ギークス、『アイドリッシュセブン』開発元で知られるG2 Studiosの全株式をTHE FIRSTに8億4400万円で売却
ギークス<7060>は、この日(3月25日)、同社の連結子会社でスマホゲームの開発を行うG2 Studiosの全株式をTHE FIRSTに8億4400万円で3月29日付で譲渡すると発表した。これに伴い、G2 Studios は同社の連結対象から除外されることになる。ギークスの2024年3月期の業績に与える影響については精査中で、開示すべき事項が発生した場合には速やかに発表する、としている。
同社グループはグランドビジョンに「21 世紀で最も感動を与えた会社になる」を掲げ、IT フリーランスのデータベース、グローバルで活躍する IT エンジニア育成など人材インフラを活かし、インターネットの普及によりめまぐるしく変化する人々の生活や企業の行動を積極的に捉え、変化対応力を強みに、提供サービスの創造・進化を通じて常に成長し続けることで、永続的な企業価値向上を目指している。
スマホゲーム業界を取り巻く事業環境が厳しくなる中で、スマホゲームの企画・開発・運営を行う G2 Studios については、『僕のヒーローアカデミア ULTRA IMPACT』や『アイドリッシュセブン』などの開発を担当しているものの、主に新規案件の獲得の遅れによって業績面での苦戦を強いられていたという。
今後の成長戦略について、M&Aも含めて幅広に検討を続けてきたが、最終的に、スマートフォン向けゲーム事業において豊富な開発・運営実績を有する THE FIRSTに株式譲渡を行うことが、G2Studios の更なる事業機会の拡大、経営基盤の強化につながると判断した、としている。
【追記1】
なお、数社のゲーム開発会社にヒアリングしたところ、大手ゲーム会社がスマホゲームの本数を急激に絞っていることもあって、新規開発の受注が取りづらい状況が続いているとの声があった。開発会社は、サービス開始後も運営を受託することで長期間にわたって安定した収益が可能になるが、既存ゲームが漸減するなか、新規開発が受託できないと収益的に厳しいという。
【追記2】
SNSなどで『僕のヒーローアカデミア ULTRA IMPACT』や『アイドリッシュセブン』の終了することを意味するのではという意見が散見されたが、このニュースはあくまでG2 Studiosの株主が変わるだけで、運営タイトルには直接関係はない。株主が変わったことでスタッフが大量離脱する、業績が急激に悪化するなどでもない限り、当面はG2 Studiosが引き続き開発・運営を続けるのではないか。
【追記3】
これはあくまで一般論だが、ソフトウェア会社は、特別な知的財産がある場合を除いて、開発スタッフが価値創出を担っている。よって、買収する側からすると、買収後も従業員に引き続き在籍してもらわないと困ってしまうので、離職の原因になりかねない急な体制・事業内容の変更を避けることが多い。THE FIRSTの経営陣がG2 Studiosの従業員向けにグループ入り後のビジョンや体制、事業展開について直接、説明を行うはずである。
■G2Studios
■THE FIRST
会社情報
- 会社名
- ギークス株式会社
- 設立
- 2007年8月
- 代表者
- 代表取締役CEO 曽根原 稔人
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高237億3900万円、営業利益9000万円、経常利益8200万円、最終損益14億7300万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7060
会社情報
- 会社名
- G2 Studios株式会社
- 設立
- 2018年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 桜井 敦