【連載】★スマホesports★戦の時間だバカ野郎! 第18戦「CanadaCup2017を通して、思ったこと」



お疲れ様です。板垣です。

先月末、カナダカップ2017に参戦してきました。場所はカナダのトロントです。『ストリートファイターV』においては、カプコンプロツアーの今年最後のプレミア大会でもありました。

我々、チームPONOSの参加種目は、「ストリートファイターV」と「ブレイブルー」です。ガリレオ氏が「ブレイブルー」に出場し優勝、そして、もけ氏が「ストリートファイターV」に出場して9位になりました。

皆様の応援のおかげです。ありがとうございました!

さて、結果情報などは、色々なメディアが報じているかと思いますので、省略するとし…私の方では、実際に現地を見てなんとなく思ったことなどをメモしておければなと。
 


 
● 一夜にして生まれたヒーロー「Teemo」

どうしても伝えたい事が一つあります。それは「Marvel vs. Capcom:Infinite」のトーナメントです。

このゲームは、日本ではあまり売れていないので、取り上げられることも少ないですが、海外では大人気なタイトルの一つ。その大会で優勝したのが「Teemo」選手という人でして、なんと、今回のカナダカップで優勝するまで、まったくの無名だったらしいのです。


写真でいう赤い人が、Teemo選手です。
 


本当に素朴な存在感。Twitterのアカウントを見ても、普通のゲーム好きなカナダ人の少年といった感じです。

そんな彼が、プロのジャスティン選手や、リチャード選手を倒していくわけですから、会場は大盛り上がりでした。開催地がカナダで彼が現地人であるということもあり、まさにTeemoコール一色。

いわゆる、ジャイアントキリングですね。

負けそうになりながらも、ギリギリで逆転優勝を決め、今まで試合中に一度も笑顔を見せなかった少年がガッツポーズで立ち上がった時には、思わず鳥肌が立ちました。

それにしてもスゴい精神力!

いやぁ、ヒーローが生まれた瞬間に立ち会えて良かったです!!


▼優勝した瞬間の「Teemo」選手▼



 
● もけ氏の苦悩

カプコンプロツアーをザックリ説明しますと、まず、EVOやカナダカップのような、世界各国で行われている認定大会で、優秀な成績を納めるとポイントがゲットできます。そして、ポイント保持数の上位者だけが、12月に行われる「カプコンカップ」に出場できる。そういう仕組みになっているのです。(ザックリです)

そして、今回のカナダカップは、カプコンプロツアーの最後のプレミア大会でした。すると、何が起きるかというと、「すでに出場が濃厚な選手」「今回○位以内に入らないと出場できない選手」が混在する大会になるのです。過程は一切考慮されずに、勝った負けたの結果だけが評価されるような、厳しい世界。幸い、弊社のもけ氏は、ポイント上位者に食い込んでいたので、「すでに出場が濃厚な選手」側の方でした。彼の今回の目標は「ベスト8に入る」ということでした。

そんな中、もけ氏に試練が訪れます。対戦相手は「負けるとカプコンカップに出場できない」。自分は「目標のベスト8に入れるかどうか」の勝負処。さらに、もけ氏が勝つかどうかで出場が左右される「もけ氏の勝利待ち選手」もいるという、そんな際どい勝負のタイミングがありました。色々な人の「勝負駆け」が掛かった試合だったんです。

私は、とてもじゃないけど、彼に声を掛けることが出来ませんでした。


▼精神統一中の「もけ」氏▼


結果は、残念ながら負けてしまいましたが、その流れでカプコンカップ出場を決めた選手がいるのも事実。喜びと悔しさが混在する独特の空気。勝負の世界は、本当に厳しいんだなと。


 
● ガリレオ氏の苦悩

もけ氏は、負けた後、私に言いました。

「すいませんでした」と。

とっさに返事が出てこなくて、「あ…、いやいや、大丈夫だよ、お疲れ様!」と、しどろもどろになりながら、なんとか声が出ただけ。まさか謝られると思ってなかったので、「そうか、そんな事を思わせてしまったんだな」と、反省しました。

でも、こういう時、何を言った所で、選手じゃない私の言葉には何の意味もないのかもしれません。

その雰囲気を察したのか、ガリレオ氏は独特の喋りかけ方で、もけ氏と話しはじめました(ガリレオ氏は、カプコンプロツアーとは別軸で戦っており、この時点でブレイブルーのトーナメントにて優勝を決めていました)。

励ますわけでもなく、改善点を話し合うでもなく、試合で起きていた客観的事実をただ喋る感じというか…。「○○でこうなったから、△△でこう動いたのかな」みたいな、感情とは関係のない、状況説明をしている感じ。選手同士にしか分からない、気持ちの整理の仕方があるんだろうなと、そんな二人を後ろから眺めていました。
 


そして、後からガリレオ氏が私に言いました。「どんな状況でも、負けた選手を見るのは辛いです。でも、勝負の世界なので、そんなのは当たり前の状況なんです」

まぁ確かにそうだよなぁと。

そして、もけ氏もさすがプロ。一晩寝たら、すぐに気持ちを切り替えて、別の試合に望んでいました。

なんというか、PONOSはたぶん、良いチームだ。


 
● カナダの空、そして…

もけ氏の次の大会は、12月の「カプコンカップ」。

ガリレオ氏は、12月の「NEC」。

そして、12月には弊社の新作(ひよこ小競走)もリリース予定です。

事前登録は![コ・チ・ラ]

また、来年頭には、さらなる新作の詳細も発表できると思います。

引き続き、応援よろしくお願いします!!
 


 
【過去記事アーカイブ】

第17戦「東京ゲームショウ2017に行って思ったこと」
第16戦「プロゲーマーのセカンドキャリアに関して」
第15戦「フランスのESWCに参加してきた!」
第14戦「社内でガチの大会やってみたら、どうなるか?」
第13戦「esportsの、本質的な価値って何だろう」
第12戦「プロゲーマーに関して」
第11戦「闘会議2017に行ってきた」
第10戦「e-sportsの賞金大会に関する謎!!」
第9戦「G-Starに行ってきた。~韓国はe-sports先進国~」
第8戦「Nintendo Switchが賛否両論な件」
第7戦「今更だけど、東京ゲームショウに行った時の話」
第6戦「テクノスポーツを体験してきました!」
第5戦「e-sports大会のRAGEに行ってきた!」
第4戦「ポケモンGOをe-sports化したらどうなる?」
第3戦「ゲーム内に大会機能を同梱するのは、e-sports化の近道??」
第2戦「『にゃんこ大戦争』を、もしe-sports化しようとしたら、どうなる??」
第1戦「『クラッシュ・ロワイヤル』はe-sportsタイトルとなりえるのか?」


 
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↓カナダカップ2017の動画まとめはこちら↓
https://www.youtube.com/watch?v=NHrNLePwoCU&list=PLANfhCYEPLL_qY3EM26ohtIplhL5R7yqR
 

著者
板垣護
ポノス株式会社、e-sports事業の総括。 兼、ヤルキマントッキーズ合同会社、CEO。
最近の一言
「カナダの夜景は綺麗でした」
ポノス株式会社
http://www.ponos.co.jp/pc/

会社情報

会社名
ポノス株式会社
設立
1990年12月
代表者
辻子禮子、辻子依旦
決算期
11月
上場区分
非上場
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