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【CEDEC 2018】難解な”特許”の簡単な「読み方」と「探し方」…特許係争を起こさないための調べ方とは

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コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、8月22日~24日の期間、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)にて、国内最大のゲーム開発者向けカンファレンス「コンピュータ・エンターテインメント・デベロッパーズ・カンファレンス 2018」(CEDEC 2018)を開催した。
 
本稿では、8月23日に実施された講演「開発者向けの、簡単特許調査方法」についてのレポートをお届けしていく。
 
本セッションには、バンダイナムコエンターテインメント 知的財産部 プロフェッショナルの恩田明生氏が登壇。専門家以外の人でも簡単に特許調査ができる方法として、難解な特許文章の読み方や探し方についての話を展開した。
 

■そもそも特許係争は何故、起きるのか

 

▲バンダイナムコエンターテインメント 知的財産部 プロフェッショナルの恩田明生氏。
 
本講演を始める前に恩田氏は、ここで紹介するのはあくまでも「開発者の目線で簡単に行える特許調査方法であるため、最終的な特許侵害の判断については社内の知財部や弁理士に相談したうえで検討してほしい」と注意を促してから講演を開始した。
 
まずは直近で大きな話題となった特許事件を紹介。恩田氏は、下記の件は表立って話題となったが、こういったことは水面下でよく起きているため他人事ではないと述べる。
 
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では、何故こうした問題が起きるのか。まず恩田氏は、ゲームにおける”特許”は、仕様や仕組みなどゲームそのものの根幹アイデアにあたるものであると説明。知的財産で争われる場合、主に「著作権法」「不正競争防止法」「商標法」「特許法」が取り上げられるケースが多いとし、それぞれの内容も紹介した。
 


▲ここからは過去に実際に起きた事例をもとに紹介。「釣りゲームのレーダー画面が似ている」ということから発生したグリーとDeNAのケースや、昨今、話題となっているゲームバー問題については主に著作権法に触れている
 

▲同一・類似する他人の商品表示の無断使用で争っていたのが任天堂の『ファイアーエムブレム』と旧アスキーの『エンブレムサーガ』。マジコン事件は、コピープロテクトの解除にあたるとのこと。
 
こうした特許係争は、各社が保有する特許発明(財産)が無断で使用された際に「差し止め」や「損害賠償請求」という形で発生する。
 


▲特許とは、ハードからソフトまで、新しい発明(遊び)に対して一定期間、”国”が独占的な権利を与えるものであるという。各社が技術研究の成果として財産化しているのが現在の産業の仕組みになっている。
 
続いては、特許になる発明とはどういったものかを説明。発明とは、「今までにない、新しい技術や物、方法などを新たに生み出すこと」にあたるという。ゲーム業界では「コントローラーやタッチパネルを使った操作方法」や「ガチャシステム」など、下記のようなものが該当すると主な発明技術を紹介した。
 

 
また、特許を得る際は生み出した発明を文章で表現し、国に書類として提出しなければならないとのこと。ただし、この工程が難解に見えるためひとつの壁になっているという。そこで今回の講演ではまず「発明を文章にするとはどういうことか」を、鉛筆で特許を取りたい場合を過程して下記のように例として紹介した。
 

▲鉛筆は何から構成されており、それぞれがどういった関係性で、何故、紙に書けるのかということが具体的に説明されている。
 
では、これをゲーム業界に例えると。例えば、ガチャというシステムで特許を取得したい場合、下記のように文章で説明する必要がある。
 


▲図解されると分かりやすいが、文章のみになった途端、非常に難解な説明となってしまう。
 
恩田氏は、「発明を文章で表現する」ということは、目的を実行したり、課題を解決するために不可欠な構成要素を記載し、それぞれの構成要素の役割を文章で表現することだとまとめた。
 
そうして完成した文章は特許庁に提出することで審査が行われ「新しいか」、「進歩しているか」、「実施可能か」といった項目をクリアしていれば特許料を納付することでようやく認められて独占権が発生する。また、原則的に特許は国ごとに申請する必要があるとのこと。そのほか、特許は出願日から20年が経過すると権利が消滅することも紹介された。
 


▲ここで恩田氏は一度、ここまでの話から特許とはどういったものかについて上記のようにまとめた。
 

■難解な特許の説明を理解するためには

 
ここからは特許の読み方について。
 
特許出願は、公開特許公報と登録特許公報という2つの形で誰にでも公開されているとのこと。2種の区分けは下記の通り。
 


▲公開特許公報は、特許出願から1年6カ月経過したものが、認められていないものも含め全て公開されている。一方、登録特許公報は既に特許として認められているものが開示されている。
 
特許公報には「誰が」「いつ」「どんな発明が」「今までとどんな違いがあって」「どうやって実現するか」という情報が記載されている。
 

▲中でも、特許化された発明について書かれた「請求項」が重要になる。特許侵害は、この請求項に書かれた項目を理解せず同じことをしてしまった際に起こることが多い。
 



▲パッと見は何が書かれているか分かり辛いが、一度、それぞれの要素をバラバラにして構成すると読み解きやすくなると手法を紹介した。恩田氏は、そこからフローチャート化することでさらに理解しやすくなるとオススメした。
 
また、上記の手法で請求項を要素ごとに分けた際、自身の発明が全ての項目に該当していると特許侵害にあたるという。逆に、どこか一ヶ所でも該当しない場合は特許侵害に当たらないのだとか。そのため、請求項に記載されている言葉の使い方や解釈は非常に難しくなるため、開発者のみで判断せず専門家に判断を仰いでほしいと恩田氏は念を押した。
 

▲そもそもビデオゲームとは、アイテムとは、という定義ができるため非常に繊細な部分になる。
 

▲上記は特許を無効にできる場合。特許侵害を訴えられた場合、相手元の特許を無効にできるかの理由を探すという方法もある。
 

▲特許の読み方についてのまとめ。
 

■漏れを減らすための「特許調査」の秘訣はand検索とor検索の活用にあり

 
特許の読み方が分かったところで続いては「探し方」について。基本的に特許は「特許検索サイト」で検索すれば見つかるというが、条件などを含めその「検索」をすることが最も大変であるとのこと。
 
ここで恩田氏は一度原点に立ち返り、特許調査の目的をおさらい。そもそも、特許調査は他社が保有する特許技術を把握することで特許侵害を起こさないことが目的である。また、他社がどのような技術を持っているか、これから何を行おうとしているかという部分への興味や、自社の技術開発の参考を目的にされることもある。
 
では、いよいよ「探し方」の実践へ。仮に下記のようなニュースが報道されたとする。
 

 
特許を探す際に重要となるのは、分かっている情報からどのようにして検索していくかである。ここでは「BNEの特許」、「タッチパネルを使った操作方法」、「A社の○○というタイトル」という点が明確になっている。そこで、この情報を基に下記の「特許庁 特許情報プラットフォーム」や「Google patent search(一部日本語対応)」を利用して探していくことになる。
 

▲使いやすい検索サービスとして上記の2つが紹介された。「Google patent search」は基本英語となっているが「日本語 co.jpドメイン」のケースのみ日本語に対応しているとのこと。
 
 
▲従来のGoogleと同じような使い方となっているため非常に扱いやすい。詳細ページを開くと写真右のような画面へと推移する。
 
検索は、先ほども述べた「明確になっている情報」から、いくつかの手掛かりを掛け合わせて進めていく。
 
 
▲出願日や発明者、特許分類といった部分で何を組み合わせるかが肝となる。この辺りはセンスや経験が問われるとのこと。
 
なお、ここからはもうひとつのオススメサイトとして紹介された「特許情報プラットフォーム」をベースに話が展開された。こちらのサイトには、全ての特許公報が集約されているとのこと。
 
 
▲先ほどの仮ケース「バンダイナムコ タッチパネル」で検索をかけると89件の結果が表示される。
 
検索結果画面には「出願日」「公開日」「登録日」が記されているが、この中で「登録日」が明確になっているものは既に特許として承認されている。また恩田氏は、公開特許公報と登録特許公報で内容に一部差があることもあるため注意してほしいと呼びかけた。
 


▲特許侵害を起こしたくないときには登録特許公報の情報が重要になる。
 

▲こちらが登録特許公報の詳細が書かれたページ。
 
基本的な探し方については以上となるが、ここからはさらに精度を上げた検索手法についても紹介。下記の写真にある「特許・実用新案検索」というページからは、さらにジャンルやワードを絞った検索が可能になっているとのこと。
 


▲「検索キーワード」ではタブで多数の選択肢を入力できるほか、and検索とor検索が同時に行える。
 
そのほか、特許はそれぞれ特許庁が定めた記号で技術分類されているため、技術範囲の記号の部分が分かると検索が楽になるとのこと。ただし、そもそも技術範囲の記号が誤っていることもあるためこれだけに頼るといった検索は回避した方が良いという注意も促した。
 

▲特許調査の進め方のまとめ。
 
ここまで様々な検索手法を紹介してきた恩田氏だが、では実際にこの方法でバンダイナムコが持っているタッチパネルに関する特許発明は全て網羅できるのだろうか。また、逆に情報が大量に見つかった場合はどのようにして絞ればよいのだろうか。
 
これについて恩田氏はずばり「見つからない」とコメント。タッチパネルの特許を取得する際に「タッチパネル」と記載されているとは限らないため、漏れを減らすためには下記のような手法を用いる必要があると述べた。
 

▲そのタッチパネルがどのような用途で使用されているかを調べ、関連性の高いワードをand検索に入力していくことで情報を絞ることができる。
 

▲逆に、情報の漏れを防ぐには「タッチパッド」や「タッチスクリーン」など、同義語を全てor検索に入れるという手法が紹介された。多くの手掛かりの組み合わせること、そして同義語を入力することでより漏れのない調査が行えるようになるとのこと。
 
また、先の「読み方」と同様に特許をフローチャート化して肝になりそうな要素を取り出し、全ての構成要素を満たすパターンと一部の構成要素を満たすパターンの両方でそれぞれ調査をすることが重要だと説明した。
 


 
下記はレア確定10連ガチャの仕様の特許調査を行いたい場合。
 



▲構成要素を洗い出し、使用されていそうなキーワードを挙げていく。これを検索式に展開することでレア確定10連ガチャに関する特許文献が見つかる。
 
最後に恩田氏は、本講演のまとめを下記の通りに公開。冒頭にも述べた通り、今回の講演は開発者が簡単に調べられる範囲を紹介しているため、最終的な判断は社内の知財部や弁理士などの専門家に相談することが大事だと念押しして講演の締めとした。
 



 
(取材・文 編集部:山岡広樹)
 
 

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企業情報(株式会社バンダイナムコエンターテインメント)

会社名 株式会社バンダイナムコエンターテインメント
URL http://bandainam.co/1mZsovM
設立 1955年6月
代表者 大下 聡
決算期 3月
直近業績 売上高2570億円、営業利益285億円、経常利益291億円、最終利益227億円(2018年3月期)
上場区分 非上場
証券コード

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