グリーのメタバース事業…VTuber事業への積極投資継続で2Q期間(10~12月)は営業赤字に ゲーム配信主体のVTuber事務所「すぺしゃりて」の1期生がデビュー

柴田正之 編集部記者
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グリー<3632>は、2月7日に2024年6月期の第2四半期累計(7~12月)の連結決算を発表し、その決算説明資料を公開した。今回はその中から同社のメタバース事業の状況を取り上げたい。

メタバース事業の第2四半期期間(10~12月)は、売上高17億9000万円(前四半期比9%減、前年同期比9%増)、営業損益1億2000万円の赤字(前四半期1億2000万円の黒字、前年同期1000万円の黒字)となった。

前四半期比で減収となっているのは、プラットフォーム事業における5周年キャンペーンを前四半期に実施した反動によるものとなる。減収の影響に加えて、VTuber事業への積極投資継続により、営業損益は赤字計上となった。

「REALITY」を展開するプラットフォーム事業は、前述の前四半期の5周年キャンペーンの反動により売上は軟調に推移した。

一方で、費用効率化を推進したことで収益構造が改善し、黒字を維持した。

VTuber事務所を運営する「REALITY Studios」を手掛けるVTuber事業は、ゲーム配信主体のVTuber事務所「すぺしゃりて」から1期生デビューや、既存事務所からの海外向けタレントのデビューなどにより、所属タレント数が順調に増加した。そうしたタレント数の増加に伴い、売上は好調に推移している。

一方で前述のとおり積極投資を継続していることにより、営業損益は拡大する形となっている。

このVtuber事業については、会社側の開催した決算説明会において、「2年くらいで年商数10億円規模に育てたい」としていた。

なお、メタバース事業の通期の業績予想については、プラットフォーム事業は好調に推移し、VTuber事業への積極投資を継続するものの、営業利益は通期で収支均衡程度となる見通しとしている。

グリー株式会社
http://www.gree.co.jp/

会社情報

会社名
グリー株式会社
設立
2004年12月
代表者
代表取締役会長兼社長 田中 良和
決算期
6月
直近業績
売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3632
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