【決算レポート】enish、第3四半期は営業損失9000万円と4四半期ぶりの赤字 複数タイトル終了と『かのぱす』想定下回る初動で

木村英彦 編集長
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3四半期連続で営業黒字を計上していたenish<3667>だが、4四半期ぶりの赤字となった。2021年12月期の第3四半期(21年7~9月)の業績は、売上高8億9300万円(前四半期比15.3%減)、営業損失9000万円(前四半期は1億2500万円の利益)、経常損失9900万円(同1億1600万円の利益)、最終損失9900万円(同1億1400万円の利益)となった。複数タイトルのサービス終了を告知したことや、『彼女、お借りします ヒロインオールスターズ(かのぱす)』の苦戦が主な要因としている。

売上高は同15.3%減の8億9300万円だった。『欅のキセキ/日向のアユミ 』と『HiGH&LOW THE GAME ANOTHER WORLD』の終了を告知したことで売上が低下したことに加えて、9月2日にリリースした『かのぱず』が想定を下回る売上となったことが響いた。前年同期の売上を上回ったものの、前四半期との比較では2ケタの減少となった。

他方、主力タイトル『五等分の花嫁 五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。(ごとぱず)』については想定通りに推移しており、10月の1周年を記念した施策を実施。また『ぼくのレストランⅡ』と『ガルショ☆』といったブラウザタイトルは安定的に推移しているという。

 

営業損失については9000万円となり、前四半期の1億2500万円の利益計上から一転して赤字となった。売上の低下に加えて、新規タイトル『かのぱず』と『進撃の巨人Brave Order』の開発費(主に外注費)が負担となった。『かのぱず』については、リリース前の外注費と広告宣伝費が重かったが、運用フェーズで収益貢献していきたい、としている。

なお、新作については、引き続き優良IPを中心に年1~2本のペースで新作タイトルをリリースししていく考え。開発段階は日本国内で、運営フェーズはオフショア拠点を活用することで収益性を高める。『進撃の巨人Brave Order』が発表となったが、パイプラインは3~4本となっている。

 

株式会社enish
http://www.enish.jp/

会社情報

会社名
株式会社enish
設立
2009年2月
代表者
代表取締役社長 安徳 孝平
決算期
12月
直近業績
売上高35億800万円、営業損益12億600万円の赤字、経常損益12億6500万円の赤字、最終損益13億7400万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3667
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