【決算レポート】enish、第1四半期決算は前四半期に続く売上高10億円割れ 新作『つなキャン』は業績好転の起爆剤として期待 『De:Lithe Φ』は1つの業績リスクに

柴田正之 編集部記者
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enish<3667>の2023年12月期の第1四半期の決算は、新作『ゆるキャン△ つなげるみんなのオールインワン!!』(以下『つなキャン』)のリリース延期を行ったことで開発コストが先⾏し、営業損失を計上した。

売上高8億4900万円(前年同期比19.7%減)
営業損益3億200万円の赤字(前年同期1億4000万円の赤字)
経常損益3億1200万円の赤字(同1億4000万円の赤字)
最終損益3億1300万円の赤字(同1億4100万円の赤字)
EPS(1株当たり利益)18.17円の赤字(前年同期9.93円の赤字)

直前四半期に続く売上高10億円割れ

前回2022年12月期の第4四半期(10~12月)の連結決算を振り返ってみると、既存ネイティブタイトルの苦戦と『つなキャン』のリリース延期などの影響により売上高は4四半期ぶりに10億円を割り込んでいた。今回の第1四半期はその流れをそのまま引き継いだ状況と言えそうだ。

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『ブレオダ』など既存タイトルは堅調に推移

各タイトルの状況を見てみると、『進撃の巨人Brave Order』(以下『ブレオダ』)は、リリース1周年施策が好調に推移した。また、2023年秋放映予定のTVアニメ「進撃の巨⼈ The Final Season 完結編(後編)」に合わせた各種施策を準備していくとしている。

リリース2周年を迎えた『五等分の花嫁 五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。』は、季節感を意識したイベントやオリジナル⾐装を登場させるなど、登場キャラクターの魅⼒を存分に活かした施策を実施した。そうした施策の効果もあり、売上⾼はほぼ横ばいの推移となっているもようだ。

新作『つなキャン』は5月24日にリリース予定

新作パイプラインは、まもなく5月24日にリリース予定の『つなキャン』を含む3~4本と前四半期から変化はなかった。『つなキャン』は、直近で事前登録者数は80万⼈を突破するなど大きな期待を集めており、リリース後の動向が大いに注目される。

『De:Lithe Φ』が1つの業績リスク要因に

ブロックチェーンゲームの開発・提供については、新たに同社単独で『De:Lithe』のゲームシステムをベースにしたブロックチェーンゲーム『De:Lithe X (ディライズ カイ)』の開発・提供を目指す方針を決定した。

その一方で、3月8日付でHashPaletteから東京地裁に訴訟が提起され、3月27日に訴状の送達を受けたことを発表しており、共同で準備を進めていた『De:Lithe Φ (ディライズ ファイ)』については、1つの業績リスクの要因となっていることは留意しておきたい。

新作『つなキャン』のリリース後の動向に関心

なお、2023年12月期通期の連結業績予想については非開示。モバイルゲーム事業を取り巻く環境は変化が激しく、同社の事業も短期間に大きく変動する可能性があることなどから、信頼性の高い業績予想数値を算出することが困難なため、としている。

まずは大きな業績変動要因となるであろう新作『つなキャン』のリリース後の動向を、次の第2四半期決算発表時にしっかりと確認したいところだろう。

株式会社enish
http://www.enish.jp/

会社情報

会社名
株式会社enish
設立
2009年2月
代表者
代表取締役社長 安徳 孝平
決算期
12月
直近業績
売上高35億800万円、営業損益12億600万円の赤字、経常損益12億6500万円の赤字、最終損益13億7400万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3667
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