【決算レポート】コロプラ、第3四半期(4~6月)は前期のコラボ好調の反動減で『白猫』が低調 BLCゲーム『Brilliantcrypto』は明日15日からCBTを開催予定

柴田正之 編集部記者
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コロプラ<3668>の2023年9月期の第3四半期(4~6月)の連結決算は、前年同期の『白猫プロジェクト』のTVアニメ「ソードアート・オンライン」とのコラボ好調の反動などにより、前年同期比で2ケタ超の減収減益となった。

売上高65億8500万円(前年同期比11.2%減)
営業利益3500万円(同95.4%減)
経常利益5億1500万円(同62.3%減)
最終利益3億1100万円(同67.9%減)

■前四半期好調の『DQウォーク』は周年を控えて堅調な推移に

前回2023年9月期の第2四半期(1~3月)の連結決算を振り返ってみると、人気スキルを追加した「新春ウォーク2023」や3.5周年記念イベント「WALKフェス」が好調だった『ドラゴンクエストウォーク』(企画・制作:スクウェア・エニックス、開発:コロプラ、以下『DQウォーク』)が業績を大きくけん引し、増収増益での着地となっていた。

その『DQウォーク』は、この四半期は次の第4四半期の4周年を前にした準備期間となるが、その売上は前年同期とほぼ同水準となるなど比較的堅調な推移だったと言えそうだ。

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■『白猫』は落ち込むも9周年に向けた盛り上げ施策を実施

エンターテインメント事業は、前述のとおり、『白猫プロジェクト』を含むFY2014開始タイトルの売上が前年同期と比べて落ち込んだ。ただ、期中は9周年に向けた盛り上げ施策を継続的に実施しており、次の四半期でどのくらいばん回することができるのかが大事なポイントとなっている。

なお、『DQウォーク』は、行動制限が緩和される時期に合わせて、お出かけキャンペーン「ゴールデンWALK 2023」を開催し、ウォーキングアプリとしての魅力の再発信に努めたとのこと。

■ブロックチェーンゲームは明日15日からCBT開催予定

新作パイプラインは、スマートフォンゲームが6本、コンシューマゲームも6本となっている。スマートフォンゲームについては、前回の第2四半期決算から変化はなく、「鋭意開発を継続している」(宮本社長)という。

一方、コンシューマゲームは4月27日に『やはりゲームでも俺の青春ラブコメは間違っている。完』をリリースしており、前四半期比で1本の減少となった。なお、9月には人気IPを使用したゲームの続編をリリースする予定だ。

大きな動きがあったのはブロックチェーンゲームで、こちらはアジア最大規模のWebカンファレンス「WebX 2023」で開発中の『Brilliantcrypto(ブリリアンクリプト)』のプロジェクトを発表した。

本作は、世界中のユーザーが採掘者となり、宝石やトークンの獲得を目指して、鉱山を採掘していくブロックチェーンゲームとなる。ユーザーはゲーム内マーケットでつるはしを購入し、探知機などを使用しながら採掘を進めていく。その採掘に応じてトークンや宝石を入手することができ、宝石はNFT化して様々なメタバースに持ち込める可能性があるという。

なお、『Brilliantcrypto』は8月15日からクローズドベータテストを開催予定で、2024年に正式リリースを予定しているとのことだ。

■投資育成事業は市況の回復を待って投資を再加速

投資育成事業は、営業投資有価証券残高99億円となった。新規投資は少なかったものの、為替の影響が落ち着いたことで前四半期末と比べて増加したという。なお、市況の回復を待って、投資ペースを再加速していく方針だ。

■パリ・サン=ジェルマンFCやコインチェックとの契約を締結

この四半期のトピックとしては、子会社Brilliantcryptoの動きが加速してきたことだろう。前述のブロックチェーンゲーム『Brilliantcrypto』開発の進捗に加え、世界的サッカークラブパリ・サン=ジェルマンFCとの複数年のパートナーシップ契約の締結など、全世界のゲームギルドをはじめとしたパートナーとの提携の動きも大きく進んだ。

国内においては、国内暗号資産取引所大手のコインチェックとIEO(Initial Exchange Offering)に向けた契約を締結しており、新しいゲーム体験とGameFi市場の創出に向けた準備が進められている。

■2023年9月期予想は引き続き非開示

2023年9月期の業績予想については引き続き非開示。グループを取り巻く事業環境は短期的な変化が激しいことから、適正かつ合理的な数値の算出が困難であるため、としている。

株式会社コロプラ
https://colopl.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社コロプラ
設立
2008年10月
代表者
代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
決算期
9月
直近業績
売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3668
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