アルファポリス、第3四半期決算は営業益6.5%減の17億円 印税率の改定と人材・設備の拡充など先行投資で 製本コスト増加も響く

アルファポリス<9467>は、2月9日、2024年3月期 第3四半期累計(23年4月~23年12月)の連結決算を発表し、売上高77億1600万円(前年同期比10.6%増)、営業利益17億3500万円(同6.5%減)、経常利益17億4100万円(同6.5%減)、最終利益10億6700万円(同7.1%減)だった。

・売上高:77億1600万円(同10.6%増)
・営業利益:17億3500万円(同6.5%減)
・経常利益:17億4100万円(同6.5%減)
・最終利益:10億6700万円(同7.1%減)

増収減益となったが、同社では、ライトノベルや漫画、文庫の売り上げた伸びたことで増収となったものの、期初に計画していた「印税率の改定」及び「人材・設備の拡充」といった事業基盤強化を目的とした成長投資を進めたことや紙書籍の製本コストが増加していること等が影響した、としている。

① ライトノベル
第3四半期累計の刊行点数は前年同期を大きく上回る252点(前年同期比59点増)となった。2024年1月からTVアニメ第2期の放送を開始する『月が導く異世界道中』の最新巻を刊行し、さらに書店の需要に応じた既刊各巻の増刷及び出荷を行ったことで、本タイトルが売上を大きく牽引した。

また、ボーイズラブレーベル「アンダルシュノベルズ」から刊行した『最推しの義兄を愛でるため、長生きします!』の第3巻が、前巻に続いて好評を博し、紙書籍だけでなく、女性向け小説と親和性の高い電子書籍販売においても販売数を伸ばし、好調な売れ行きを示した。

結果、第3四半期累計の売上高は前年同期を上回る着地となった。

② 漫画
第3四半期累計の刊行点数は前年同期を上回る134点(前年同期比22点増)となった。各書籍の売れ行きについては、TVアニメ第2期の放送を開始する『月が導く異世界道中』やシリーズ累計700万部を突破した『ゲート』等の人気シリーズの続刊が引き続き好調に推移した。

また、当ジャンルと非常に親和性の高い電子書籍販売については、刊行点数の増加に伴い新規配信作品数が拡大したことに加え、各電子ストアにおいて作品露出の強化や販売強化等の施策を複数展開したことにより、売上高は大幅に増加した。

結果、第3四半期累計の売上高は前年同期を大幅に上回る着地となった。

③ 文庫
第3四半期累計の刊行点数は前年同期を上回る136点(前年同期比16点増)となった。当ジャンルにおいては、取扱いジャンルの拡大を目的として、「キャラ文芸」「ライト文芸」「ホラー・ミステリー」等の開拓中のジャンルから、各Webコンテンツ大賞における受賞作を中心に優秀な作品を複数刊行してきた。

しかし、開拓中のジャンルにおける刊行を強化した反面、刊行書籍1点あたりの発行部数は前年同期より減少したことから、第3四半期累計の売上高は前年同期を下回る金額で着地した。

④ その他
第3四半期累計の刊行点数は3点(前年同期比2点減)となった。シリーズ累計141万部の人気作『居酒屋ぼったくり』の著者の最新作『深夜カフェ・ポラリス』を刊行し、本タイトルが想定通りの好調な売れ行きを示して、当ジャンルの売上を牽引した。

しかしながら、刊行計画の都合上、刊行点数が前年同期から減少したことにより、第3四半期累計の売上高は前年同期を下回る金額で着地した。

 

■2024年3月期の業績見通し

2024年3月期の業績は、売上高100億円(前期比7.7%増)、営業利益23億円(同4.9%減)、経常利益23億円(同5.2%減)、最終利益14億2600万円(同5.3%減)、EPS147.21円を見込む。

・売上高:100億円(同7.7%増)
・営業利益:23億円(同4.9%減)
・経常利益:23億円(同5.2%減)
・最終利益:14億2600万円(同5.3%減)
・EPS:147.21円

計画に対する進捗率は、売上高77.2%、営業利益75.4%、経常利益75.7%、最終利益74.8%となっている。

・売上高:77.2%
・営業利益:75.4%
・経常利益:75.7%
・最終利益:74.8%

株式会社アルファポリス
https://www.alphapolis.co.jp/company

会社情報

会社名
株式会社アルファポリス
設立
2000年8月
代表者
代表取締役社長 梶本 雄介
決算期
3月
上場区分
東証グロース
証券コード
9467
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