【決算レポート】アカツキ、1Q(4~6月)は10年ぶりの営業赤字に ゲーム事業の新規開発費用が増加 コーテクとの共同開発タイトル『レスレリアーナのアトリエ』を発表
アカツキ<3932>の2024年3月期の第1四半期(4~6月)の連結決算は、既存タイトルの落ち込みに加え、2022年10月1日に『UNI’S ON AIR(ユニゾンエアー)』の運営をアピリッツ<4174>に移管した影響もあって、前年同期比で大幅な減収となった。
利益面では、減収の影響のほか、今期リリース予定のゲーム開発の追い込みにより、ゲーム事業の大型プロジェクトを中心に新規開発費用が増加したことで各利益項目とも大幅な赤字に転落した。なお、同社が四半期ベースで赤字計上となったのは2014年の第1四半期4~6月期以来、10年ぶりとなる。
売上高36億1000万円(前年同期比30.8%減)
営業損益8億200万円の赤字(前年同期4億4800万円の黒字)
経常損益7億2200万円の赤字(同3億8100万円の黒字)
最終損益7億900万円の赤字(同1億9000万円の黒字)
■前四半期と比べても利益面の落ち込みが目立つ結果に
前回2023年3月期の第4四半期(1~3月)の連結決算を振り返ってみると、『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』の海外版が盛況だったものの、『ユニゾンエアー』の運営移管の影響で減収となっていた。
また、利益面でもゲーム事業の新規開発やコミック事業への成長投資の影響によって大幅な減益となっていたが、今回の第1四半期決算は利益面の落ち込みがさらに目立つ結果になったと言えそうだ。
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■コーエーテクモとの共同開発タイトル『レスレリアーナのアトリエ』を発表
続いて各事業の状況を見てみると、ゲーム事業は前述のとおり、既存タイトルの落ち込みと『ユニゾンエアー』の運営移管の影響で前年同期比で34.9%の減収となった。
なお、『ドッカンバトル』は、海外版の8周年イベントを次の第2四半期に控えていた準備期間の時期となり、その8周年イベントではフランスなど5つの国と地域でストアセールスランキング1位を獲得したという。
ゲーム事業の新規開発費用については、前年同期比1.7倍の11億1900万円に膨らんだ。これはリリースが近づき開発費が増加するなど、積極的な投資を加速している状況にあるためとなる。
では、新作のパイプラインはどのようになっているのかというと、『トライブナイン』と今回タイトル名が明らかになったコーエーテクモゲームスとの共同開発タイトル『レスレリアーナのアトリエ~忘れられた錬金術と極夜の解放者~』の2本が今期中のリリース予定となっている。
『レスレリアーナのアトリエ』は、「アトリエ」シリーズの最新作となるタイトルで、8月8日より事前登録の受付を開始した。スマートフォンのほか、後日PC(Steam)での配信も予定しており、リリース予定は2023年となっている。順当に行けば第3四半期までにリリースされている状況が見込まれることになりそうだ。
■コミック事業は作品制作と他社プラットフォームでの販売強化を優先
一方、コミック事業は作品制作および他社プラットフォームでの販売強化を優先したことで、当初想定していた事業モデルとは異なる形になっているものの、オリジナル作品数や流通総額が順調に拡大する形となった。
ただ、自社プラットフォーム、IP展開の本格展開時期は今後検討していくとしており、当初予算の範囲内での成長投資も継続していく。
■通期業績予想は引き続き非開示
なお、2024年3月期通期の業績予想については引き続き非開示。ゲーム事業の短期的な事業環境が激しく変化する不確定要素が多いことに加え、コミック事業についても積極的に挑戦していく方針であり、適正かつ合理的な数値の算出が非常に困難であるため、としている。
なお、8月18日には製品発表会「Akatsuki Games Now」を開催した。ゲーム事業の新作タイトルのリリースを起点に業績トレンドの転換を狙う同社の狙いが今後順調に進むのかどうかじっくりと見守りたい。
会社情報
- 会社名
- 株式会社アカツキ
- 設立
- 2010年6月
- 代表者
- 代表取締役CEO 香田 哲朗
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高239億7200万円、営業利益26億7600万円、経常利益28億3400万円、最終利益12億8800万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3932