【決算レポート】モブキャストHD、第4四半期(10~12月)は既存タイトル苦戦で大幅減収 子会社X-VERSE(旧モブキャストゲームス)はメタバース・Web3関連にも注力へ

柴田正之 編集部記者
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モブキャストホールディングス<3664>の2022年12月期の第4四半期(10~12月)の連結決算は、子会社X-VERSE(旧モブキャストゲームス)が配信中の『転生したらスライムだった件~魔国連邦創世記~』の競合タイトルによるマイナス影響が引き続き影響し、大幅な減収となった。

なお、営業損益と経常損益の赤字幅が縮小しているのは、子会社ゆとりの空間の損益改善に加え、本体のコスト削減効果が奏功したためとなる。

売上高8億9700万円(前年同期比17.3%減)
営業損益5800万円の赤字(前年同期1億500万円の赤字)
経常損益6700万円の赤字(同1億600万円の赤字)
最終損益1億1200万円の赤字(同7億3700万円の赤字)
※「収益認識に関する会計基準」等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、前年同期比較は参考値。

モバイルゲーム事業については、引き続き『転生したらスライムだった件~魔国連邦創世記~』など主要タイトルにおける減収の影響が大きく、減収・赤字幅拡大となった。

一方、キッチン雑貨事業は、百貨店、EC売上が前年割れとなったものの、出版・レシピ開発IPロイヤリティ収入の増加と「構造改革費」に関するコスト減少で営業損益が改善した。

続く2023年12月期については、セグメント区分を「IP投資育成領域(新規)」「デジタルIP領域(旧モバイルゲーム領域)」「ライフスタイルIP領域(旧キッチン ・雑貨 領域)」の3つに変更して事業に取り組んでいく。

IP投資育成領域は、今期は子会社を除く投資有価証券の一部譲渡を見込んでおり、特別利益として約10億円を計上することを見込んでいる。

デジタルIP領域は、子会社モブキャストゲームスの社名を2月1日付でX-VERSE(クロスバース)に変更し、これまでのモバイルゲームに加え、メタバースのようなバーチャル空間やWeb3.0にインパクトを与える「自社IPの創出」を目指していく。

なお、1月30日にリリースした新作『炎炎ノ消防隊 炎舞ノ章』は、30万ダウンロードを突破しており、次の2023年12月期の第1四半期(1~3月)に収益貢献してくることが期待される。

ライフスタイルIP領域は、引き続き子会社ゆとりの空間のIPO(新規上場)を目指した取り組みを進めていく。4つの成長戦略を進めることで、IPO時における「200万世帯が様々なおいしさの再現性を体験できるワクワク空間」実現を目指す方針だ。

なお。2023年12月期通期の業績予想については、『炎炎ノ消防隊 炎舞ノ章』の売上の振れ幅を見込むためレンジ予想で開示しており、以下のとおり。

IP投資育成領域の子会社を除く有価証券の譲渡による特別利益を計上により、最終利益は黒字転換を見込んでいる。

売上高42億円~47億7000万円(前期比17.1%増~33.0%増)
営業損益2億9000万円の赤字~2億1000万円の赤字(同3億5400万円の赤字)
経常損益3億円の赤字~2億3000万円の赤字(同3億9200万円の赤字)
最終利益4億2000万円~4億8000万円(同4億4800万円の赤字)

株式会社モブキャストホールディングス
https://mobcast.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社モブキャストホールディングス
設立
2004年3月
代表者
代表取締役CEO 藪 考樹
決算期
12月
直近業績
売上高33億7100万円、営業損益4億2800万円の赤字、経常損益4億3600万円の赤字、最終損益3億8000万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3664
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