カプコン、18年3月期は売上高8％増、営業益17％増に　全世界750万本出荷の記録的な大ヒットとなった『モンハン：ワールド』がけん引役に

カプコン<9697>は、5月8日、2018年3月期の連結決算を発表、売上高945億1500万円（前々期比8.4％増）、営業利益160億3700万円（同17.5％増）、経常利益152億5400万円（同21.2％増）、最終利益109億3700万円（同23.2％増）となった。
 
今年1月に世界同日発売を行った旗艦タイトル『モンスターハンター：ワールド』（PS4、Xbox One用）の人気が沸騰し、全世界での出荷本数が750万本を突破するなど、業績向上に大きく貢献した。中でも定着した国内人気に加え、海外でも大ヒットしたことによりワールドワイドでユーザー層が広がった。

また、eスポーツ事業への本格的参入に向けて「プラサカプコン吉祥寺店」に「カプコンｅスポーツクラブ」を新設した。加えて、競争力の源泉である家庭用ゲームソフトの開発などに傾注するため、マネジメント体制の強化や開発陣の拡充、開発環境の整備に努めたほか、売切り型のパッケージ販売や持続的な利益が見込まれるダウンロード版の拡大に注力した。

一方、足踏み状態が続いているモバイルコンテンツのテコ入れを図るため、組織改革や訴求タイトルの開発など、顧客満足度の向上に尽力した。

主なセグメントごとの状況は以下の通り。

①デジタルコンテンツ事業…売上高741億4100万円（前々期比26.3％増）、営業利益191億300万円（同72.2％増）
『モンスターハンター：ワールド』が記録的な大ヒットにより販売拡大のけん引役を果したほか、収益向上に大きく寄与した。また、『バイオハザード7 レジデント イービル』（プレイステーション4、Xbox One、パソコン用）や『モンスターハンターダブルクロス Nintendo Switch Ver.』（Nintendo Switch用）が堅調に推移したほか、『ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ』（Nintendo Switch用）もスマッシュヒットとなった。一方で、昨年9月発売の欧米をターゲットにした『マーベルVS. カプコン：インフィニット』（プレイステーション4、Xbox One、パソコン用）は、軟調に展開した。

現状の局面打開に向けて提携戦略等の事業改革を推進中のモバイルコンテンツは、『モンスターハンターエクスプロア』が安定した人気を持続するとともに、IP（知的財産）を用いたライセンス収入が奏功した。

②アミューズメント施設事業…売上高102億3100万円（同7.4％増）、営業利益8億7900万円（同17.0％増）
女性や訪日客など新規ユーザーの増加による回復基調のもと、顧客ニーズに対応したゲーム機の設置や各種イベントの開催、サービスデーの実施などの集客展開により、親子連れなど新規顧客の取り込みやリピーターの確保に取り組むとともに、店舗運営コストの削減に努めた。新規出店は、2店舗をオープンするとともに、2店舗を閉鎖し、期末の施設数は36店舗となった。

③アミューズメント機器事業…売上高78億300万円（同53.7％減）、営業損益7億6400万円の赤字（前々期51億600万円の黒字）
逆風下のパチスロ機部門は、『バイオハザード リベレーションズ』が原価率の低減により一定の利益を確保することができたものの、近年の型式試験方法の変更が大きく響き、苦戦を余儀なくされた。また、業務用機器部門についてもメダルゲーム『モンスターハンター メダルハンティングG』が安定した人気に支えられ底堅い売行きを示したが、商材不足は否めず同事業は総じて軟調に推移した。

なお、2019年3月期通期の連結業績予想は、売上高960億円（前期比1.6％増）、営業利益170億円（同6.0％増）、経常利益165億円（同8.2％増）、最終利益120億円（同9.7％増）の見込み。