お疲れ様です。板垣です。
先日、幕張メッセにてTGS2017が開催されましたね。弊社も、新作発表などをさせていただきました(その時の記事はコチラ)。
諸々のレポートや、コンパニオンの写真などは、すでに色々なメディアから情報が出ていると思います。なので私の方では、esports周りで個人的に思ったことなどを軽くメモしておこうかなと。
● 「去年」と比べて
去年のビジネスデーでは、esports関連のブースは「準備中」みたいな感じで、閑散としていた記憶があります。それと比べると今年は、ビジネスデーからそれなりに盛り上がっていた印象でした。
esportsの今後の可能性に関して話された基調講演では、今まで複数あったesports団体が一つになる流れが発表されるなど、今までタブーとされていた話も出たり。周辺のブースも、去年に比べると出店数が多く、盛り上げようとしている印象を受けました。
あとは、ビジネスデーの段階から各ゲームの簡易トーナメントが開催されてたのも印象的でした。ビジネスデーの大会をメディアに取り上げてもらい、土日の一般デーでの集客へ繋げるようなイメージでしょうか。
そして、土日では、そもそものesportsファンに加えて、物販目当てで流れ着いたお客さんも取り込みつつ、結構な人数がesportsブース周りを埋め尽くしていたのかなと。
● 一番気になったのは「昇竜拳トーナメント」
特に気になったesportsイベントは、最終日に開催された「昇竜拳トーナメント」でした。ストリートファイターVの、いわゆる賞金大会です。
14時開始だったのですが、12時過ぎくらいからすでに長蛇の列が出来る人気ぶり。列を仕切っていたスタッフさんに聞いた所、並んでいるのは300人近く。
確かに、会場がオープンして中に入ると、立ち見席が出来るくらいパンパンで、空きスペースはありませんでした。入場料1200円(前売り1000円)のイベントの中の「いちイベント」のわりには、すごい熱量だなと。
それ目当てで来ていたお客さんに加え、たまたま通りかかって外でフラッと見てたお客さんを合わせると、トータルで1000人くらいはいたんじゃないですかね。
● とにかく分かりやすいトーナメント構成
格闘ゲームの大会だと、よく「ダブルイリミネーション方式」が使われることが多いと思います。いわゆる、敗者復活要素のあるトーナメント方式です。
この方式、初めて見る人は必ずといっていいほど、「あれ?さっき負けた人がなんで戦ってるの??」となるのが難点です。
ただ「昇竜拳トーナメント」は、いわゆる一般的な、普通の勝ち抜きトーナメント方式でした。
なので、「負けたら終わりで、最後まで負けなかった人が優勝!優勝した人が100万円ゲット!」というのが、表を見ただけで誰でも理解出来る感じで、説明要らずで分かりやすかったなと。
ファン向けに有名選手をアサインしつつも、ふらっと通りすがりで見に来るライト層にも配慮したシンプルな作りで、どんな層でも楽しめる分かりやすい大会構成でした。
ところで今回、家族を連れて行って観戦してみました。ちなみに私の家族は、普段esports的なモノにあまり縁はありません。
にもかかわらず不思議なもので、ゲームのルールも知らない中、何かしらドラマが起きる度に歓喜して拍手して、ちゃんと盛り上がってましたね。
というわけで、まんまと運営側の意図通りに踊らされた板垣家でした。
ネモ選手、優勝おめでとうございます!
● ゲームを通して楽しめる、お客側同士の「コミュニケーション」という価値
家族が「よく分からないけど、なんとなく面白かった」と言ってるのを見て、これはなかなか本質的な話だなぁと思いました。
うちの家族は、なぜ面白いと思ったのでしょうか?
実際にプレイしたこともなければルールも知らない、半信半疑で私に連れて行かれた状態にも関わらず、何が面白かったのか?
…思うに、その場の空気感が面白かった、という話なんだろうなと。
そういえば、特徴的なプレイがある度に、何かウンチクを喋ってる人達が近くにいたんですが、それを一方的に聞いてるだけでも結構面白かったんです。
感想言い合ってる人達からすると、「わしが選手だったらこうやるのにのぅ」的な楽しみ方もあるんだろうなと。
きっとそこには観客同士のコミュニケーションがあって、そのコミュニケーションしてる雰囲気から漏れ出す「盛り上がってる感」っていうんですかね?
会場が一緒になって楽しんでる感じを見て、うちの家族は、「よく分からないけど、なんとなく面白かった」と言ったのではないかな?と、そんな風に思いました。
そんな仰々しい話ではないですが、esportsはゲームを通した新しいコミュニケーション体験とも言えるような気がしています。
ゲーム内で完結するコミュニケーションだけではなく、それを通して発生する新たなコミュニケーションに価値がある。
というわけで、ゲーム単品に作品としてお金を払うだけでなく、ゲームを通して得られるゲーム外のコミュニケーションにお金を払うような時代が来るではないでしょうか。
● esportsは盛り上がってきているが…
少なくとも、去年に比べて盛り上がってきていることは間違いないですが、まだまだ局所的なのでハードルが高いですよね。
ゲームコミュニティだけではなく、ゲームとは少し離れた一般層でも気軽に楽しめるような所まで早く行ければなと。
もっと気軽に観戦出来て、且つゲーム自体のハードルが低くて、見た後に自分も遊びたくなるような…。
遊ぶと、自分も大会に参加したくなるような…。
大会に観戦に行きたくなるような…。
そんな世界を作っていきたいなと、改めて思いました。
全然話は変わりますが、合間に流れるカップヌードルのCMは効果的ですよね。イベント終わると不思議と食べたくなるよ。あの現象は一体何なのか。
【過去記事アーカイブ】
■第16戦「プロゲーマーのセカンドキャリアに関して」
■第15戦「フランスのESWCに参加してきた!」
■第14戦「社内でガチの大会やってみたら、どうなるか?」
■第13戦「esportsの、本質的な価値って何だろう」
■第12戦「プロゲーマーに関して」
■第11戦「闘会議2017に行ってきた」
■第10戦「e-sportsの賞金大会に関する謎!!」
■第9戦「G-Starに行ってきた。~韓国はe-sports先進国~」
■第8戦「Nintendo Switchが賛否両論な件」
■第7戦「今更だけど、東京ゲームショウに行った時の話」
■第6戦「テクノスポーツを体験してきました!」
■第5戦「e-sports大会のRAGEに行ってきた!」
■第4戦「ポケモンGOをe-sports化したらどうなる?」
■第3戦「ゲーム内に大会機能を同梱するのは、e-sports化の近道??」
■第2戦「『にゃんこ大戦争』を、もしe-sports化しようとしたら、どうなる??」
■第1戦「『クラッシュ・ロワイヤル』はe-sportsタイトルとなりえるのか?」
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著者
板垣護
ポノス株式会社、e-sports事業の総括。 兼、ヤルキマントッキーズ合同会社、CEO。
最近の一言
「メモ:もうすぐ健康診断なので諸々気をつける」
会社情報
- 会社名
- ポノス株式会社
- 設立
- 1990年12月
- 代表者
- 辻子禮子、辻子依旦
- 決算期
- 11月
- 上場区分
- 非上場