インディーゲームクリエイターが自身のゲームを効率よく世に伝えるため、メディア視点から掲載しやすいプレスリリースを紹介する連載「クリエイターの広報術」。第4回で解説した「最高のスクリーンショットと動画」が準備できたら、いよいよメディアへ送信するフェーズ。しかし、ここで考えてほしいのが「どうやって送るか」という手段の選択だ。
「画像が少なすぎる」「パスワードがかかっていて開けない」といったトラブルは、編集者の手を止めてしまう最大の要因。今回は、代表的な3つの送信方法とその使い分け、さらにできれば避けてほしいNG例について解説する。
送信方法の主流は3種類
1. メールに直接ZIPファイルを添付する
最も古典的かつシンプルな方法。
◯ メリット: 相手がメールを開いた瞬間に素材の有無が分かり、そのまま保存できる。送信者側もZIPファイルをドラッグ&ドロップするだけなので楽。
× デメリット: 容量制限が厳しい。一般的に、ビジネスメールで一度に送れるのは5MB~10MB程度まで。これを超えると、相手のサーバーで受信拒否されたり、メールボックスを圧迫したりして嫌がられる原因になる。
活用シーン: ロゴと数枚の軽量な画像だけを送る場合。
2. Google ドライブなどのクラウドストレージに格納する
現在のインディーゲーム業界において、おそらく最も標準的な方法。
◯ メリット: 大容量でも気にせず送れる。後から「あ、画像を差し替えたい!」となった時も、URLはそのままで中身だけ更新できる。
× デメリット: 「権限設定」のミス。URLを知っている人全員が閲覧できる設定になっていないと、編集者がクリックした時に「アクセス権限をリクエストしてほしい」という画面が出てしまう。
活用シーン: スクリーンショット、動画、ロゴ、プレスリリースPDFなど、素材一式をまとめて共有する場合。
3. ギガファイル便などの転送サービスを利用する
日本で特によく使われる、大容量ファイル送信の定番。
◯ メリット: アカウント不要で、数GB単位の重い動画ファイルも一瞬で送れる。
× デメリット: 「有効期限」があること。多忙な編集者が「よし、記事を書こう」とURLを開いた時には期限切れ、というケースは珍しくない。また、セキュリティの厳しい企業では、こうした外部転送サービスからのダウンロードをシステムで禁止している場合もある(gamebizは問題なく受け取れます)。
活用シーン: PV用の重い動画素材のみを別送する場合など。
これだけは避けたい!素材準備の落とし穴
送信方法が決まっても、中身の用意のしかた次第で、記事化へのハードルが上がってしまうことがある。ここでは、メディア担当者が思わず「惜しい……!」と感じてしまう、避けるべきポイントをいくつか挙げていく。
正直しんどい「画像なし、Steamページのみ」
最も避けてほしいのが、画像素材を一切添付せず「詳細はSteamページを見てください」で済ませてしまうケース。
メディア側でページをスクリーンショットして記事化することも不可能ではないが、どうしても見栄えが悪くなる。クオリティの低い記事を出すことは、我々メディアにとっても読者やプラットフォーマーからの評価を下げるリスクがあるため、素材がないリリースはどうしても敬遠されがちだ。
「低解像度・サイズが小さい」画像
「容量を軽くしよう」という配慮から、画像を小さくリサイズして送ってくれるケースもいるが、正直これは逆効果。
現代のWebメディアは高解像度ディスプレイで見られることが多いため、画像が小さいと引き伸ばされてボケてしまう。多少ファイルサイズが大きくなったとしても、「撮影したままの高解像度ショット」をそのまま送るのが正解。
フォルダ分けが細かすぎる(丁寧すぎ問題)
意外な盲点が「フォルダの整理」。「/スクリーンショット/フィールド/戦闘中」……といった具合にフォルダが細かく分かれすぎていると、編集者は「記事の顔になる1枚」を探すために何度もクリックを繰り返さなければならない。
基本的には「キービジュアル」「スクリーンショット」「動画」の3種類程度で十分。極論を言えば、キービジュアルとスクリーンショットも同じ「画像」フォルダに入れてもらって構わない。丁寧すぎるよりも、パッと見て全体を俯瞰できることのほうが、忙しい編集部には喜ばれる。
編集部からの一言
送信方法については、どれか一つが正解というわけではない。まずは各々がやりやすい方法を見つけてほしい。あくまで個人的な理想は、「メールにはプレスリリースのテキストと、最も重要なメイン画像1枚だけを直接貼り、残りの全素材(高画質版や動画)はGoogle ドライブのURLにまとめておく」という形。これなら、スマホでサッと内容を確認したい時も、PCで実際に記事を書きたい時も、どちらもスムーズに対応できる。
最後に繰り返しになるが、「どのアカウントでもURLが開けるか」「パスワードの記入漏れがないか」は送信前に必ず確認してほしい。そのひと手間が、あなたのゲームが記事になるスピードを早めるはずだ。
過去の連載一覧
【クリエイターの広報術:第1回】プレスリリース、どのタイミング送るのが正解?
【クリエイターの広報術:第2回】メールを開かせる「タイトル」と「一行目」
【クリエイターの広報術:第3回】意外と知らない?あると嬉しい最適メインビジュアル
【クリエイターの広報術:第4回】ゲームの魅力を伝えるのに欠かせない「スクショ」「動画」を考える