【Aiming決算説明会】『ルナプリ』が順調なスタートも『ログレス』が急減速 「3Qから4Qをボトム」(椎葉社長)にすべく新作で立て直しへ


Aiming<3911>は、7月28日、東京都内で2017年12月期の第2四半期累計(1~6月)の決算説明会を開催した。決算説明会に先立ち、同日発表された第2四半期決算は、売上高36億1800万円(前年同期比17.4%減)、営業損益9億2700万円の赤字(前年同期2億5600万円の黒字)、経常損益9億3000万円の赤字(同2億5900万円の黒字)、最終損益9億4900万円の赤字(同1億5800万円の黒字)と大幅な赤字計上に終わった。

決算説明会では、同社の椎葉忠志社長(写真)がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。その内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。


■『ログレス』の落ち込みで大幅減収に


まずは業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、第2四半期期間(4~6月)は売上高15億5900万円(前四半期比24.2%減)、営業損益7億9300万円の赤字(前四半期1億3400万円の赤字)、経常損益8億200万円の赤字(同1億2700万円の赤字)、最終損益8億2000万円の赤字(同1億2900万円の赤字)と大幅な減収、そして赤字幅拡大という結果になった。

減収の要因は、共同タイトル、つまり同社の主力タイトル『剣と魔法のログレス いにしえの女神』(『ログレス』)の売上高が前四半期比で6億6300万円の減少となったことだ。5月にリリースした新作『ルナプリ from 天使帝國』(『ルナプリ』)の売上寄与分が約1億円あったものの、『ログレス』の落ち込みの大きさが想定を大きく上回ったと言えるだろう。
 

『ログレス』については、落ち込みの要因を「アクティブユーザーの減少というよりも課金者数の減少が一番の要因」(椎葉社長)としており、取り組んできたIPコラボやキャンペーンがユーザーのニーズをとらえることができなかったとしていた。
 

一方、費用面を見てみると、広告宣伝費が前四半期比で倍増超となっているのが目立つ。これは、新作のプロ―モーションや主力タイトルのTVCMを実施したため。ほか、開発原価に計上されている人件費が減少しているが、これは従業員が減ったということではなく、共同開発タイトルのパートナー負担分がこの四半期から反映されている影響とのことだ。
 

では、従業員数の推移を見てみよう。この四半期は前四半期比で55人の増加となっている。新卒採用のシーズンということで同社本体もやや増加していることに加え、引き続き台湾スタジオの従業員数が大きく拡大している。

台湾スタジオは、グラフィック制作を担っており、現在開発中の新作『CARAVAN STORIES』のグラフィックを支える源泉とも言える。また、「人件費についてはV字回復した時にボリュームを含めた開発力がないと駄目だとと考えており、原則として減らすつもりはない」(同)としていたほか、受託という形でも高い開発力で違いを作り出せることは重要との考えを示していた。
 
 

■新作『ルナプリ』は月商1億円超え


5月にリリースした新作『ルナプリ』は、リリース後22日間で売上高1億円を突破した。月商1億円超えということでまずは順調なスタートを切ったとみているとのことだ。

『ログレス』の海外版については」、英語版は配信エリアの順調な拡大が続いている。その一方で、繁体字版についてはパブリッシャーとの条件が折り合わず、契約満了によるサービス終了に至ったとしていた。
 


開発中の新作のパイプラインは、リリース済みのタイトルを除くと、オリジナル5本、IP物2本の合計7本で、前四半期と比べてそのラインアップに変化はなさそうだ。オリジナルは、『CARAVAN STORIES』と大手ゲーム会社との共同タイトルとなるMMORPGの2本のほかに、3本の開発が進められているが、この中には他社からの受託や共同案件があるとのこと。ただし、その詳細については契約上明らかにすることはできないとしていた。
 
 

■3Qは赤字幅が拡大 『CARAVAN STORIES』のプレマーケティングなどで費用先行



なお、同社は2017年12月期の連結業績予想は非開示としており、第3四半期の累計(1~9月)業績予想のみを開示。第3四半期は、売上高51億1600万円(前期比25.7%減)、営業損益19億5400万円の赤字、経常損益19億6400万円の赤字、最終損益19億8400万円の赤字の見込み。

第3四半期期間(7~9月)は、売上高15億4200万円(前四半期比1.0%減)、営業損益10億2700万円、経常損益10億3400万円、四半期純損益10億3400万円と赤字幅がさらに拡大する予想となっているが、これはサービス終了に伴う償却費用の計上に加え、『CARAVAN STORIES』のプレマーケティング費用や今後のタイトルの開発費などを織り込んでいるためだという。

椎葉社長は、「第3四半期から第4四半期がボトムになるようにしなければならないと思って取り組んでいる」とし、今期は下期も新作の展開に向けて費用の先行が続くことになりそうだ。
 
 
(編集部:柴田正之)