家庭用ゲーム大手、6社中3社が増益 スクエニHDはバンナムを抜いて利益トップに 全社がゲーム事業好調
家庭用ゲームソフト大手6社の第1四半期(4~6月)の決算が出揃った。本業の儲けを示す営業利益が前の期に比べてプラスとなったのは、6社中3社だった。2社は減益となり、1社は赤字転落となった。
カプコン<9697>やコーエーテクモHD<3635>、スクエニHD<9684>が増益の一方、バンナムHD<7832>、コナミHD<9766>が減益、セガサミーHD<6460>が赤字転落となった(社名は略称)。
ただ、新型コロナの影響でゲーム以外の事業の業績が悪化したものであり、ゲーム事業だけみると、いずれも好調な着地となった。いわゆる「巣ごもり消費」の恩恵を受けた格好といえる。
今回のトピックスは、スクエニHDの躍進だろう。バンナムHDの利益を抜いた。家庭用ゲーム、MMOゲーム、スマホゲームが好調に推移したことに加えて、電子書籍を展開する出版事業も伸びた。
各社の収益状況は以下のとおり。
■コーエーテクモホールディングス<3635>
売上高113億6300万円(前年同期比57.2%増)、営業利益43億8700万円(同358.6%増)だった。アミューズメント事業が苦戦したものの、主力のゲーム事業でIP許諾によるロイヤリティ収入が引き続き好調に推移した。投資有価証券売却益により営業外収益が増加し、経常利益も617.8%増と大きく伸びた。
・コーエーテクモ、第1四半期の経常益は617%増の89億円と大幅増 ロイヤリティ収入が大きく寄与、有価証券売却益も押し上げ
・コーエーテクモHD、第1四半期の家庭用ゲームの売上は62%増の57億円と大幅増 累計100万本突破した『仁王2』のリピート販売が貢献
・コーエーテクモ、第1四半期モバイルゲーム売上高は88%増の44億円 『三国志・战略版』大ヒット 『三國志覇道』『真・三國無双覇』など期待作続々
■セガサミーホールディングス<6460>
売上高483億円(前々期比33.5%減)、営業損失38億円(前年同期34億円の黒字)だった。新型コロナのパチンコホールへの影響を考慮し、新作タイトルの販売を延期したことが影響した。ゲーム事業は、家庭用ゲームのリピート販売が伸び、『ファンタシースターオンライン2』などF2Pタイトルも好調だった。
・セガサミーHD、1Q(4~6月)は売上高33%減、38億円の営業赤字を計上 遊技機事業やリゾート事業、アミューズメント関連で新型コロナ流行が響く
・セガサミー、家庭用とスマホ、PCゲームを統合して発表 コンシューマ分野の1Q営業益135%増の125億円と急拡大 リピート拡大、『PSO2』日米好調
・セガサミーHD、第1四半期のアミューズメント関連が大幅減収、赤字を計上 アミューズメント施設の既存店売上72%減 休業明けから徐々に復調
■バンダイナムコホールディングス<7832>
売上高1450億3500万円(前年同期比8.9%減)、営業利益199億1500万円(同12.8%減)と減収減益となった。新型コロナの影響で子供向け玩具やアミューズメント、映像音楽が苦戦した。国内外のトイホビー事業においてハイターゲット層(大人層)に向けた商品が人気となったほか、ネットワークエンターテインメント事業において、家庭用ゲームのリピート販売が好調に推移した。
・バンナムHD、第1四半期の営業益は13%減の199億円 コロナの影響でアミューズメントや映像音楽苦戦 ゲームやハイターゲット玩具好調も
・バンナムHD、家庭用ゲームの売上が40%増の250億円に大幅増 「ドラゴンボール」や「ダークソウル」「鉄拳7」のリピート販売が欧米で拡大
・バンナムHDの第1四半期のIP別売上高、『ガンダム』が13%増の207億円 プラモやフィギュアなど大人向け好調 『アイカツ』は過去最低に
・バンナムHD、次期中計の開始を22年3月期から23年3月期に延期 玩具とゲームの統合などユニット再編も決定
■カプコン<9697>
売上高237億2200万円(前年同期比32.2%増)、営業利益107億1100万円(同39.1%増)と過去最高を更新。主力事業であるデジタルコンテンツ事業が、積極的に推進してきたデジタル販売の強化が奏功し、大型新作タイトル『バイオハザード RE:3』や、リピートタイトル『モンスターハンターワールド:アイスボーン』と『バイオハザード RE:2』などのダウンロード販売が伸びた。
・カプコン、1Q(4~6月)は売上高・利益とも過去最高を更新 『バイオハザード』新作や採算性の高いリピートタイトルが貢献 アミューズメントはコロナで低調
■コナミホールディングス<9766>
売上高528億8700万円(前年同期比6.3%減)、営業利益は67億7200万円(同32.4%減)だった。ゲーム事業が好調に推移したものの、アミューズメント事業、ゲーミングシステム事業、スポーツ事業がコロナの影響で苦戦したことが響いた。モバイルゲームは、『プロ野球スピリッツA』や『eFootball ウイニングイレブン 2020』『遊戯王デュエルリンクス』の貢献で四半期ベースで過去最高の売上高・利益を記録した
・コナミHD、第1四半期の営業利益は32%減の67億円 主力のゲーム大幅増収増益も コロナの影響でスポーツやアミューズメント、ゲーミングが不振
・コナミHD、第1四半期のモバイルゲームは過去最高の売上・利益と明かす 『プロスピA』と『ウイイレ2020』『遊戯王DL』がけん引
■スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>
売上高870億5400万円(前年同期比63.2%増)、営業利益245億4900万円(同241.4%増)と大幅増収増益を達成した。主力のゲーム事業がHDゲーム、MMOゲーム、スマホゲームがいずれも好調に推移したことに加えて、出版事業も堅調に伸びた。新型コロナの拡大を受けて、臨時休業等による損失22億2600万円を特別損失として計上したという。
・スクエニHD、第1四半期の営業益は241%増の245億円と大幅増 『FFVII』や『FF XIV』『DQウォーク』『FFBE幻影戦争』貢献 出版も高成長続く
・スクエニ、第1四半期のハイエンドゲームの売上は331%増の341億円と急増 営業利益も100億超え 『FF VII REMAKE』が貢献
・スクエニHD、スマホゲーム1Q売上高は48%増の300億円 『FFBE幻影戦争』と『DQウォーク』貢献 『DQタクト』の貢献で2Qも成長継続か
・スクエニ、MMOの第1四半期の売上高は14%増の101億円 『ファイナルファンタジーXIV』の月額課金会員が増加
・スクエニの出版事業、売上高41%増の54億円、営業益84%増の23億円 「マンガUP!」と電子書籍大幅増 『無能なナナ』と『魔王学院の不適合者』が人気に
カプコン<9697>やコーエーテクモHD<3635>、スクエニHD<9684>が増益の一方、バンナムHD<7832>、コナミHD<9766>が減益、セガサミーHD<6460>が赤字転落となった(社名は略称)。
ただ、新型コロナの影響でゲーム以外の事業の業績が悪化したものであり、ゲーム事業だけみると、いずれも好調な着地となった。いわゆる「巣ごもり消費」の恩恵を受けた格好といえる。
今回のトピックスは、スクエニHDの躍進だろう。バンナムHDの利益を抜いた。家庭用ゲーム、MMOゲーム、スマホゲームが好調に推移したことに加えて、電子書籍を展開する出版事業も伸びた。
各社の収益状況は以下のとおり。
■コーエーテクモホールディングス<3635>
売上高113億6300万円(前年同期比57.2%増)、営業利益43億8700万円(同358.6%増)だった。アミューズメント事業が苦戦したものの、主力のゲーム事業でIP許諾によるロイヤリティ収入が引き続き好調に推移した。投資有価証券売却益により営業外収益が増加し、経常利益も617.8%増と大きく伸びた。
・コーエーテクモ、第1四半期の経常益は617%増の89億円と大幅増 ロイヤリティ収入が大きく寄与、有価証券売却益も押し上げ
・コーエーテクモHD、第1四半期の家庭用ゲームの売上は62%増の57億円と大幅増 累計100万本突破した『仁王2』のリピート販売が貢献
・コーエーテクモ、第1四半期モバイルゲーム売上高は88%増の44億円 『三国志・战略版』大ヒット 『三國志覇道』『真・三國無双覇』など期待作続々
■セガサミーホールディングス<6460>
売上高483億円(前々期比33.5%減)、営業損失38億円(前年同期34億円の黒字)だった。新型コロナのパチンコホールへの影響を考慮し、新作タイトルの販売を延期したことが影響した。ゲーム事業は、家庭用ゲームのリピート販売が伸び、『ファンタシースターオンライン2』などF2Pタイトルも好調だった。
・セガサミーHD、1Q(4~6月)は売上高33%減、38億円の営業赤字を計上 遊技機事業やリゾート事業、アミューズメント関連で新型コロナ流行が響く
・セガサミー、家庭用とスマホ、PCゲームを統合して発表 コンシューマ分野の1Q営業益135%増の125億円と急拡大 リピート拡大、『PSO2』日米好調
・セガサミーHD、第1四半期のアミューズメント関連が大幅減収、赤字を計上 アミューズメント施設の既存店売上72%減 休業明けから徐々に復調
■バンダイナムコホールディングス<7832>
売上高1450億3500万円(前年同期比8.9%減)、営業利益199億1500万円(同12.8%減)と減収減益となった。新型コロナの影響で子供向け玩具やアミューズメント、映像音楽が苦戦した。国内外のトイホビー事業においてハイターゲット層(大人層)に向けた商品が人気となったほか、ネットワークエンターテインメント事業において、家庭用ゲームのリピート販売が好調に推移した。
・バンナムHD、第1四半期の営業益は13%減の199億円 コロナの影響でアミューズメントや映像音楽苦戦 ゲームやハイターゲット玩具好調も
・バンナムHD、家庭用ゲームの売上が40%増の250億円に大幅増 「ドラゴンボール」や「ダークソウル」「鉄拳7」のリピート販売が欧米で拡大
・バンナムHDの第1四半期のIP別売上高、『ガンダム』が13%増の207億円 プラモやフィギュアなど大人向け好調 『アイカツ』は過去最低に
・バンナムHD、次期中計の開始を22年3月期から23年3月期に延期 玩具とゲームの統合などユニット再編も決定
■カプコン<9697>
売上高237億2200万円(前年同期比32.2%増)、営業利益107億1100万円(同39.1%増)と過去最高を更新。主力事業であるデジタルコンテンツ事業が、積極的に推進してきたデジタル販売の強化が奏功し、大型新作タイトル『バイオハザード RE:3』や、リピートタイトル『モンスターハンターワールド:アイスボーン』と『バイオハザード RE:2』などのダウンロード販売が伸びた。
・カプコン、1Q(4~6月)は売上高・利益とも過去最高を更新 『バイオハザード』新作や採算性の高いリピートタイトルが貢献 アミューズメントはコロナで低調
■コナミホールディングス<9766>
売上高528億8700万円(前年同期比6.3%減)、営業利益は67億7200万円(同32.4%減)だった。ゲーム事業が好調に推移したものの、アミューズメント事業、ゲーミングシステム事業、スポーツ事業がコロナの影響で苦戦したことが響いた。モバイルゲームは、『プロ野球スピリッツA』や『eFootball ウイニングイレブン 2020』『遊戯王デュエルリンクス』の貢献で四半期ベースで過去最高の売上高・利益を記録した
・コナミHD、第1四半期の営業利益は32%減の67億円 主力のゲーム大幅増収増益も コロナの影響でスポーツやアミューズメント、ゲーミングが不振
・コナミHD、第1四半期のモバイルゲームは過去最高の売上・利益と明かす 『プロスピA』と『ウイイレ2020』『遊戯王DL』がけん引
■スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>
売上高870億5400万円(前年同期比63.2%増)、営業利益245億4900万円(同241.4%増)と大幅増収増益を達成した。主力のゲーム事業がHDゲーム、MMOゲーム、スマホゲームがいずれも好調に推移したことに加えて、出版事業も堅調に伸びた。新型コロナの拡大を受けて、臨時休業等による損失22億2600万円を特別損失として計上したという。
・スクエニHD、第1四半期の営業益は241%増の245億円と大幅増 『FFVII』や『FF XIV』『DQウォーク』『FFBE幻影戦争』貢献 出版も高成長続く
・スクエニ、第1四半期のハイエンドゲームの売上は331%増の341億円と急増 営業利益も100億超え 『FF VII REMAKE』が貢献
・スクエニHD、スマホゲーム1Q売上高は48%増の300億円 『FFBE幻影戦争』と『DQウォーク』貢献 『DQタクト』の貢献で2Qも成長継続か
・スクエニ、MMOの第1四半期の売上高は14%増の101億円 『ファイナルファンタジーXIV』の月額課金会員が増加
・スクエニの出版事業、売上高41%増の54億円、営業益84%増の23億円 「マンガUP!」と電子書籍大幅増 『無能なナナ』と『魔王学院の不適合者』が人気に
会社情報
- 会社名
- 株式会社カプコン
- 設立
- 1983年6月
- 代表者
- 代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9697
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
- 設立
- 1975年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3563億4400万円、営業利益325億5800万円、経常利益415億4100万円、最終利益149億1200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9684
会社情報
- 会社名
- コナミグループ株式会社
- 設立
- 1973年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
- 証券コード
- 9766
会社情報
- 会社名
- コーエーテクモホールディングス株式会社
- 設立
- 2009年4月
- 代表者
- 代表取締役会長 襟川 恵子/代表取締役社長 襟川 陽一
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高845億8400万円、営業利益284億9400万円、経常利益457億4100万円、最終利益337億9200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3635
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンダイナムコホールディングス
- 設立
- 2005年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 川口 勝
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1兆502億1000万円、営業利益906億8200万円、経常利益1041億6400万円、最終利益1014億9300万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7832
会社情報
- 会社名
- セガサミーホールディングス株式会社
- 設立
- 2004年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高4678億9600万円、営業利益568億3600万円、経常利益597億7800万円、最終利益330億5500万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 6460