家庭用ゲーム大手の3Q、6社中4社が営業増益 カプコンが92%増、玩具好調のバンナムも大幅増 セガサミーとスクエニは5割超の減益


増益組をみていくと、カプコンとコーエーテクモHDは、いずれも家庭用ゲームソフトの販売が好調に推移した。バンダイナムコHDは、玩具を手掛けるトイホビー事業のセメント利益が66%増と大きく伸びたほか、アーケードゲーム関連の事業が好調だった。ゲーム部門の営業利益は前年同期比で7.6%の伸びにとどまった。
他方、減益組では、セガサミーHDはリゾート事業の先行投資が続くうえ、遊技機とゲーム事業がいずれも減益だった。ゲームはパッケージとアーケードが堅調だったが、スマホゲームなどデジタル分野が赤字となるなど苦戦した。スクウェア・エニックスHDも主力のゲーム事業で家庭用、スマホゲーム、MMOがいずれも苦戦した。
各社の状況は以下の記事を確認してほしい。
【カプコン】

売上高612億円(前年同期比28.3%増)、営業利益134億円(同92.0%増)だった。『モンスターハンター:ワールド』が単一タイトルとして初となる1000万本を突破し、引き続き業績向上のけん引役を果たした、としている。また、『ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル』や『ロックマン11 運命の歯車!!』が順調に推移したことに加え、利益率が高いリピートタイトルが堅調に販売を伸長した。
・カプコン、第3四半期の営業益は92%増の134億円と過去最高更新! 『モンスターハンター:ワールド』は単一作品として初の1000万本突破!
【コナミHD】

売上高1926億円(前年同期比7.8%増)、営業利益394億円(同2.4%増)だった。デジタルエンタテインメント事業におけるサッカーおよび野球コンテンツの各シリーズタイトルが堅調に推移し、前年同期に主力タイトルの販売が好調だったアミューズメント事業の反動減をカバーし、売上高・営業利益ともに前年同期を上回った。
・コナミHD、3Qは売上高7%増、営業益2%増と増収増益に 『ウイイレ2019』や『プロスピA』などスポーツゲームが業績けん引
【コーエーテクモHD】

売上高268億円(前年同期比11.5%増)、営業利益71億円(同24.9%増)と売上・利益とも過去最高だった。パッケージゲームの売上が好調で、スマートフォンゲームの運営収入やIP許諾等のロイヤリティ収入が増加したことにより、高い成長性と収益性を実現した、としている。
・【詳報】コーエーテクモHD、第3四半期は売上・利益ともに過去最高…パッケージゲーム好調、スマホゲームもロイヤリティ収入と運営収入伸びる
【スクウェア・エニックスHD】

売上高1790億円(前年同期比4.8%減)、営業利益117億円(同65.3%減)だった。電子書籍が好調だったことを受けて出版事業が大きく伸びたものの、主力のゲーム事業が減収減益となった。家庭用ゲームソフトやスマートフォンゲーム、MMOゲームはいずれも減益となった。
・スクエニHD、第3四半期の営業益は65%減の117億円 家庭用・スマホ・MMOが減益 「ロマンシング サガ リ・ユニバース」は第4四半期から計上
【セガサミーHD】

売上高2503億円(前年同期比4.0%減)、営業利益119億円(同53.5%減)と減収減益だった。リゾート事業の先行投資が続くうえ、遊技機とゲーム事業がいずれも減益だった。ゲームはパッケージとアーケードが堅調だったが、スマホゲームなどデジタル分野が赤字となるなど苦戦した。
・セガサミーHD、デジタルゲーム分野や遊技機事業の苦戦で通期予想を下方修正 デジタルゲーム分野の固定資産の減損損失61億円を計上
・セガサミーHD、第3四半期のデジタルゲームは27億円の営業赤字に 既存タイトルが減衰、新作投入もカバーできず
【バンダイナムコHD】

売上高5287億円(前年同期比9.4%増)、営業利益698億円(同30.7%増)だった。玩具、ゲーム、アミューズメント関連が増収増益となった。とりわけ玩具を手掛けるトイホビーが売上高12%増、セグメント利益66%増と全体をけん引した。ネットワークコンテンツは引き続き拡大した。
・バンナムHD、第3四半期の営業益は30%増の698億円と大幅増 ドラゴンボールやガンダム、アイマス、プリキュア、アイナナなど主力IPが貢献
・バンナムHD、第3四半期のネットワークエンターテインメント事業は増収増益 「ソウルキャリバー6」やリピート販売、国内新作など家庭用ゲームが貢献
・バンナムHDのIP別売上高、『ドラゴンボール』が38%増の908億円と大幅増 通期1200億円の見通し 『ドッカンバトル』や『レジェンズ』、玩具商品が好調!
(編集部・木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社カプコン
- 設立
- 1983年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 最高執行責任者 (COO) 辻本 春弘
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1259億3000万円、営業利益508億1200万円、経常利益513億6900万円、最終利益367億3700万円(2023年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9697
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
- 設立
- 1975年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3432億6700万円、営業利益443億3100万円、経常利益547億0900万円、最終利益492億6400万円(2023年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9684
会社情報
- 会社名
- コナミグループ株式会社
- 設立
- 1973年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3143億2100万円、営業利益461億8500万円、最終利益348億9500万円(2023年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
- 証券コード
- 9766
会社情報
- 会社名
- コーエーテクモホールディングス株式会社
- 設立
- 2009年4月
- 代表者
- 代表取締役会長 襟川 恵子/代表取締役社長 襟川 陽一
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高784億1700万円、・営業利益391億3300万円、経常利益398億9900万円、最終利益309億3500万円(2023年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3635
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンダイナムコホールディングス
- 設立
- 2005年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 川口 勝
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高9900億8900万円、営業利益1164億7200万円、経常利益1280億0600万円、最終利益903億4500万円(2023年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7832
会社情報
- 会社名
- セガサミーホールディングス株式会社
- 設立
- 2004年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3896億3500万円、営業利益467億8900万円、経常利益494億7300万円、最終利益459億3800万円(2023年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 6460