ると、増収を維持することが困難な会社が増えているなか、『カゲマス』の貢献で前年同期比では増収を達成した。

決算説明にあたった椎葉忠志社長は「最近のスマホゲームは初月から2ヶ月目にピークを迎え、その翌月に売り上げが半分以下になることも多い。アクティブユーザーこそ減ってはいるものの、高い水準を維持しており、お客様に楽しんでもらえるように運営を頑張っている」とチームを称えた。 

10月からの放送開始するアニメ「陰の実力者になりたくて! 2nd season」にあわせて運営計画を立てて盛り上げていく考え。アニメ第1期の放送終了からわずか半年で第2期が始まるのは異例だ。KADOKAWA<9468>の作品にかける期待の大きさが伺える。

 

続く第3四半期の業績は、売上高60億7100万円(前四半期比56.9%増)、営業損失1億0700万円(前四半期は1億5700万円)、経常損失1億0800万円(同1億1800万円)、最終損失1億7800万円(同3億7900万円)を見込む。ここ最近では第3四半期に大きく収益を伸ばすが

・売上高:60億7100万円(同56.9%増)
・営業損失:1億0700万円(同1億5700万円)
・経常損失:1億0800万円(同1億1800万円)
・最終損失:1億7800万円(同3億7900万円)

 

『DQタクト』の周年イベントや『ダンクロ』リリースで増収となるものの、引き続き赤字となる見通し。これについては主に『ダンクロ』関連の広告宣伝費が増えるため。同タイトルは、この四半期では1カ月と1週間の収益貢献となるため、広告宣伝費の回収は難しいと想定しているという。

 

株式会社Aiming
http://aiming-inc.com/
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会社情報

会社名
株式会社Aiming
設立
2011年5月
代表者
代表取締役社長 椎葉 忠志
決算期
12月
直近業績
売上高181億9900万円、営業損益13億900万円の赤字、経常損益11億円の赤字、最終損益22億2700万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3911
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