【クリエイターの広報術:第1回】プレスリリース、どのタイミング送るのが正解?

インディーゲーム開発者とプレスリリースのいろはを共有する「クリエイターの広報術」。今回は、プレスリリースは度のタイミングで送るべきかを考えていきたい。

多くのインディーゲーム開発者にとって、プレスリリースは限られたリソースを注ぎ込むべき重要な広報手段だ。しかし、どれほど熱を込めて書いた文章であっても、送るタイミングを間違えればメディアに届く前に埋もれてしまう。広報の成否を分けるのは、メディアが最も記事を書きやすく、読者が最も動くベストタイミングを狙い撃つことだ。

ベストタイミングは2回ある

メディア視点から見たベストタイミングは、大きく分けて2回ある。1つ目は「配信日が決定したとき」、そして2つ目は「配信開始の当日」。メディアは常に「いつ、何が起きるか」という確定情報を探している。配信日の告知はニュースとしての鮮度が極めて高く、配信当日の報告は「今すぐ遊べる」という情報が読者の購入意欲に直結するため、記事化される確率が飛躍的に高まる。

この2つの山場を確実に活かすためには、事前の仕込みが欠かせない。記事の顔となる高品質なメインビジュアルやスクリーンショット、ゲームの魅力を凝縮した紹介テキスト、できれば最新のトレイラーを揃えておきたいところ。

送っても読まれにくいタイミング

逆に、避けるべきタイミングも理解しておく必要がある。例えば「開発を始めたばかり」という段階での報告は、よほど著名なクリエイターでない限り、掲載される可能性は低い。
また、配信後しばらく経ってからの情報発信や、細かなバグ修正、小規模なゲーム内イベントなども、既存ファン向けの情報としては重要だが、一般メディアに記事として取り上げてもらうのは困難だ。

ただし例外もある。例えば、アーリーアクセスを終了して正式版に移行するタイミングや、ゲームシステムを根本から刷新するような大型アップデート、あるいは新しいプラットフォームへの展開などは、リリース済みのゲームであっても「再出発」「新展開」のニュースとして扱われる可能性が高い。


編集部からの一言

今回紹介したタイミングはあくまで基本的な一例。実際には、小規模なアップデートやちょっとしたイベントであっても、メディアに掲載される可能性がゼロではない。もしそうしたタイミングでリリースを送るなら、メールのタイトルや添付するバナー画像で、いかに「面白そう」と思わせるかが鍵を握る。

私自身、日々膨大なプレスリリースを受け取る立場にあるが、残念ながら「もったいない」と感じるケースも少なくない。よく目にするのが、メールのタイトル(件名)が書かれていなかったり、書かれていても「記事掲載のお願い」とだけ記されていたりするケース。これでは中身を開く前にどんなゲームなのか、何がニュースなのかが伝わらない。スパムメールと勘違いするときもある。

結局のところ、gamebizに限らずどのメディアも、一斉に送られてくるプレスリリースの中から「どれを記事にするか」をその都度判断している。私たち編集者も1人の人間。山のようなメールの中で目立たないものは、どうしても見逃してしまったり、後回しにして忘れてしまったりすることもある。

せっかく丹精込めて作ったゲーム。その魅力を一人でも多くの人に届けるためにも、まずは「メールを開いてもらう工夫」から始めてみてほしい。次回以降は、プレスリリースを各メディアに取り上げてもらうための具体的なテクニックを、より深くメディア側の視点から共有していきたいと思う。