【決算レポート】ケイブ、第1四半期(6~8月)は減収も赤字幅は縮小 「東方Project」公認二次創作タイトルの開発進捗は順調 9月1日付ででらゲーの子会社化が完了

柴田正之 編集部記者
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ケイブ<3760>の2022年5月期の第1四半期(6~8月)の連結決算は、主力の『ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい!~』の成熟化に加え、動画配信関連事業の売上が低下したことで減収となった一方、株式報酬費用を計上した前年同期との比較で販管費が大幅に減少して赤字幅が縮小した。

売上高2億3400万円(前年同期比16.5%減)
営業損益5500万円の赤字(前期5億2200万円の赤字)
経常損益5900万円の赤字(前期5億2100万円の赤字)
最終損益5600万円の赤字(前期5億1900万円の赤字)

ゲーム事業では、主力の『ゴシックは魔法乙女』は、四半期の前半はイベント施策が好調となり、商材の販売方法を見直し、ターゲット層を明確に分けたガチャ施策等が功を奏したことで、好調な売上を獲得した。しかし、後半8月にかけてはイベント施策が想定を下回り、売上に繋がらなかった。

また、開発中の新作となる「東方Project」公認二次創作タイトルは、β版開発へと進捗し、シューティングの基幹開発を進行しているほか、キャラクターの量産体制にも着手するなど開発が順調に進んでいる。

9月1日に実施したでらゲーの子会社化は、本作の開発人員の確保という側面もあり、リリースに向けた今後の開発状況が注目されるところ。

一方、動画配信関連事業については、対面占いライブ配信プラットフォーム「占占(sensen)」については、占い師の評価基準を見直し、少数精鋭による展開を行ってきた。しかし、引き続き投資が継続し、収益性の低下による減損の兆候が認められたことにより、将来の回収可能性を検討した結果、減損損失を計上した。

その後も売上回復に向けて様々な施策を講じてきたが、目標としていた水準まで売上およびKPIを回復させることが困難であると判断し、11月1日付でのサービスの終了を決定した。

連結子会社capableは、YouTube事業の業績が引き続き安定的に売上を創出した。一方、独自の芸能人やインフルエンサーとEC事業を連携させたDtoC事業を含むデジタルマーケティング事業については、春夏の新規商材の売上が目標を下回り、低調に推移した。

今後は、DtoCやライブ配信での実績やノウハウを活かした新事業の展開をデジタルおよびオフラインの両面から検討していくという。

グループの状況は、前述のとおり、でらゲーの子会社化が9月1日付で完了した。今後は収益源の獲得による早期の業績回復と企業価値の向上を図るとともに、スマートフォンゲーム開発運営におけるシナジーの発揮を目指していく。

一方、非エンタメ事業への進出を目指し、ベトナムの優秀な人材を日本企業に派遣、紹介することで事業の拡大を図り、新たな収益基盤を確立するために設立された連結子会社のFIVESTAR BANKについては、将来の収益獲得を期待できる事業を展開することが困難と判断し、10月12日付で解散した。

なお、2023年5月期の業績予想については、現時点において信頼性の高い通期の業績予想数値を算出することが困難であるとし、引き続き非開示としている。

株式会社ケイブ
http://www.cave.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ケイブ
設立
1994年6月
代表者
代表取締役社長 秋田 英好/代表取締役CFO 伊藤 裕章
決算期
5月
直近業績
売上高69億6300万円、営業利益2億4300万円、経常利益2億1300万円、最終利益25億7900万円(2023年5月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3760
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