
ポールトゥウィンホールディングス<3657>は、9月14日、2027年1月期 第2四半期累計の連結決算を発表し、売上高230億2500万円(前年同期比6.7%減)、営業利益8億2900万円(前年同期は2億0600万円の損失計上)、経常利益9億9600万円(同4億8100万円の損失計上)、最終利益4億3200万円(同3億9200万円の損失計上)だった。売上と各利益は予想を上回ったほか、最終利益についても赤字予想から一転して黒字で着地した。
・売上高:230億2500万円(同6.7%減)
・営業利益:8億2900万円(同2億0600万円の損失計上)
・経常利益:9億9600万円(同4億8100万円の損失計上)
・最終利益:4億3200万円(同3億9200万円の損失計上)
同社は、メディア・コンテンツ事業からの撤退を中心とした事業再編によって収益基盤の再構築を進めてきた。今期はその効果が顕在化したことに加え、国内外のゲーム分野で旺盛な需要を取り込んだことで、収益性の改善が期初想定を上回るペースで進んだ。
■不採算事業からの撤退で収益構造を改善
今回の業績回復で大きいのが、事業ポートフォリオの見直しだ。
前年同期にはメディア・コンテンツ事業で20億4200万円を売り上げていたが、営業損失は1億3700万円に達していた。26年1月期までに同事業から撤退し、今期は売上高がゼロとなった一方、前年同期比で営業利益を1億3700万円押し上げる要因となった。
また、海外ソリューションでは前期に実施したリブランディングやオフショア拠点立ち上げに伴う一時費用がなくなったほか、受注減に備えて進めていたレイオフの効果も表れた。売上高は前年同期比3.8%減の93億7600万円となったものの、営業利益は前年同期の5億8500万円の赤字から1億7900万円の黒字へ転換した。上期としては4期ぶりの営業黒字となる。
連結営業利益について同社は、売上ミックスの改善などによる粗利増加が2億2300万円、海外を中心とした人件費減少が4億6600万円、償却費など固定費の減少が7億3900万円あったと説明している。一方、減収による粗利減少は3億9300万円だった。
つまり、今回の黒字化は単純に売上が回復したというより、不採算事業の整理や固定費の圧縮によって、収益を生み出しやすい事業構造への転換が進んだことが大きい。
■ゲーム分野の旺盛な需要が想定を上回る
そのうえで、現在の収益を支えているのがゲーム関連事業だ。国内ソリューションの売上高は前年同期比6.0%増の136億4800万円。ゲーム市場向けデバッグサービスの伸長が売上成長を牽引した。
特に今期はゲーム分野が期初の想定を上回るペースで推移しており、国内ソリューションの上期予想に対する達成率は売上高106.1%、営業利益317.0%となった。同社は、市場環境の活況を背景にゲーム分野の旺盛な需要が継続すると見込んでおり、競合他社からのシェア獲得も進んでいるとしている。
なお、国内ソリューションの営業利益は前年同期比で1億2800万円減の5億2900万円となっているが、これはグループ本社機能の集約などに伴う共通費の配賦基準変更の影響が大きい。同じ配賦基準で比較した場合、営業利益は8億1500万円、前年同期比1億5700万円増となる。
海外ソリューションについても、売上の大半をゲーム分野が占めており、音声収録やローカライズなど各サービスが概ね想定を上回った。上期予想に対する達成率は売上高106.2%、営業利益161.4%。第2四半期のゲーム分野売上高は過去最高に迫る水準だったという。
■「成長」よりまず収益性の回復を優先
同社はこれまで事業再編を進める中で、トップラインの成長よりも収益性の回復を優先する方針へ転換している。メディア・コンテンツ事業から撤退したことも含め、現在はゲームデバッグを中心とするサービス・ライフサイクルソリューションに経営資源を集中。国内ゲーム分野の安定的なシェア拡大に加え、国内Tech分野、海外ゲーム分野への投資を進める方針だ。
その意味では、コンテンツそのものを手掛ける領域を広げるより、ゲーム開発会社を支えるデバッグ、ローカライズ、音声収録などの既存事業を磨き、安定的に収益を上げる方向へ軸足を移したといえる。
さらに、ゲームデバッグAIツールの製品化にも着手している。SideはデンマークのAIスタートアップModl.aiと次世代ゲームデバッグプラットフォームの製品化プロジェクトを開始し、AIエージェントの開発を技術・事業の両面から主導する。既存のゲームデバッグ事業をAIによって高度化することで、生産性向上と新たな成長機会につなげる考えだ。
■通期予想は据え置き、まずは最終黒字化の達成を優先
もっとも、上期が想定を上回ったからといって、同社は通期業績予想を上方修正していない。
2027年1月期の業績は、売上高470億8200万円(前期比3.6%減)、営業利益20億1400万円(前期は2億3800万円の損失計上)、経常利益18億9100万円(同5億0800万円の損失計上)、最終利益7億円(同34億7900万円の損失計上)、EPS19.81円を見込む。
・売上高:470億8200万円(同3.6%減)
・営業利益:20億1400万円(同2億3800万円の損失計上)
・経常利益:18億9100万円(同5億0800万円の損失計上)
・最終利益:7億円(同34億7900万円の損失計上)
・EPS:19.81円
【通期計画に対する進捗率】
・売上高:48.9%
・営業利益:41.2%
・経常利益:52.7%
・最終利益:61.7%
会社側は、下期においても事業環境に不透明な要素が残ることから、現時点では予想を変更せず、まずは通期予想と上期実績との差額を着実に達成することを優先する考えだ。もともと下期偏重を想定していた業績予想に対し、黒字化のタイミングは前倒しとなったものの、最終利益700百万円の達成にはなお不確実性があるとしている。
売上高はメディア・コンテンツ事業からの撤退で減少したものの、ゲーム需要の強さを背景に主力事業が伸長。不採算事業の整理、一時費用の剥落、人件費・固定費の圧縮も重なり、収益性の回復が期初想定を上回るペースで進んだ――。今回の決算は、事業再編を経たポールトゥウィンHDが「まず稼げる体質を取り戻す」という段階に入ったことを示す内容となった。
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会社情報
- 会社名
- ポールトゥウィンホールディングス株式会社
- 設立
- 2009年2月
- 代表者
- 代表取締役会長 橘 民義/代表取締役社長 橘 鉄平
- 決算期
- 1月
- 直近業績
- 売上高488億3700万円、営業損益2億3800万円の赤字、経常損益5億800万円の赤字、最終損益34億7900万円の赤字(2026年1月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3657