調査資料

海外で最も活躍した日本IPを使ったモバイルゲームは『ポケモン』に　『ドラゴンボール』『NARUTO』『ONE PIECE』が続く　Sensor Tower調査

Sensor Tower（センサータワー）

Sensor Tower（センサータワー）

2023.02.06 12:22

アプリ調査会社のSensor Tower(センサータワー)は、レポート「2022年海外市場における日本のモバイルIPゲームインサイト」を無料公開した。レポートでは、海外市場における日本のモバイルIPゲームのダウンロード数と収益の推移を紹介するとともに、海外市場で人気のある日本のモバイルIPゲームおよびトップパブリッシャーを紹介している。日本のアニメや漫画文化のグローバル展開により、日本のモバイルIPゲームは本国のゲームユーザーに人気があるだけでなく、海外でも多くのゲームユーザーを魅了しているという。
※本レポートにおける「海外市場」とは、日本を除いたすべての市場を指す。

【目次】
■日本のモバイルIPゲーム収益の37%近くは海外市場から
■アメリカ市場で最も収益が高く、ラテンアメリカ市場で最もダウンロード数が多い
■海外で最も収益力があるのはポケモンIPモバイルゲーム
■海外における日本のモバイルIPゲームの主な広告出稿プラットフォームはAppLovinとYouTube
■優れたグローバル展開がドラゴンボールIPの海外進出を成功させる

日本のモバイルIPゲーム収益の37%近くは海外市場から

日本のモバイルIPゲームは海外市場で大きな影響力を持っている。2019年から2022年にかけて、日本のモバイルIPゲーム収益の37%近くは海外市場からのものだった。新型コロナウイルス等の影響を受け、2020年海外市場における日本のモバイルIPゲーム収益は前年比14.8%増の33億8000万ドルとなった。2022年1月～11月においては、新型コロナウイルスの流行がモバイルゲーム市場にもたらしたプラスの影響が薄れ、日本のモバイルIPゲームの海外収益は24億9000万ドルまで減少した。

ダウンロード数の面では、日本のモバイルIPゲームはさらに世界市場への依存度を高めている。2019年から2022年にかけて、世界における日本のモバイルIPゲームダウンロード数の90%近くが海外市場からのものだった。2019年と2020年には、海外における日本のモバイルIPゲームダウンロード数が6億に迫ったが、2021年以降は新型コロナウイルス流行の影響が薄れ、海外市場における日本のモバイルIPゲームダウンロード数は減少傾向が続いている。

アメリカ市場で最も収益が高く、ラテンアメリカ市場で最もダウンロード数が多い

アメリカ市場は日本のモバイルIPゲームの海外収益に最も貢献しており、2022年1月～11月の海外における日本のモバイルIPゲームの収益ランキングトップ100では、40%近い収益がアメリカ市場によるものだった。また、日本のモバイルIPゲームは、隣国である中国や韓国市場でもある程度の影響力があり、アメリカ市場に次ぐ収益を記録している。

ダウンロード数では、ラテンアメリカ市場での日本のモバイルIPゲームダウンロード数の実績が目立った。2022年1月～11月において、海外のダウンロードランキングトップ100に入る日本のモバイルIPゲームは、ラテンアメリカ市場で1億3千万ダウンロードを記録した。

海外で最も収益力があるのはポケモンIPモバイルゲーム

Nianticによるモバイルゲーム『Pokémon GO』は日本のモバイルIPゲーム海外収益ランキングのトップを維持し、ポケモンを海外で最も収益力のある日本のIPに成長させた。2022年1月～11月の期間、海外における日本のモバイルIPゲーム収益ランキングのトップ100では、ポケモンIPモバイルゲームの収益は5億7000万ドルを突破し、日本のモバイルIPゲームの海外総収益の23%を超えるシェアを誇っている。

その他にも、ドラゴンボールIPモバイルゲームの海外収益がポケモンIPモバイルゲームに次いで高く、このゲームを代表する『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』と『ドラゴンボールレジェンズ』は数年連続で海外における日本のモバイルIPゲーム収益ランキングで上位となっている。

海外における日本のモバイルIPゲームの主な広告出稿プラットフォームはAppLovinとYouTube

海外における日本のモバイルIPゲームの広告出稿は主にAppLovin、YouTubeおよびVungleに集中している。2022年1月～11月において、海外iOSデバイスにおける広告の33%以上がAppLovinによるもので、25%のYouTubeがそれに続く。

日本のモバイルIPゲームの海外広告における主なカテゴリはビデオ広告。プレイヤーのIPに対する愛着や認知度をもとに、IPキャラクターの可愛さや特殊能力、戦闘力の高さなどの特徴に重きを置いた人気の広告クリエイティブが、プレイヤーのダウンロードを促している。

優れたグローバル展開がドラゴンボールIPの海外進出を成功させる

日本の有名漫画を原作としたドラゴンボールIPモバイルゲームは、豊富なキャラクターと戦闘ストーリーによってヨーロッパ市場で高い人気を得ている。2022年11月現在、ドラゴンボールIPモバイルゲームの全世界累計収益は51億4000万ドルを超え、そのうち50%近くが海外市場によるものだ。

4周年記念キャンペーンの開始により、YouTubeにおける「Dragon Ball Legends」というキーワードの検索インデックスが急速に増加し、それに伴って全世界でドラゴンボールIPモバイルゲームの代表作『ドラゴンボールレジェンズ』のダウンロード数も増加した。卓越したグローバル展開を継続した結果、『ドラゴンボールレジェンズ』は2022年1月～11月の全世界ダウンロード数が1800万回を超え、その95%が海外市場からのダウンロードとなっている。