【ギークス決算説明会】IT人材事業とゲーム事業の売上高・営業利益が過去最高を更新 ゲーム事業は来年度以降に向けた2本の大型案件を開発中


ギークス<7060>は、11月15日、2020年3月期の第2四半期の連結決算の説明会を東京都内で開催した。説明会に先立ち11月13日に発表された第2四半期の連結決算は、売上高19億7800万円(前年同期比41.5%増)、営業利益4億1400万円(同15.6%増)、経常利益4億1500万円(同16.3%増)、最終利益2億6700万円(同16.3%減)となった。

説明会では、同社の曽根原社長(写真)がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。今回はその内容も踏まえつつ、決算内容を中心にまとめてみた。
 

■2Q累計はIT人材事業とゲーム事業の売上高・営業利益が過去最高を更新


まずは全体での業績となるが、第2四半期期間(7~9月)の業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、売上高は前四半期比37.1%減の7億6400万円、営業利益は同48.9%減の1億4000万円、経常利益は同49.6%減の1億3900万円、最終利益は同50.0%減の8900万円となっている。これは、第1四半期にゲーム事業で新作ゲームが1本リリースとなり、新規開発収入によるフロー売上を計上しているため。そのため通期計画に対する第2四半期累計業績の進捗率も高くなっているが、「売り上げがそこ(1Q)に寄っている。計画通りの進捗」(曽根原社長)としていた。
 


次に各事業ごとの状況に目を移したい。まずは、IT人材事業を見てみると、第2四半期期間累計の売上高は前年同期比22.3%増の6億2600万円、営業利益は同22.7%増の3億2900万円といずれも過去最高を更新した。積み上げ型のため、下期の方が伸びる事業構造だが、第2四半期の時点で曽根原社長が示してきた「(年率で)15~20%の成長」を上回るペースとなっており、極めて順調な推移と言えそうだ。
 


続いてゲーム事業は、前述の通り第1四半期期間に受託開発を行った他社IPによる新作をリリースしたことによる新規開発収入を計上していることで、第2四半期期間累計の売上高は同67.3%増の11億4200万円、営業利益は同11.4%増の2億6000万円とこちらもいずれも過去最高を更新しての着地となった。運営タイトルは第1四半期の新作を含めて5本となっており、今後の新作については、来年度以降の売上に向けた2案件の受託開発を受注している。この2案件は、ともに有力IPを用いた大型案件で、既に「2案件とも開発が進んでいる」(同)とのことだ。
 

その主力2事業に続く、IT人材育成事業、動画事業、インターネット事業では、IT人材育成事業が売上高で同2.3%減の1億1200万円、営業利益で同93.0%減の200万円となるなど、やや苦戦している。これは、同じような留学サービスが増えて価格競争が厳しくなっているためで、現在はその対策としてカリキュラムの拡充などを進めているという。

また、ゴルフ情報サイト「Gridge」を展開するインターネット事業については、売上高で同77.9%増の40000万円となり、営業損益は前年同期の4200万円の赤字から2200万円の赤字に赤字幅が縮小している。「Gridge」のMAU(月間利用者数)が65万人を突破するなどメディアパワーが着実に強まっており、特にほかのゴルフ向け媒体よりも若い層に浸透していることが強みになっているとのことだ。
 

 

■IT人材育成事業が計画下回るもトータルでは計画通りの推移を見込む


なお、2020年3月期通期の予想は、従来予想から変更なく、売上高35億5000万円(前期比16.4%増)、営業利益6億5000万円(同17.5%増)、経常利益6億4500万円(同21.2%増)、最終利益4億300万円(同2.1%減)の見込み。IT人材育成事業が計画を下回る見通しだが、IT人材育成事業やゲーム事業などでカバーし、トータルでは計画通りの推移を見込むとしている。

なお、フィリピン・セブ島でのオフショア開発を検討しており、既に今期からテスト的に委託を受けていることを明らかにしたが、こちらは「来期以降、売り上げが立つ見込み」(同)としていた。
 
(編集部:柴田正之)

 
ギークス株式会社
http://geechs.com/

会社情報

会社名
ギークス株式会社
設立
2007年8月
代表者
代表取締役CEO 曽根原 稔人
決算期
3月
直近業績
売上高237億3900万円、営業利益9000万円、経常利益8200万円、最終損益14億7300万円の赤字(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7060
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