【決算レポート】ドリコム、21年3月期は創業以来の最高益 「収益性向上と将来への種まきを行った」(内藤社長) 不採算タイトル減少、『ぼくドラ』貢献、新事業続々
ドリコム<3793>は、5月13日、2021年3月通期の決算を発表するとともに、オンラインで決算説明会を開催した。同日発表した決算は、売上高118億4000万円(前の期比16.7%増)、営業利益20億5200万円(同232.7%増)、経常利益20億1900万円(同217.5%増)、最終利益16億2400万円(同128.4%増)と大幅増益を達成した。
・売上高:118億4000万円(前の期比16.7%増)
・営業利益:20億5200万円(同232.7%増)
・経常利益:20億1900万円(同217.5%増)
・最終利益:16億2400万円(同128.4%増)
説明にあたった内藤裕紀社長(写真)は、「営業利益、経常利益、最終利益は、創業以来、過去最高になった。足腰を固めて収益性を高めると同時に、今期(2022年3月期)以降の展開に向けて種まきを行う1年だった。(AROWやAKRGLAM、負荷テストサービス、ROOOTなど)新規事業への投資も進んでいる」と振り返った。新規事業群は、ボラティリティの大きいゲーム事業を補完する、安定収益を担う存在にもなる。
ゲームについては自社配信・IPタイトルともに前年を上回った。『ONE PIECEトレジャークルーズ(トレクル)』や『アイドルマスター シャイニーカラーズ(シャニマス)』などIPタイトルが引き続き好調を維持したほか、『ぼくとドラゴン』や『ちょこっとファーム』といった自社配信タイトルも収益に貢献した。
リリース時期別の売上高の推移だが、目立つのは2020年のリリースタイトルの貢献だ。3月からジョインした『ぼくとドラゴン』の貢献が大きかったと推測される。運営元のスタジオレックスは、20年3月からドリコムグループに加わり、運用連携とノウハウの共有を行ってきたという。
また、不採算タイトルの収益改善にも取り組んできたが、前の期の第4四半期(20年1~3月)に5タイトルあった不採算タイトルは、順調に採算改善が進み、21年3月期の第2四半期(4~6月)には1タイトルに減少した。残りの1タイトルについては、今期の上半期中に安定的な黒字化を想定しているそうだ。
■第1四半期は大幅減益予想 周年タイトルが複数あり確度の高い数字で作成
なお、2022年3月期の見通しは非開示。第1四半期(4~6月)のみ開示しており、売上高27億円(前年同期比18.3%減)、営業利益3億5000万円(同43.9%減)、経常利益3億5000万円(同42.5%減)、最終利益2億5000万円(同46.5%減)とした。
・売上高:27億円(前年同期比18.3%減)
・営業利益:3億5000万円(同43.9%減)
・経常利益:3億5000万円(同42.5%減)
・最終利益:2億5000万円(同46.5%減)
内藤社長は、「業績予想がよく保守的ではないかと言われるが、第1四半期は周年イベントが複数あるため、どうしても数字が読みづらい。(予想については)確度の高い数字で出している」と述べた。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ドリコム
- 設立
- 2001年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 内藤 裕紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3793