【インタビュー】”シリアスな展開も健在”…強く優しくなって帰ってきた『セブンズストーリー』の変わる要素と変わらぬ想い


Cygamesの子会社である株式会社WithEntertainmentは、8月21日、Cygamesの新展開を発表するイベント「Cygames NEXT 2016」において新作アプリ『セブンズストーリー』を発表した。

本作は、2013年12月に「Mobage」でリリースされたソーシャルゲームのネイティブアプリ版(リメイク作品)。リリース当初より重厚な物語と洗練されたバトルシステム、多機能コンテンツなど、カードゲームが中心だった「Mobage」の他社作品とは一線を画するクオリティで、エンドユーザーはもちろん、クリエイター陣からも高評価を得ていた。

「Social Game Info」では、過去にWithEntertainment代表取締役の細井敦氏にインタビューを実施(関連記事)し、子会社化の経緯や『セブンズストーリー』(旧作版)の開発秘話などを伺ってきたが、待望のネイティブアプリ版(リメイク作品)では、どのように進化を遂げたのか。再び細井氏を尋ねた。
 

■「ユーザーのみなさんと一緒に作り上げてきたタイトル」



株式会社WithEntertainment 代表取締役
細井敦

――:ご無沙汰しております。『セブンズストーリー』リメイク版の発表の際、驚きと共に「遂に来たか!」と喜びも同時に押し寄せてきました。

ありがとうございます(笑)。


――:すでに「Social Game Info」では、2015年3月頃にWithEntertainmentのことや旧作版の開発秘話に関する記事は掲載(関連記事)しておりますので割愛するとして、まずはリメイク版のプロジェクト発足からお伺いできればと思います。

そもそも「Mobage」で運営していた旧作版の『セブンズストーリー』は、2014年5月にサービス終了となり、弊社は2014年12月にCygamesの子会社となりました。私自身、『セブンズストーリー』が初めて手掛けたゲームということもあって、本当に特別な思い入れがありました。旧作版がサービス終了を迎えた際も「いつかネイティブアプリとして作り直したい」という思いも絶やさず持ち続けていたのですが、Cygamesの渡邊社長も同じ思いがあり、今回のプロジェクトが実現に至りました。


――:たしか当時のスタッフ数は3名ほどでしたよね。

ええ、3人でした(笑)。現在は13人ほどと少人数で開発しています。
 


――:子会社化後の2014年12月、すぐに『セブンズストーリー』のリメイク版の開発に着手したのでしょうか。

いえ、まずはネイティブアプリを1本開発する経験を積んだ方がいいと渡邊社長からお話があり、当時は「ちょゲつく」(※Cygamesのカジュアルゲームブランド)の開発をしていました。その後、本格的に『セブンズストーリー』のリメイク版に臨みました。


――:では、ここからは具体的に新しくなった『セブンズストーリー』の概要についてお伺いできればと思います。まずは一新されたグラフィックですよね。

はい。旧作版ではグラフィックもすべて自分たちで行っていたので、今回はかなり劇的に変化しています(笑)。
 


――:今回はデザイナーが描かれたんですね(笑)。

ええ。キャラクターデザインに関しては、Cygamesのアートディレクターとイラストレーターが担当しています。そのほか、企画やプログラミングなどは弊社のほうで手掛けています。


――:ご自身で描かれた既存のキャラクターを一新する際、デザイナーに対してどのような形で依頼したのでしょうか。

デザインは大きく変わっても、『セブンズストーリー』の世界観や各キャラクターの個性などは、旧作版から引き継いでおりますので、そうした要素を残しつつ調整してもらいました。あのイラストから一新するのは大変だったかと思いますが、いい形で旧作版の名残も感じられるような可愛らしいデザインにして頂けました。


――:ストーリーについてはいかがでしょうか。

こちらは新しいストーリーになっています。旧作版から出てきたキャラクターも同名で登場するのですが、全く新しいストーリーが展開されます。

■ストーリー
冒険者の少年アルフとラビィが記憶喪失の少女・セプティムに出会い、 女勇者ファルメアに導かれ、幻晶獣の眠るという遺跡へと旅立つ。 それは駆け出しの彼らには想像もつかない、大冒険の始まりだった。



――:そしてシステム面。バトルなど変更した部分はあったのでしょうか。

システムは、旧作版の『セブンズストーリー』よりユーザーの方々から高い評価をいただいていましたが、必ずしも完璧ではないと私自身思っておりましたので、いまの時代に合う形で修正したところもあります。たとえばバトルについては、マップ及びキャラクターのモデリングのすべてに至るまで2Dグラフィックから3Dに変更しました。

また、操作は前作と同じタップ操作にしており、直感的な形でやりやすいのですが、さらに利便性を高めるために「おまかせ」というオート機能も搭載しています。本作のオート機能は、フルオートではなく段階的に動いてくれるのが特徴です。つまり、移動だけをオート機能に任せて、攻撃は自分で選択するなど、バトル中にちょっとだけ迷ったときに頼れる効果的な機能となっています。シミュレーションが初めての方でも安心して遊べる作りになっています。

 


――:1ステップごとに頼れるのは良いですね。ちなみにバトルと言えば、ウサギ(ラビィ)の存在も欠かせないですね。旧作版では、プレイヤーのサポートを行ってくれましたが、自身が弱いと積極的に攻撃して、逆に自身が育つとサポートにまわるなど、洗練されたAIが特徴的でした。……その辺は相変わらずですか?(笑)

ははは(笑)。ええ、ウサギも従来通り勝手に行動してプレイヤーをサポートしてくれます。
 


――:それは楽しみです! そしてバトルでは新要素「幻晶獣」も見逃せませんね。

幻晶獣は、ヒロインのセプティムが使える特別な力です。バトル中に1度だけ使える強力な必殺技のため、使用するタイミングによって戦略性が出てきます。クエストを進めていくと、様々な幻晶獣を手に入れることができるので、バトルに応じて選択することが大切になります。


――:そのほかのコンテンツではいかがでしょうか。

今回も他のプレイヤーと勝負できるアリーナ戦を搭載しています。自慢のパーティでランクを上げて、称号をゲットできるほか、アリーナでしか手に入らないアイテムでユニットをさらに強化することも可能です。

新コンテンツでは、高難度のダンジョンに挑戦できる「チャレンジクエスト」を搭載しています。通常のストーリークエストと比べて難度が高いため、ユーザー自らが考えて行動しないとなかなかクリアーできませんが、シミュレーションRPG好きのコアなゲームユーザーにとっては十分に楽しめる内容だと思っています。



――:また、個人的に「ガーデン」も健在だったのが嬉しいです。

ニンジンでラビィを育てていくガーデン要素も変わりません。旧作版と大きく違うところは、ギルドではなく個人で育てられるようになったところです。もちろん、ほかの人たちのガーデンに遊びに行くなどのソーシャル要素は残しています。
 


――:今作におけるマネタイズはどのような形でしょうか。

基本はキャラクターガチャになります。以前は武器ガチャもありましたが、今作では省いています。装備は、武器ではなくアクセサリーをキャラクターに装着していきます。ステータスアップはもちろん、攻撃に状態異常を付加させるなど、特殊能力を備えることができます。また、キャラクターごとの固有スキルもあるので、好きなキャラクターをアクセサリーでカスタマイズしてバトルを楽しめると思います。


――:今作からはボイスもついて豪華声優陣のみなさんがストーリーに花を添えますね。

ええ。キャラクターが本当に可愛く仕上がっているので、より魅力が昇華されることだと思います。バトル中も攻撃やスキル発動時など喋りながら戦うため、とても賑やかになっています。

■冒険を彩る豪華声優陣!
アルフ:井上麻里奈
ラビィ:白石涼子
セプティム:今井麻夏
ファルメア:瀬戸麻沙美
 
上田麗奈 金元寿子 木内秀信 辻親八 細谷佳正 原由実 原紗友里 小林裕介 悠木碧 洲崎綾 潘めぐみ 東山奈央 乃村健次 日高里菜 石原夏織 桑谷夏子 村瀬歩 小堀幸 須藤祐実 大坪由佳 山下大輝 原優子 石川界人 ゆりん 山崎はるか 内山夕実 桜咲千依 (敬称略)

 


――:ここまでお話を聞く限り、かなり女性層に受け入れられるタイトルになっていますね。

もちろん女性ユーザーの方にも遊んで欲しいですが、男性ユーザーの心にも刺さるゲームとなっています。


――:可愛らしい世界観からは想像できませんが、たしかに思えば旧作版の『セブンズストーリー』と言えば……

はい。ストーリーは王道かつシリアスな場面もあったと思います。絵柄としては、可愛いキャラクターたちが織り成すファンタジーなストーリーと見えますが、あっと驚くようなシーンも描かれていますので、ぜひそこは実際に体験してもらえると嬉しいです。


――:分かりました。それでは、最後にリリースを心待ちにしているユーザーの方々にメッセージをいただければ幸いです。
 

先ほども申し上げましたが、『セブンズストーリー』は私にとっても特別な思い入れがあるタイトルです。旧作版の運営中には、本当に様々な方々からたくさんの良い意見をいただき、そこからより良い作品に進化できたと思っています。そういう意味で、“ユーザーのみなさまと一緒に作り上げてきたタイトル”だと思っています。新作もみなさまに満足いただけるようなゲームにするため、これから頑張っていきたいと思います。


――:リリース楽しみにしております。本日はありがとうございました。
 
(取材・文:原孝則)

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