【決算まとめ】家庭用ゲーム大手、第3四半期は6社中4社が営業増益 カプコン、コーエーテクモ、スクエニが大幅増益 セガサミー減益もパッケージ好調
家庭用ゲームソフト大手6社の第3四半期(17年4~12月)の決算が2月9日に出そろった。本業のもうけを示す営業利益が前年同期に比べてプラスとなったのは、6社中4社だった。カプコン<9697>、コーエーテクモホールディングス<3635>、スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>は30%を超える大幅な増益を達成した一方、セガサミーホールディングス<6460>、バンダイナムコホールディングス<7832>は2ケタの減益となった(以下、ホールディングスは省略)。
全体としてみると、「ゲーム」のプラットフォームが多様化するとともに、グローバルでゲーム市場が拡大するなか、収益のあげ方がさらに多様化している。メインの収益源である家庭用ゲームソフトやスマートフォンゲームに加えて、海外のゲーム会社へのライセンス供与に伴うロイヤリティ収入などが収益を押し上げる要因となった。カプコンやコーエーテクモ、スクウェア・エニックスは、ロイヤリティ収入が大きなインパクトがあったようだ。
増益組のコナミに関しては、スマートフォンゲームが好調だった。『実況パワフルプロ野球』や『プロ野球スピリッツA(エース)』などスポーツを題材にしたモバイルゲームが堅調したという。スクウェア・エニックスは、MMOゲームやスマートフォンゲームが堅調に推移したほか、「NieR:Automata」など過年度発売タイトルのリピート販売が好調だった。過年度発売タイトルは開発費の計上が完了したタイトルなので、採算性が高くなっている。
他方、セガサミーは遊技機の不振で全体としては減益となったものの、ゲーム事業だけを見ると2ケタの増益となるなど好調だった。そのけん引役となったのはパッケージソフトだった。新作『ソニックフォース』『龍が如く 極2』『Football Manager 2018』(PC)が貢献し、パッケージソフトの販売本数は1428万本(前年同期は813万本の販売)と大きく伸びた。パッケージゲームの売上高は23%増の459億円、営業利益は79%増の75億円となった。
バンダイナムコも減益だった。玩具や映像音楽分野が減益となったことに加え、アミューズメントビジネスでVR関連機器の開発や施設の出店など積極的に行ったことが減益要因となったという。スマートフォンゲームでは『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』や『ワンピース トレジャークルーズ』がワールドワイドでヒットしたほか、国内の「アイドルマスター」シリーズなどの主力タイトルの好調が継続し収益に貢献したとのこと。
各社の概況は以下のとおり。詳細はリンク先を確認して欲しい。
■カプコン<9697>
売上高477億円(前年同期比10.8%減)、営業利益70億円(同36.9%増)だった。逆風化のパチスロ機器部門は不調だったものの、主力のゲーム事業で『バイオハザード7 レジデント イービル』、『モンスターハンターダブルクロス Nintendo Switch Ver.』が堅調に推移したほか、IPを用いたライセンス収入が利益率改善に寄与した。アミューズメント施設も女性客や訪日客など新規ユーザーを取り込み増益となった。
■コーエーテクモホールディングス<3635>
売上高240億3000万円(前年同期比0.7%減)、営業利益56億8800万円(同62.5%増)だった。主力のエンタテインメント事業が営業利益81%増の49億円となるなど好調だった。『信長の野望・大志』やNintendo Switch向けに「無双」シリーズの3タイトル『真・三國無双7 Empires』『戦国無双 ~真田丸~』『無双OROCHI2 Ultimate』、『ファイアーエムブレム無双』を発売した。コラボレーションやIP許諾などのロイヤリティ収入が増加し、利益率が向上した。
■コナミホールディングス<9766>
売上高1786億円(前年同期比9.0%増)、営業利益385億円(同30.2%増)だった。デジタルエンタテインメント事業において、『実況パワフルプロ野球』や『プロ野球スピリッツA(エース)』などのモバイルゲームが堅調に推移しているほか、アミューズメント事業において、前期に発売した遊技機タイトルが市場からの高い評価を背景とした追加受注により好調に推移した。スポーツ施設と、カジノ機器については減益となった。
■セガサミーホールディングス<6460>
売上高2608億円(前年同期比8.7%減)、営業利益256億円(同26.9%減)だった。ゲームと並ぶ収益の柱である遊技機事業が減益となったことが響いた。ゲームを中心とするエンタテインメントコンテンツは12%の営業増益だった。スマホ・PCオンラインゲームを展開する「デジタルゲーム」が減収減益となったが、パッケージゲーム分野が好調だった。『ソニックフォース』『龍が如く 極2』、『Football Manager 2018』が貢献した。
■スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>
売上高1880億円(前年同期比1.0%減)、営業利益337億円(同57.2%増)だった。主力のゲーム事業が好調だった。スマートフォンゲームの既存タイトルが国内外で好調だったほか、ロイヤリティ収入が計上された。「ファイナルファンタジーXIV」と「ドラゴンクエストX」も拡張版のディスク売上と課金会員数が増加した。家庭用ゲームソフトは「NieR:Automata」など過年度販売作品のリピート販売が寄与した。
■バンダイナムコホールディングス<7832>
売上高4831億円(前年同期比5.2%増)、営業利益534億円(同11.1%減)だった。玩具事業と映像音楽関連が減益だったことに加え、アミューズメント施設でVR関連の先行投資を行ったことが響いた。『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』や『ワンピース トレジャークルーズ』がワールドワイドでヒットし、「アイドルマスター」シリーズなどが収益に貢献した。『TEKKEN(鉄拳)7』も欧米で人気になったという。
全体としてみると、「ゲーム」のプラットフォームが多様化するとともに、グローバルでゲーム市場が拡大するなか、収益のあげ方がさらに多様化している。メインの収益源である家庭用ゲームソフトやスマートフォンゲームに加えて、海外のゲーム会社へのライセンス供与に伴うロイヤリティ収入などが収益を押し上げる要因となった。カプコンやコーエーテクモ、スクウェア・エニックスは、ロイヤリティ収入が大きなインパクトがあったようだ。
増益組のコナミに関しては、スマートフォンゲームが好調だった。『実況パワフルプロ野球』や『プロ野球スピリッツA(エース)』などスポーツを題材にしたモバイルゲームが堅調したという。スクウェア・エニックスは、MMOゲームやスマートフォンゲームが堅調に推移したほか、「NieR:Automata」など過年度発売タイトルのリピート販売が好調だった。過年度発売タイトルは開発費の計上が完了したタイトルなので、採算性が高くなっている。
他方、セガサミーは遊技機の不振で全体としては減益となったものの、ゲーム事業だけを見ると2ケタの増益となるなど好調だった。そのけん引役となったのはパッケージソフトだった。新作『ソニックフォース』『龍が如く 極2』『Football Manager 2018』(PC)が貢献し、パッケージソフトの販売本数は1428万本(前年同期は813万本の販売)と大きく伸びた。パッケージゲームの売上高は23%増の459億円、営業利益は79%増の75億円となった。
バンダイナムコも減益だった。玩具や映像音楽分野が減益となったことに加え、アミューズメントビジネスでVR関連機器の開発や施設の出店など積極的に行ったことが減益要因となったという。スマートフォンゲームでは『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』や『ワンピース トレジャークルーズ』がワールドワイドでヒットしたほか、国内の「アイドルマスター」シリーズなどの主力タイトルの好調が継続し収益に貢献したとのこと。
各社の概況は以下のとおり。詳細はリンク先を確認して欲しい。
■カプコン<9697>
売上高477億円(前年同期比10.8%減)、営業利益70億円(同36.9%増)だった。逆風化のパチスロ機器部門は不調だったものの、主力のゲーム事業で『バイオハザード7 レジデント イービル』、『モンスターハンターダブルクロス Nintendo Switch Ver.』が堅調に推移したほか、IPを用いたライセンス収入が利益率改善に寄与した。アミューズメント施設も女性客や訪日客など新規ユーザーを取り込み増益となった。
■コーエーテクモホールディングス<3635>
売上高240億3000万円(前年同期比0.7%減)、営業利益56億8800万円(同62.5%増)だった。主力のエンタテインメント事業が営業利益81%増の49億円となるなど好調だった。『信長の野望・大志』やNintendo Switch向けに「無双」シリーズの3タイトル『真・三國無双7 Empires』『戦国無双 ~真田丸~』『無双OROCHI2 Ultimate』、『ファイアーエムブレム無双』を発売した。コラボレーションやIP許諾などのロイヤリティ収入が増加し、利益率が向上した。
■コナミホールディングス<9766>
売上高1786億円(前年同期比9.0%増)、営業利益385億円(同30.2%増)だった。デジタルエンタテインメント事業において、『実況パワフルプロ野球』や『プロ野球スピリッツA(エース)』などのモバイルゲームが堅調に推移しているほか、アミューズメント事業において、前期に発売した遊技機タイトルが市場からの高い評価を背景とした追加受注により好調に推移した。スポーツ施設と、カジノ機器については減益となった。
■セガサミーホールディングス<6460>
売上高2608億円(前年同期比8.7%減)、営業利益256億円(同26.9%減)だった。ゲームと並ぶ収益の柱である遊技機事業が減益となったことが響いた。ゲームを中心とするエンタテインメントコンテンツは12%の営業増益だった。スマホ・PCオンラインゲームを展開する「デジタルゲーム」が減収減益となったが、パッケージゲーム分野が好調だった。『ソニックフォース』『龍が如く 極2』、『Football Manager 2018』が貢献した。
■スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>
売上高1880億円(前年同期比1.0%減)、営業利益337億円(同57.2%増)だった。主力のゲーム事業が好調だった。スマートフォンゲームの既存タイトルが国内外で好調だったほか、ロイヤリティ収入が計上された。「ファイナルファンタジーXIV」と「ドラゴンクエストX」も拡張版のディスク売上と課金会員数が増加した。家庭用ゲームソフトは「NieR:Automata」など過年度販売作品のリピート販売が寄与した。
■バンダイナムコホールディングス<7832>
売上高4831億円(前年同期比5.2%増)、営業利益534億円(同11.1%減)だった。玩具事業と映像音楽関連が減益だったことに加え、アミューズメント施設でVR関連の先行投資を行ったことが響いた。『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』や『ワンピース トレジャークルーズ』がワールドワイドでヒットし、「アイドルマスター」シリーズなどが収益に貢献した。『TEKKEN(鉄拳)7』も欧米で人気になったという。
会社情報
- 会社名
- 株式会社カプコン
- 設立
- 1983年6月
- 代表者
- 代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9697
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
- 設立
- 1975年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3563億4400万円、営業利益325億5800万円、経常利益415億4100万円、最終利益149億1200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9684
会社情報
- 会社名
- コナミグループ株式会社
- 設立
- 1973年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
- 証券コード
- 9766
会社情報
- 会社名
- コーエーテクモホールディングス株式会社
- 設立
- 2009年4月
- 代表者
- 代表取締役会長 襟川 恵子/代表取締役社長 襟川 陽一
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高845億8400万円、営業利益284億9400万円、経常利益457億4100万円、最終利益337億9200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3635
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンダイナムコホールディングス
- 設立
- 2005年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 川口 勝
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1兆502億1000万円、営業利益906億8200万円、経常利益1041億6400万円、最終利益1014億9300万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7832
会社情報
- 会社名
- セガサミーホールディングス株式会社
- 設立
- 2004年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高4678億9600万円、営業利益568億3600万円、経常利益597億7800万円、最終利益330億5500万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 6460