【決算レポート】東京通信、第1四半期は前期大ヒットのハイカジ『Save them all』の反動減が影響 メタバース事業およびデジタルサイネージ事業への参入が決定

柴田正之 編集部記者
/

東京通信<7359>の2022年12月期の第1四半期(1~3月)の連結決算は、インターネットメディア事業で昨年度に大ヒットを記録したハイパーカジュアルゲーム『Save them all』などの既存タイトルの売上高が減少したものの、電話占い「カリス」などを手掛けるティファレトを2021年4月に連結子会社化した影響もあり、増収を達成した。

なお、売上高の前年同期比較は「収益認識に関する会計基準」等の適用に伴い、参考値となる。

売上高13億1300万円(前年同期比21.0%増)
営業利益3700万円(同77.6%減)
経常利益5000万円(同64.2%減)
最終利益1900万円(同76.7%減)

インターネットメディア事業は、昨年度の大ヒットタイトル『Save them all』の売上高減少の影響があったものの、ロングランの既存タイトルや新規ヒットタイトルの貢献もあり、業績は堅調に推移した。

また、Play-to-Earn領域にて、インセンティブゲームの展開を開始した『ソリティアスクラッチ』が好調に推移した。

プラットフォーム事業は、電話占い「カリス」ブランドの認知度向上のために積極的なプロモーション活動を実施した。電話占い「カリス」は、成熟した市場で安定した収益を維持しているものの、連結子会社化に伴うのれん償却費などが7300万円発生している。


インターネット広告事業は、堅調であった既存案件の需要が落ち着き、SEOコンサルティングサービスなどの新規商材開発のためのコスト増により、四半期ベースで損失計上となった。

また、新規事業として、ヘルステックサービス「OWN.」を4月にリリースした。「OWN.」は、人々が健康でエネルギッシュな状態を生涯に渡って維持するのに役立つプロダクトを提供するウェルネスブランドとなっており、個人の健康の最大化を目指し、ヘルスケア・フィットネス領域へ参入する。

また、メタバース事業およびデジタルサイネージ事業へ参入することを先日5月9日に発表した。それぞれの事業を目的とした新会社METAVERSE A CLUB(メタバース エース クラブ)と、Digital Vision Industries(デジタル ビジョン インダストリーズ)を6月に設立する予定だ。

両事業の責任者には、デジタル領域の高い専門性と新規事業推進ノウハウをもつ同社取締役の早川晋氏が抜擢されている。

なお、2022年12月期通期の連結業績予想については、従来予想から変更なく、以下のとおり。「収益認識に関する会計基準」を適用するため、売上高は前期比較は開示されていないものの、売上高・各利益とも前期の実績値を上回る見通しだ。

売上高59億円
営業利益4億7000万円(前期比1.0%増)
経常利益4億5000万円(同6.1%増)
最終利益2億3000万円(同13.6%増)

株式会社東京通信グループ
https://tokyo-tsushin.com/

会社情報

会社名
株式会社東京通信グループ
設立
2015年5月
代表者
代表取締役社長CEO 古屋 佑樹
決算期
12月
直近業績
売上高62億1900万円、営業損益1億3300万円の赤字、経常利益3億5700万円、最終損益2億400万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
7359
企業データを見る