【決算レポート】マイネット、1Q(1~3月)は運営タイトルの堅調な推移で増収増益に クラブDX事業からの撤退を決定 退職勧奨で40名程度の人員削減を計画

柴田正之 編集部記者
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マイネット<3928>の2023年12月期の第1四半期(1~3月)の連結決算は、運営タイトルの堅調な推移に加え、販管費の抑制も奏功し、増収増益を達成した。

なお、最終利益が大きく膨らんでいるのは、子会社滋賀レイクスターズの全株式の売却したことにより特別利益が発生したため、となる。

売上高26億5800万円(前年同期比2.4%増)
営業利益7000万円(同24.0%増)
経常利益5900万円(同1.5%増)
最終利益1億6800万円(同211.2%増)

■前四半期は減損計上で約15億円の最終赤字を計上

前回2022年12月期の第4四半期(10~12月)の連結決算を振り返ってみると、10月に獲得した『ひぐらしのなく頃に 命』などの貢献で増収を達成したものの、滋賀レイクスターズのチーム運営費や興行費用等の固定費が増加したほか、ファンタジースポーツ事業やクラブDX事業といった新規事業への投資が加速したこともあり、赤字計上となった。

また、最終損益は前期獲得した2タイトルや2021年9月に連結子会社化した滋賀レイクスターズののれんの減損損失を計上したことも影響し、15億5400万円の赤字を計上していた。

今回の第1四半期決算は、そうした負の要素の清算も奏功し、黒字転換を達成した形となっている。

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■ゲームサービス事業の3月末時点の運営タイトル数は25に

ゲームサービス事業は、第1四半期において1タイトルのエンディングを行い、2023年3月末時点での運営タイトル数が25となった。なお、現在共同運営している『モバプロ2 レジェンド』は、2023年3月1日より配信名義と運営主体をグループ会社であるマイネットゲームスに変更した。

また、2023年1月25日をもって『神獄のヴァルハラゲート』がサービスリリースから10周年を迎え、運営期間が10年を超えるものが累計で11本となった。

ファンタジースポーツ事業では、「B.LEAGUE#LIVE2022」が堅調に売上成長しており、アカウント数、ログイン継続率、ARPPUなどで見立てを超える水準で推移したという。今後はこの「B.LEAGUE#LIVE2022」に開発と運営を集中し、ファンタジースポーツの市場形成と事業としての確立を目指していく。

■クラブDX事業からの撤退を決定

なお、新規投資の選択と集中を進め、プロバスケットボールチーム「滋賀レイクス」の運営会社である滋賀レイクスターズの同社が保有する全株式を2023年3月に譲渡し、クラブDX事業からの撤退を決定した。

今後は、既存ゲーム事業と第2の柱となるファンタジースポーツの事業確立に注力していく方針だ。

■退職勧奨で40名程度の人員削減を目指す

直近のトピックとしては、メンバー稼働率向上を目的に人員合理化を実施することを決定したことだろう。合理化の方法は退職勧奨で行い、40名程度の削減を6月末で完了する予定だという。

なお、この合理化による同社グループの2023年12月期連結業績に与える影響額として、人件費の減少と、再就職支援金の支払いに伴う特別損失の計上が見込まれるが、これらの影響は第3四半期決算発表時に結果を公表する予定としている。

■滋賀レイクスターズの全株式の売却で最終利益を上方修正

2023年12月期通期の業績予想については、滋賀レイクスターズの全株式の売却したことによる特別利益計上を踏まえ、以下のとおりに最終利益のみを上方修正している。

売上高94億円(前期比10.8%減)
営業利益1億円(前期3億9900万円の赤字)
経常利益8000万円(同4億1900万円の赤字)
最終利益1億円(同16億3300万円の赤字、従来予想7000万円)

株式会社マイネット
http://mynet.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社マイネット
設立
2006年7月
代表者
代表取締役社長CEO 岩城 農
決算期
12月
直近業績
売上高87億1700万円、営業利益1億6800万円、経常利益1億2500万円、最終利益1億4300万円(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3928
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