【決算レポート】ボルテージ、7~9月はアプリの採算性重視で減収も赤字幅が縮小 アプリと新分野(電子コミック・コンシューマ)で「事業3本柱」を目指す戦略を推進

柴田正之 編集部記者
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ボルテージ<3639>の2023年6月期の第1四半期(7~9月)の連結決算は、「電子コミック・コンシューマ」の売上が増加したものの、採算性を重視した「日本語女性向け」「英語・アジア女性向け」「男性向け」の売上が減少し、減収となった。

一方、広告宣伝費の減少や、Voltage Entertainment USAの解散に伴う従業員の退職などによる給与および法定福利費の減少などで、赤字幅は縮小した。

売上高11億3000万円(前年同期比18.8%減)
営業損益8200万円の赤字(前年同期2億2200万円の赤字)
経常損益6700万円の赤字(同2億1800万円の赤字)
最終損益6800万円の赤字(同2億2400万円の赤字)

そうした中で同社は、市場動向を鑑みて戦略を軌道修正し、2025年6月期ごろにアプリと新分野(電子コミック・コンシューマ)での「事業3本柱」を成立させるべく経営を進めている。3年後には新分野の売上を全体の20%まで成長させることを目指していく。

日本語女性向けアプリはファンダムを充実させ採算性の向上を図る「ファンダム戦略」を推進する。現在は会員ポイントサービスの「ボルパス」の延べ連携者数が34万人を突破した。

また、ファンダムについては、「ボル恋」15周年の展示イベントを12月に実施予定であるほか、『アニドルカラーズ』の声優ライブ「A-LIVE」を8月に実施した。

こちらは「男性向け」の『六本木サディスティックナイト』でも7周年を記念した展示イベント「六本木サディスティックナイト展~Night Jewelメモリーズ~」を12月に開催する予定だ。

新分野は初期基盤がほぼ整ったため、投資の第2フェーズとして拡大と強力IP創出に向けた「ヒットIP戦略」を推進する。投資は電子コミックで3億円、コンシューマは4億円を想定している。

コンシューマは、Nintendo Switch向けオリジナルタイトル『even if TEMPEST 宵闇にかく語りき魔女』の好評を受けて、ファンディスクの制作が決定した。新たな物語を収録し、2023年の発売を予定している。

また、移植タイトルは、8月に『あの夜からキミに恋してた』、10月に『眠らぬ街のシンデレラ』を配信開始しており、移植タイトルの累計販売本数は7万本を突破している。

なお、2023年6月期通期の連結業績予想については、合理的な業績予想数値の算定が困難であることから非開示としている。

株式会社ボルテージ
http://www.voltage.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ボルテージ
設立
1999年9月
代表者
代表取締役社長 津谷 祐司
決算期
6月
直近業績
売上高42億5700万円、営業損益8400万円の赤字、経常損益6300万円の赤字、最終損益3900万円の赤字(2023年6月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3639
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