【決算レポート】ワンダープラネット、第2四半期(12~2月)は『クラフィ』の好調で増収に 新作の開発契約変更で第3四半期以降の開発費負担が減少へ

柴田正之 編集部記者
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ワンダープラネット<4199>の2023年8月期の第2四半期(12~2月)の決算(非連結)は、日本版の『クラッシュフィーバー』(以下『クラフィ』)が好調に推移したことで増収を達成した。

また、第1四半期より取り組んでいる費用削減の取り組みの効果により、赤字幅は縮小した。

売上高7億9700万円(前年同期比7.7%増)
営業損益8300万円の赤字(前年同期1億4000万円の赤字)
経常損益9400万円の赤字(同1億5500万円の赤字)
最終損益1億1100万円の赤字(同1億1000万円の赤字)

各タイトルごとの状況を見てみると、『クラフィ』は日本版が12月から1月に「7.5周年キャンペーン」、2月に「魔法科高校の劣等生 来訪者編」とのコラボを開催した結果、第1四半期比で売上高、営業利益ともに大幅に増加した。また、海外版も、オリジナルイベントや日本版イベントなどを随時開催し、第1四半期比で増収増益となった。

『アリスフィクション』は、1月から2月に「初音ミク」コラボ、2月に「ハーフアニバーサリーキャンペーン」、「クラフィ」とのコラボを開催したが、売上高は減収となった。しかし大幅な費用削減の実施により、営業赤字幅が縮小した。

『ジャンプチ ヒーローズ』は、12月に日本版で「2,100万ダウンロードキャンペーン」を開催したが減収となった。ただし、こちらも費用削減を実施したことで増益となっている。

新作の開発状況については、前四半期と同様にコンシューマー系ゲーム開発会社との共同事業となる新規タイトルが開発中となっている。ただ、本作について、契約変更を実施しており、第3四半期以降の開発費が減少する予定だ。また、開発から第2四半期までの開発費についても、第3四半期で精算を行う予定だという。

Game Changer社との共同展開によるブロックチェーンゲームについては、リリース時期が「未定」となったことを踏まえ、シンガポール子会社WPBCの閉鎖を予定していることを明らかにした。

ブロックチェーンゲーム事業の展開において、引き続きGame Changerとの共同事業などを検討していくものの、ワンダープラネットによるパブリッシングやトークン発行などはリスクを勘案して当面ないと考えているとしており、子会社WPBCの閉鎖も行う予定だという。

なお、Happy Elementsより第三者割当増資を通じて調達した4億1800万円の使途については、開発中および開発開始予定の新規タイトル開発に係る人件費、外注費に充当することをあらためて発表した。

Happy Elementsとは、両社の関係性を強化することを視野に入れた検討も進めていくとのこと。

2022年8月期通期の連結業績予想は非開示。現時点で会社全体での合理的かつ信頼性のある業績予想の策定および公表が困難であるため、としている。

ただ、引き続き通期の営業黒字化を徹底しており、第3四半期の売上高は第2四半期比でおおむね同等になる見通しとしている。

ワンダープラネット株式会社
http://wonderpla.net/

会社情報

会社名
ワンダープラネット株式会社
設立
2012年9月
代表者
代表取締役社長CEO 常川 友樹
決算期
8月
直近業績
売上高34億6400万円、営業利益4900万円、経常利益2800万円、最終損益2億3600万円の赤字(2023年8月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
4199
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