トーセ、第3四半期決算は営業益143%増の2億6400万円 『DQトレジャーズ』など大型案件進行、開発合理化も貢献 通期計画は低進捗だが達成できる見通し

ゲームソフト開発大手のトーセ<4728>は、7月7日、第3四半期累計(21年9月~22年5月)の連結決算を発表し、売上高40億0500万円(前年同期比4.6%減)、営業利益2億6400万円(同142.9%増)、経常利益2億8000万円(同138.4%増)、最終利益1億6900万円(同532.6%増)だった。

・売上高:40億0500万円(同4.6%減)
・営業利益:2億6400万円(同142.9%増)
・経常利益:2億8000万円(同138.4%増)
・最終利益:1億6900万円(同532.6%増)

家庭用ゲームソフトの開発需要が旺盛で複数の大型案件が着実に進行している一方、モバイルコンテンツ関連の運営売上が減少したことが響き、減収となった。利益面では、前年同期にはスマホゲーム開発で大規模な改修費用が発生したが、当期はそれが縮小したこと、取引価格の改善や開発の合理化などによる売上総利益率の好転などが奏功したという。


①デジタルエンタテインメント事業
売上高は37億2000万円(同2.6%減)、営業利益1億8400万円(同165.3%増)となった。

「プレイステーション5」や「Xbox Series X/S」にも対応したマルチプラットフォームの案件を含む、複数の開発案件を遂行するとともに、ユーザーと連携して開発内容の充実化やプラットフォームの追加に対応するなど、一部案件は規模を拡大している。『ドラゴンクエスト トレジャーズ 蒼き瞳と⼤空の羅針盤』はその一つとなる。

また、メタバースやNFTに関連した企画・提案や開発業務は、文化財の活用や他業種とのコラボレーションなどを進めている。特に京都市のバーチャルシティ構築については、4月に同市及びANA NEO、ANAホールディングスと協定を締結し、連携して事業に取り組んでいる。

製品別の内容は以下のとおり。
・ゲームソフト関連の売上は、家庭用ゲームソフトの大型案件が複数進行中であることから、22億4200万円(同7.6%増)となった。
・モバイルコンテンツ関連の売上は、運営売上が前年同期よりも減少し、14億6600万円(同9.9%減)となった。
・パチンコ・パチスロ関連の売上は、ゲームソフト関連やモバイルコンテンツ関連に開発人員をシフトしていることから、1200万円(同88.7%減)となった。

 
②その他事業
売上高は2億8400万円(同25.2%減)、営業利益8000万円(同103.4%増)となった。

コロナ禍の巣ごもり消費拡大で売上好調が続いている家庭用カラオケ楽曲配信事業のロイヤリティ売上は、引き続き高水準で推移した。一方で、SI事業を取り扱うBTDスタジオでは、テレワーク下でもあらゆる社内決裁がスピーディに行われるよう、コーポレート部門と協力して自社の業務システムの開発を進めている。そのため前年同期と比べ受注案件は減少し、その結果当事業の当期の受注案件は減少しているものの、自社の業務システムの開発実績を、SIやDXに関連した今後の事業活動に活かしていく。

 


■2022年8月通期の業績見通し
2022年8月通期の業績は、売上高62億4200万円(前期比4.7%増)、営業利益4億8000万円(同80.3%増)、経常利益4億8800万円(同71.7%増)、最終利益2億8600万円(同93.0%増)、EPS37.74円を見込む。

・売上高:62億4200万円(同4.7%増)
・営業利益:4億8000万円(同80.3%増)
・経常利益:4億8800万円(同71.7%増)
・最終利益:2億8600万円(同93.0%増)
・EPS:37.74円

計画に対する進捗率は、売上高64.2%、営業利益55.0%、経常利益57.4%、最終利益59.1%となっている。

・売上高:64.2%
・営業利益:55.0%
・経常利益:57.4%
・最終利益:59.1%

同社では、スマートフォン向けゲーム開発案件において第2四半期に想定を超えてコストが増加したため、第3四半期末時点での進捗率は未だ低くなっているが、第3四半期から利益率は回復しており、通期業績予想は達成できる見込み、としている。 

 

株式会社トーセ
http://www.tose.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社トーセ
設立
1979年11月
代表者
代表取締役会長 齋藤 茂/代表取締役社長 渡辺 康人
決算期
8月
直近業績
売上高46億1500万円、営業損益5億2200万円の赤字、経常損益5億100万円の赤字、最終損益2億6000万円の赤字(2024年8月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4728
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