【決算まとめ④】ゲーム関連企業の7~9月決算を再確認…オルトプラス、アエリア、ケイブ、ガンホー、ドリコム、gumi、カヤック、Aiming、モバファク、マイネット
主要モバイルゲーム企業の2022年7~9月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期の各社の状況をあらためて振り返ってみたい。37社から大手ゲーム株を除いた中から、今回も10社分を取り上げる。
・オルトプラス<3672>
第4四半期(7~9月)は、運営タイトル数の減少に加え、タイトルの運営長期化に起因する減衰もあり、減収となった。また、複数の新規開発ラインと、開発事業中心の体制への段階的移行のための先行投資による赤字幅は横ばいでの推移となった。KADOKAWA<9468>との共同タイトル『結城友奈は勇者である 花結いのきらめき』のサービスが10月28日に終了となった一方で、ブロックチェーン/ETF関連のサービスが始動しており、収益構造がどう変わっていくのか見極めたいところ。
・アエリア<3758>
第3四半期(7~9月)は、前四半期に子会社サイバードのコンテンツのアクセス障害の影響を受けていた反動もあって増収となったものの、利益は低迷する形となった。なお、サイバードが開発し、シンガポールのGame Changer社の配信するPlay and Earnモデルのサッカークラブ育成ゲーム『Blockchain Football』が10月15日にリリースされており、第4四半期はその足元の動向も注目される。
・ケイブ<3760>
第1四半期(6~8月)は、主力の『ゴシックは魔法乙女』のガチャ施策などが奏功し、QonQで増収となり、赤字幅が縮小した。9月1日に実施したでらゲーの子会社化は、同社の事業規模を大きく変えることが予想されるが、2022年中にリリースをすることを予定していた「東方 Project」のIP許諾を受けた新規ゲームのリリースが延期されたことは、第2四半期以降の業績展望にネガティブな影響を与えることになりそうだ。
・ガンホー<3765>
第3四半期(7~9月)は、主力の『パズル&ドラゴンズ』が9月に実施した映画「ONE PIECE FILM RED」とのコラボなどで好調に推移し、QonQで増収増益となった。続く第4四半期も有名IPとのコラボイベントを含む様々なイベントを実施するほか、「パズドラ大感謝祭」として10月から3ヵ月連続の特別なイベントを開催しており、第3四半期の勢いを継続することができるのかが焦点となってきそうだ。
・ドリコム<3793>
第2四半期(7~9月)は、利益率の高い主力IPタイトル『ONE PIECEトレジャークルーズ』が映画公開に合わせた施策等により好調に推移したものの、前四半期はその『トレクル』の周年イベントの効果が大きく寄与していた反動もあり、QonQでは減収減益にとどまった。なお、今期は下期に『Wizardry Variants Daphne』『GGGGG』とスタジオレックス開発の未発表タイトルの3タイトルをリリースする予定としている。
・gumi<3903>
第1四半期(5~7月)は、一部既存タイトルの売上減衰により、QonQで減収となったものの、モバイルオンラインゲーム事業におけるコスト適正化の取り組みを継続したことにより、営業黒字転換を達成した。なお、第2四半期以降もメタバース事業における投資回収が進み、利益が伸びていくと想定しているとのことで、営業黒字が続く見通しだという。
・カヤック<3904>
第3四半期(7~9月)は、同期間としては過去最高の売上高を達成したものの、グローバルな広告市況の悪化により、ハイパーカジュアルゲームの収益性が低下したことで営業利益率は低下した。足元は、11月30日に子会社のウェルプレイド・ライゼスト<9565>が上場したことが市場の関心を集めているが、現時点では保有株の売出しは行っておらず、業績面では計画通りの進捗が続いていくことが想定される。
・Aiming<3911>
第3四半期(7~9月)は、『ドラゴンクエストタクト』の2周年イベントの寄与などもあり、QonQで2ケタ超の増収となったものの、開発案件の進捗により外注費が増加したほか、『DQタクト』の2周年WebCMの実施により広告宣伝費が増加し、営業赤字計上となった。なお、直近では新作『陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン』がストアランキングでトップ30入りを果たしており、第4四半期にどの程度寄与してくるのか注目されるところ。
・モバイルファクトリー<3912>
第3四半期(7~9月)は、主力の『駅メモ!』の周年記念施策の谷間にあたることもあり、QonQで減収減益となったものの、YonYでは2ケタ超の大幅な増収増益となるなど、新型コロナウイルス感染症の流行による影響からの回復が顕著だった。NFT関連事業は選択と集中を進めており、売上低迷の「ユニマ・ガレージ」のサービスを縮小し、「ユニマ」をゲーム特化型NFTマーケットへリニューアルすることを進めている。
・マイネット<3928>
第3四半期(7~9月)は、新たに仕入れた大規模な非公開タイトルが8月から収益貢献したものの、7月に1本、8月に1本のサービスを終了しており、QonQでは減収となった。また、第二の柱の創出に向けた新規事業への積極投資が膨らんだこともあり、赤字計上となった。こうした状況を踏まえ、利益体質化に向けた3つの期中施策「投資領域の厳選」「全社費用の圧縮」「獲得強化」を進行しており、第4四半期は収益性の回復が進むのかどうか、まずはじっくりと確認したい。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ケイブ
- 設立
- 1994年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 秋田 英好/代表取締役CFO 伊藤 裕章
- 決算期
- 5月
- 直近業績
- 売上高122億7400万円、営業利益18億7000万円、経常利益19億4300万円、最終利益14億4100万円(2024年5月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3760
会社情報
- 会社名
- 株式会社gumi
- 設立
- 2007年6月
- 代表者
- 川本 寛之
- 決算期
- 4月
- 直近業績
- 売上高120億6600万、営業損益50億4000万円の赤字、経常損益45億1400万円の赤字、最終損益59億3400万円の赤字(2024年4月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3903
会社情報
- 会社名
- ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
- 設立
- 1998年7月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 森下 一喜
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高1253億1500万円、営業利益278億8000万円、経常利益293億800万円、最終利益164億3300万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3765
会社情報
- 会社名
- 株式会社アエリア
- 設立
- 2002年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 長嶋 貴之/代表取締役社長 小林 祐介
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高226億7100万円、営業利益4億7300万円、経常利益7億5200万円、最終利益4億8000万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3758
会社情報
- 会社名
- 株式会社ドリコム
- 設立
- 2001年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 内藤 裕紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3793
会社情報
- 会社名
- 株式会社カヤック
- 設立
- 2005年1月
- 代表者
- 代表取締役CEO 柳澤 大輔/代表取締役CTO 貝畑 政徳/代表取締役CBO 久場 智喜
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高174億6700万円、営業利益10億2100万円、経常利益10億3800万円、最終利益5億1100万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3904
会社情報
- 会社名
- 株式会社オルトプラス
- 設立
- 2010年5月
- 代表者
- 代表取締役CEO 石井 武
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高43億8700万円、営業損益5億5600万円の赤字、経常損益5億2200万円の赤字、最終損益4億2000万円の赤字(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3672
会社情報
- 会社名
- 株式会社Aiming
- 設立
- 2011年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 椎葉 忠志
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高181億9900万円、営業損益13億900万円の赤字、経常損益11億円の赤字、最終損益22億2700万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3911
会社情報
- 会社名
- 株式会社マイネット
- 設立
- 2006年7月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 岩城 農
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高87億1700万円、営業利益1億6800万円、経常利益1億2500万円、最終利益1億4300万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3928
会社情報
- 会社名
- 株式会社モバイルファクトリー
- 設立
- 2001年10月
- 代表者
- 代表取締役 宮嶌 裕二
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高33億7000万円、営業利益9億4500万円、経常利益9億4000万円、最終利益ゼロ(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3912