家庭用ゲーム大手、9月中間決算は6社中2社が営業増益 『エルデンリング』好調のバンナムHDが異彩放つ 下期大型タイトル投入で挽回狙う
家庭用ゲーム大手6社の9月中間決算は、本業の儲けを示す営業利益が増益となったのは6社中2社にとどまった。コーエーテクモホールディングスとバンダイナムコホールディングス<7832>画像液となった一方、セガサミーホールディングス<6460>とスクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>、カプコン<9697>、コナミグループ<9766>が減益となった(以下、ホールディングスはHD、グループはGと表記する)。
■増益組
増益となった会社を見ると、コーエーテクモHDは、『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』の販売本数が100万本を達成するなど新作が好調だったほか、旧作のリピート販売が堅調だったことが主な要因だ。ただし、営業外収支においては、厳しい金融環境に対応するため戦略的にポートフォリオの組み換えを行った影響で経常利益と最終利益は減益となった。
また、バンダイナムコHDについては、『ELDEN RING(エルデンリング)』のリピート販売が海外を中心に好調に推移し、全体の伸びをけん引した。『ONE PIECE』や『ドラゴンボール』の映画に関連したIPスマホゲームも好調だった。アミューズメント事業とトイホビー事業も収益を押し上げた。経常利益については、円安による外貨建取引に関わる為替差益も増益要因となった。
■減益組
他方、減益組をみると、セガサミーHDは、パチンコ・パチスロ関連やリゾートの収益が改善したものの、セガを中心に展開しているエンタテインメント事業が減益となったことが響いた。家庭用ゲームソフトの新作・リピート販売がいずれも想定を下回ったほか、アミューズメント機器で原材料高の影響を受けたという。
スクエニHDは、出版やアミューズメント、MMO、ライツが伸びたものの、家庭用ゲームソフトの新作売上の減少が響いた。為替差益201億円を計上したことや、一部スタジオやIPの売却で最終利益は増益だった。下期においては、複数の大型タイトルのリリースを控えており、上期の減益の挽回を狙う。
カプコンは、前年同期に発売された新作大型タイトル(これは『バイオハザード ヴィレッジ』とみられる)の反動減の影響があった、としている。アミューズメント施設やアミューズメント機器が復調したものの、全体をカバーするには至らなかったようだ。こちらも下期からの新作投入で挽回を狙っている。
最後にコナミGについては新作タイトルの投入や為替の円安などで過去最高の売上高となったものの、全体の売上の7割、事業利益の9割を占めるデジタルエンタテインメント事業が減益となったことが響いた。主力コンテンツの新作タイトルの制作費の償却やプロモーション費用などが発生し、収益を圧迫したとのこと。
■各社の決算レポート
各社の詳細については下記決算レポートを確認してほしい。
【決算レポート】コーエーテクモHD、9月中間は営業益12%増の183億円と上半期で最高益 『FE無双』新作は100万本突破、デジタル&リピート販売伸びる
https://gamebiz.jp/news/359960
【決算レポート】セガサミーHD、9月中間は家庭用ゲーム想定下回り営業益35%減の95億円 パチンコ・パチスロやリゾートは収益改善 『プロセカ』好調持続https://gamebiz.jp/news/360366
【決算レポート】バンナムHD、9月中間は『エルデンリング』好調で営業益32%増の816億円と大幅増 通期上方修正も進ちょく率63%と高水準
https://gamebiz.jp/news/360196
【決算レポート】スクエニHD、9月中間は本業の利益減も為替差益と関係会社売却で最終利益は71%増益 下期大型タイトルで挽回狙う
https://gamebiz.jp/news/359962
【決算レポート】カプコン、9月中間は大型タイトルの反動減で減収減益 『MHサンブレイク』は社内計画上回る 旧作・DL販売拡大 アミューズメント関連復調https://gamebiz.jp/news/359961
【決算レポート】コナミグループ、9月中間期は過去最高売上も大幅減益 新作ゲームの制作費の償却や広告宣伝費が利益圧迫
https://gamebiz.jp/news/360432
会社情報
- 会社名
- 株式会社カプコン
- 設立
- 1983年6月
- 代表者
- 代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9697
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
- 設立
- 1975年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3563億4400万円、営業利益325億5800万円、経常利益415億4100万円、最終利益149億1200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9684
会社情報
- 会社名
- コナミグループ株式会社
- 設立
- 1973年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
- 証券コード
- 9766
会社情報
- 会社名
- コーエーテクモホールディングス株式会社
- 設立
- 2009年4月
- 代表者
- 代表取締役会長 襟川 恵子/代表取締役社長 襟川 陽一
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高845億8400万円、営業利益284億9400万円、経常利益457億4100万円、最終利益337億9200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3635
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンダイナムコホールディングス
- 設立
- 2005年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 川口 勝
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1兆502億1000万円、営業利益906億8200万円、経常利益1041億6400万円、最終利益1014億9300万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7832
会社情報
- 会社名
- セガサミーホールディングス株式会社
- 設立
- 2004年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高4678億9600万円、営業利益568億3600万円、経常利益597億7800万円、最終利益330億5500万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 6460