スマートフォンゲームアプリ業界の最前線で働く方々に話を伺う年始恒例企画「ゲームアプリ市場のキーマンに訊く2018-2019」。これまでは市場動向の振り返りと展望をメインとしていたが、今回は、各社の個別の状況にフォーカスし、2018年の取り組みや課題、そして、2019年の展望について語ってもらうことにした。
今回は、株式会社グリモアの社長、魔術局長、およびハイパードラゴニックエグゼクティブプロデューサーでもある神谷友輔氏(写真)にインタビューを行い、2018年の取り組みと2019年の展望について話を聞いた。
――:2018年の振り返りをしていただきたいのですが。
NO。私は振り向かないし、振り返らない。前だけを見て生きていたいと常々そう考えています。
――:インタビューが終わってしまうのですが…。
PHEW!まぁまぁ焦らずに、今のはほんのジョークです。とはいえ2018年のグリモアは特に目新しい大きな動きはありません。VRに積極投資と言いながら実質はVtuber事業という名の芸能事務所をやっていたり、e-Sportsの可能性を声高に叫びながら実質はリアルイベント興行をやったりしていません。もちろん、スマホゲームで得た資金を元にコンシューマ経験者を集めて家庭用ハイエンドゲーム機向けのタイトルを開発中でもありませんし、5Gになったらゲームの世界は変わると謳って夢物語のような企画に資金を投資するようなこともしてません。海外展開やIPコラボもなく、おそらくは他のインタビューで登場しそうな話題は何もない1年でした。
――:別の意味でインタビューが終わってしまうのですが…。
Oops!わかっていますよ。だからこそ、だからこそじゃないですか。この何も持っていない私の話で読者様の時間を頂戴するのですから、どうせなら他の皆様が話さないことを。そして、2018年のグリモアが何をしていたのか、という話をしましょう。
無論、先に上げたどの投資も誇り高く偉大です。その一歩が世界を変え、動かしていくことにただの1つも反論はありません。ですが、グリモアの2018年はまったく違う視点から取捨選択を行いました。それは我々「ゲーム屋さん」を明確に2つに分ける考え方、2018年の各社の明暗を分けた2つの能力についてです。
――:ゲーム系企業を分ける「2つの能力」とは。
ZWEI。まさに2018年に問われたのは【ゲーム開発屋】と【ゲーム運用屋】の違いです。
ゲーム開発屋とは、わかりやすく言えば新規タイトルを開発する能力のこと。ゲーム運用屋とはリリース済みのタイトルを運用する能力のこと。当たり前に感じるこの2つの能力は、なぜかゲーム業界において同一の、「ゲーム屋さん」の能力として語られることが多いんです。ですが、考えてみてください。それらは似て非なるもの。全く異なる能力なんですよ。
――:最近ですと、マイネットさんが活躍されているように運用と開発とはまた違ったものであるという認識が広がってきたように思うのですが、まだまだですか。
REALLY? 私にはまったくそうは思えません。そうですね、例えばこういう話ならどうでしょう。ゲームを生き物、魂のある生命であるとしたて、わかりやすく美少女化された姿を想像してください。アイドルです。ゲームはアイドル。
まず【ゲーム運用屋】とはどんな仕事でしょう?そう、芸能事務所です。アイドルを抱え、育て、仕事をとり、マネージメントしながらファンに夢を与える仕事です。
では【ゲーム開発屋】はどうなりますか?芸能事務所ですか?いいえ、違いますよね。オーディション機構であり、育成機関であり、アイドルそのものを作り出す人たちがそれです。
これはゲームも同じなんです。【ゲーム開発屋】と【ゲーム運用屋】はアイドル育成機関と芸能事務所くらい全く違う仕事なんです。
そう考えると2018年の市場はいろいろ見えてきます。ファンプレックスさんというゲーム系芸能事務所を持つグリーさんがVTuberという本物の芸能事務所業に手を出すことは納得の一手だと思いますし、任天堂さんとcygamesさんの『ドラガリアロスト』はまさに両社のアイドル育成機関とアイドルマネージメントの歯車が噛み合った結果なのだと思います。
逆に言えば、芸能事務所がアイドル育成をしたり、アイドル育成機関が芸能事務所のマネごとすると散々な目に遭ってしまう、というのも腹落ちします。この2つの仕事に携わる人間を、同じ採用フローで、同じ市場から取り合っているのが今のゲーム市場です。どうでしょう?おかしさに気づきませんか。
――:確かに、その視点でみると全く違う業種に感じます。2018年のグリモアはこのどちらかを選んだ、ということでしょうか。
YES。2018年のグリモアは明確に【ゲーム運用屋】、つまり弊社の処女作『ブレイブソード×ブレイズソウル』(以下、ブレ×ブレ)という美少女アイドルの芸能事務所業務に極振りしたと言ってもよいです。もちろん、明確な意図をもって。
実は、2018年に話題あがった投資先でグリモアと相性のよいものは【ゲーム運用屋】の側面がとても強いものばかりでした。VTuberなどがわかりやすい例でしょうか。単純なパラ振りとして【ゲーム運用屋】、つまり芸能事務所的パワーが足りない者が挑むにはとても厳しい道であり、グリモアはまだその規模にないと判断したのです。
我々グリモアは5人という少数で1タイトルを開発しリリースするほど、極端に言えば【ゲーム開発屋】に極振りしたゲーム開発企業でした。それはグリモアの強みでもあるのですが、グリモアのタイトルを何年も何年も、それこそ20年30年続けていくためには【ゲーム運用屋】としての基盤がどうしても必要だと考えました。
――:20年以上!とても長期的な目線からの対応だったんですね。
BULLSHIT!逆ですよ。はっきり言ってしまえば、終わりすぎなんです。みな短命すぎる。話しによれば2018年に終了したアプリが300以上もあるとか。そのうちどれだけが3年を全うできなかったか。こんな市場の状態で、うちのゲームは安心だよ、安心して時間とお金を使っていいよ、なんて言えません。
だからこそ『終わらないブランド』を作りたい。そのためにゲーム屋さんの経営としてできることは、社の能力を冷静に分析して、どちらのパラメータを上げるのかを意識すること、そして自分たちのを市場を意識することだと思ったんです。
――:自分たちの市場、ですか。
YES。これは難しい話題になるのですが、私がセールスランキング問題と呼んでいるゲームビジネスの課題なんです。スマホゲームはプラットフォームによりセールスランキングが公開されているため、ある程度のポジションにいないと「オワコン」と言われて、ユーザは自分の遊んでいるアプリは本当に続くのか、終わってしまうのではないか、と不安になります。また、各ゲーム会社もセールスランキング上位を目指したゲーム、つまり、そのレベルの売上を出さないと運営を維持できないゲームを開発し続けています。
つまり、ユーザもクリエイターもセールスランキングに囚われすぎているんです。セールスランキングとは結局DAUランキングに過ぎません。当たり前ですが、大型IPのようにたくさんのお客さんを抱えられるタイトルは上位に、ニッチなニーズのタイトルは浮上することもない、というのが現実です。
ですが、大量のDAUを抱えていることが良いゲームというわけではない、とグリモアは考えています。たくさん売れているものが世界一おいしい料理なら、ミシュラン星持ちレストランよりもファーストフードが上位になる。でも現実はそうじゃない。誰にとって一番なのかはもっと多様性があっていい。『ブレ×ブレ』公開前後のインタビューでもお答えしたとおり、ランキング上位に入る必要はないんです。
――:自分たちの市場を見極め、そこでビジネスをすることが大事であると。
EXACTLY。昨今のセールスランキングがIPモノに占拠されている理由もこのとおりです。もちろん、セールスランキング上位を目指すことが悪いとは思いませんし、かくいう私も『ブレ×ブレ』が稀にTOP100あたりに浮上すると嬉しくてスクショ取りまくります。かわいい我が子が評価されたのですから、魔剣使い様(※『ブレ×ブレ』のユーザの呼称)へ感謝のスクショです。
一方で、熱心なファンに支えられ継続しているタイトルがたくさんあり、そういったタイトルがもっと増えてほしいと思います。かねてから『ブレ×ブレ』は終わらせないと話していますが、リップサービスではなく本気です。
その目線で見たときに、ゲーム屋さんの経営としてできることは、資金調達だったり、どういう採用をしていくかだったりです。経営の芯は、あくまでコンテンツを終わらせない、つまりお客様を裏切らないことなんです。
――:具体的にどのようなことを実施されてきたんですか。
REFORM。グリモアはこの1年で「働き方改革」を進めました。改革です。正しいと信じていた過去との別離。例を挙げれば、ゲーム業界に蔓延するハードワークありきの働き方や、非効率な部分の改善、それらに対する意識の改革でしょうか。これはまだ完遂していなくて、これから何年もかけてやっていく改革になるでしょう。
でも、かっこいいじゃないですか、ホワイト体制のゲームクリエイターって。私はハードワーク自体を否定しません。むしろ真のホワイト体制の方がクリエイターにとっては惨酷なくらいにハードモードなんですよ。短時間に高品質なものを創れる人の方が評価される世界ですから、そこで活躍する人はみんなバケモノみたいな人たちですよ。そんな環境で働けるっていうのは、まさにクリエイター冥利に尽きるじゃないですか!
…と偉そうなことを言っても、現時点で何かお話できる具体的な事例があるわけでもなく、具体的な話をしたところでそれらは何らかの成功を伴って輝くものですから、今はまだそういう夢を追いかけている、というところで(笑)
かなり内側の話なのでインタビューでわざわざお話することではないのかもしれません。ですが、きっとこんな話は誰もしないだろうなと(笑)言っても基盤固めがどうの…くらいですかね?
――:わざわざ話をするだけの理由があると。
RIGHT。考えてみてください。もしグリモアが新作をヒットさせたり、あるいはブレ×ブレが再び注目されるような状況になったとき、常識を覆すような体制、たとえば残業時間とかがすごく少ない状態とかで、それを成し遂げたとなれば、嫌でも同業他社は我々のやり方に興味を持つでしょう。業界全体にそれが伝わり、そのやり方があったかと、うちでも出来るぞ、と思えるものならば、きっとゲーム業界の未来は明るくなります。
――:ゲーム業界の未来にむけて 。
SURE。いちゲームプレイヤーとして、ゲームに救われた人間として、これからも面白いゲームがたくさん市場に出てほしいんです。そのためにはまず、ゲーム業界を目指してくれる若者が増えないといけない。ところが、【ゲーム開発屋】と【ゲーム運用屋】を混同したまま、明確な線引も理解もないままに仕事に就き、疲弊しゲーム業界を去る人たちを今まで何人も見てきました。
単純に不幸じゃないですか。この業界から人が減ることは単純にゲーム業界へのマイナスなんです。だから、先の「働き方改革」にせよ、ゲームを終わらせないことを前提にした経営にせよ、遊ぶ人や働いている人がハッピーな業界にしたいんです。そんなに単純な話ではないですが、クリエイターが増えれば世に出るゲームの数が質が増え、ユニークなゲームが産まれ、人生を動かす原体験となるコンテンツが登場し、自分も作りたいと考えるクリエイターの卵が増えていく……。そういうサイクルが回っている状態にしたいのです。
むしろ、早々にそうなっていかないと、スマホゲームは大手IPコンテンツのマネタイズマシンとしてしか機能しなくなってしまいます。変なゲーム、変わったコンテンツを作る人がいなくなってしまいます!ゲームという総合エンタメは、長時間をユーザから頂戴する以上、人生に影響を与えなければいけないのだと、そう思うんです!
……ハッ!ま、真面目に激アツ語りしてしまいました。こんな予定じゃなかったのに(笑)
――:未来、ということで【ゲーム開発屋】として新規タイトルの進捗はどのようになっているのでしょう。
OH…。聞いてしまいましたね? 実は、ぶっちゃけ、ほとんど進んでいないです(笑)
――:ぶっちゃけましたね。
DON'T WORRY。というのも、先ほどお話したように、2018年は【ゲーム運用屋】として極振りをすると決めた1年でした。私自身、『ブレ×ブレ』の運用や人材採用、組織づくりに時間の大半を使ってきました。社長がそうなると、やはり現場も似たような感じになります。新作については一時開発停止中というステータスになっていて、2019年から開発再開予定です。
――:2019年は【ゲーム開発屋】になると。
BOTH。【ゲーム開発屋】も【ゲーム運用屋】も両方とります(笑)。これは、自ら物語を生み出し、それを自ら育て上げる「ゲーム屋さん」を目指すということですね。
2019年は複数社で手を組みこの両面を得意な会社同士で埋め合おう、という流れが主流になっていくと思います。IP版元とデベロッパーの関係を元に、オリジナルタイトルを作ろうとする座組も出てくると思います。
ですが、グリモアがそれに携わることはないと思います。そういった座組は結局「新規IPタイトル」の開発担当に過ぎないのだろう、というのがグリモアの考えです。勘違いしないでほしいのは、ストーリーテラーを分業することが悪いのではなく、グリモアはストーリーテラーになりたいのだ、ということ。
――:では、2019年の【ゲーム運用屋】の面では。
ATTACK!『ブレ×ブレ』については、だいぶ攻めるタイミングになってきたと思っています。というか、ずっと攻めているんですが(笑)
実は2018年にはマネタイズモデルの転換を実施しています。このタイトルは俗にいうキャラクターゲームに分類されます。キャラクターゲームは、設計次第ではありますが、運営期間が長くなると、キャラクター数が増えすぎてしまう問題を抱えていて、問題になるのは、次々に出てくる新キャラに目が移り、昔のキャラが忘れられてしまう点です。スマホRPGによくある、キャラがどんどん消費されていく、という状況に覚えがあるはずです。
これはこれである意味で完成されたビジネスモデルではあり、多くのタイトルで採用されているものではあるのですが、グリモアでは『ブレ×ブレ』を長く続けていくために、2018年の大半をかけてこのビジネスモデルとの決別を実施しました。新キャラに偏っていた愛の比重を、既存キャラの育成や強化にも割り振れるようなモデルに転換したのです。
――:勇気ある決断だと思います。結果はいかがだったのでしょう。
THANKS。正直、大幅な売上減少も想定していました。まだ数ヶ月の結果ではありますが、結論からいうとタイトル売上規模は大きく変わらず魔剣使い様の愛によって今もタイトルは支えられております。これは本当にありがたいことであり、我々の誇りであります。この場を借りて、スタッフ一同より感謝申し上げます。
2019年は、こういったビジネスモデルの変化や大規模な新機能など、魔剣使い様に『ブレ×ブレ』を再評価をしてもらうフェーズになると思っています。もし「はい、クソゲー」ということになれば、素直に失敗と誤りを受け止め猛省した上でまた改善策を考え作り直します。「面白かった」という評価をいただけたなら、さらにそれ以上の改善策を考え作り込みます。それが【ゲーム運用屋】の仕事ですから!
もちろん、グッズ展開やメディア展開なども積極的に行います。数年経過したタイトルでメディアの展開をするケースは珍しいですが、あんまり他社は関係ないかな、というスタンスでどんどんやります(笑)。2018年はとあるマーケティング施策にて、某SNS上で炎の上がありましたが、2019年も懲りずにグリモアらしい手を打っていこうと思っております。
これらのブレない軸をもって、まずは目の前の『ブレ×ブレ』の【ゲーム運用】と、そして未来に向けた新規タイトルの【ゲーム開発】を行っていきます。ブレ×ブレだけに、ブレずに。
――:…………なるほど。
COOL。すっかり部屋が冷え込みましたね。冬ですし仕方ありません。なにかHOTな話題に切り替えましょう。
――:では、2019年の市場についてはどうなると見ていますか?
NOT NEWS。今後の市場の流れで言うと、「新しくないもの」が注目される、と思っています。というのも、多くのゲームクリエイターが「ユーザーが求めているのは新しい体験であるべき」と勘違いしているように思うのです。というのも、スマホでゲームを遊ぶ我々のお客様は必ずしも新しい体験を求めていません。
ここ最近のスマホゲームや家庭用ゲームのヒットタイトルを見てください。斬新なものより、細部まできちんと作りこまれたタイトルが多いのです。これは、例えるならば、コンビニの人気商品です。新感覚や新食感を謳った商品の生存率は非常に少ない。売れている商品は今あるものの延長線上にあって極めてクオリティの高いものたちなんです。なぜこうなるのかといえば、多くのユーザが新しい体験を求めていないからに他なりません。
ゲームで言えば新しい操作性やゲームシステムの登場は期待されていないと思っています。それは焼き直しとかガワ変え、パクリなどの意味ではなく、わかりやすく食べやすいものであることが、まずは何より正義であるということ。その上で表現される「らしさ」や作り込みの品質にこそ勝負の鍵が隠れるでしょうから、「新体験」や「今までになかった」を謳い文句にするタイトルには要注意かもしれません。
また、2019年のスマホゲームのトレンドでいうと『モンスト』の次を狙ってコケていくタイトルが盛りだくさんだろうということです。これはTGSなどのイベントや新タイトルのアンテナが高い方は気付いていることだと思うのですが、『モンスト』の次、つまり、とにかく広いユーザターゲットに対してマルチで同期プレイしてわいわい、みたいなタイトルが多く見受けられます。
これがなぜコケる可能性が高いかといえば、操作も仕様もシステムも難しいからです。実際にTGSで遊んでみた所感でいえば『荒野行動』や『Identity V』よりもずっと難しい。このレベルならスマホじゃなくてSwitchでやりたいと思ってしまう。背景としてe-Sportsを意識したコンテンツが多くなっていることもその傾向に拍車をかけているのでしょう。
私は昨年のインタビューにて、『PUBG』のようなプレイ動画という「コンテンツ生成型コンテンツ」を【動画型の愛の証明】と説明しました。e-Sportsはまさに【動画型】に当てはまるのですが、プレイ動画をゴールに据えたゲームというのは、1点だけどうしてもクリアしないといけないハードルがあるんです。それは「プレイの凄さ」が伝わること。『PUBG』でドン勝したり『フォートナイト』でビクロイとること、10キル以上とることなど、プレイした人や、なんならプレイしなくてもわかる難しさという「プレイの凄さ」が伝わるからこそ【動画型の愛の証明】は機能するんです。
ところが、e-Sportsは一般的に、反射神経を磨き、ゲーム仕様を覚え、操作テクニックを極め、発生する様々な場面に対してどういう手を打てばいいかを鍛えていくタイプのスポーツですから、「プレイの凄さ」が冴え渡るポイントが多すぎるんです。逆にいうと絞り込まないと伝わらないんですね。反射神経がすごいのか、仕様の把握がすごいのか、操作テクがすごいのか、場面の把握と先読みがすごいのか、プレイ動画を見ている人がわからなくなる。すると、せっかく録られた動画はよくわからないものになってしまうんです。
長くなりましたが、操作も仕様もシステムも難しいe-Sports型スマホゲームというのは、動画という愛の証明の最終着地点でよくわからない動画となってしまいコケていく可能性が高いと予想します。もし、【動画型の愛の証明】を目指すのであれば、誰でもわかる「プレイの凄さ」がわかるタイトルを開発できた会社が勝利することでしょう。
――:昨年は「静止画型の愛の証明」についても言及されていました。
GIRLS。先の話で「新しい体験は不要」とお話しましたが、似たような話で女性向けタイトルによくゲーム要素が少ないと言われることもあります。ですが、実際に遊んでみるとちゃんとゲームしてるんですよ。ターゲットに合わせてチューニングしてありますし、むしろSNSでの拡散を前提にしたまさにソーシャルゲームだと感じます。外に見える部分しか注目されませんが、押さえるべきはその根幹なんです。ヒット作にはヒット作なりの理由がちゃんとある。本質に気づいている会社も多いと思いますので、キャラクターゲーム系の市場はより加熱し、ユーザの取り合いが激化するでしょう。魅力的なキャラクターが世界にたくさん生まれるのは一個人としてはとてもわくわくします。
――:最後に言い残すことは。
AMAZING。「最後に2019年の意気込みをお願いいします」みたいなのが来ると思っていたんですが予想外ですね。言い残すことがあるとすれば1つ。
今年も偉そうなこと言い過ぎました!
お前マジなんなんだよとか思った方!あなたは正しい!
でも、本音です!!!!
スマホゲームをとりまく状況を良くしたい!!!!
今後のゲーム業界どうなろうとも、1人でも多くの人の人生にスマホゲームが影響し、元気をもらったり、明日からまたがんばろうとか、誰かと仲良くなれたとか、そういう体験をしてほしいと思っています。きっとこの業界の人たちはみんなそうです。そう信じたい!
まだまだ若輩で未熟なグリモアですが、また来年もインタビューに呼んでもらえるように一歩一歩進んでいこうと思っております。
――:ありがとうございました。
THANK YOU。こちらこそ。
会社情報
- 会社名
- 株式会社グリモア
- 設立
- 2014年3月
- 代表者
- 代表取締役社長 神谷 友輔