バンナムHD、第3四半期決算は営業益26%減の782億円…大人向け商品やカード商材、カプセルトイが玩具貢献も新作オンラインゲームで評価損、編成見直しで損失
バンダイナムコホールディングス<7832>は、2月14日、2024年3月期 第3四半期累計(23年4月~23年12月)の連結決算を発表し、売上高7720億3500万円(前年同期比3.9%増)、営業利益782億8200万円(同26.3%減)、経常利益896億3000万円(同23.4%減)、最終利益603億9800万円(同28.5%減)だった。
・売上高:7720億3500万円(同3.9%増)
・営業利益:782億8200万円(同26.3%減)
・経常利益:896億3000万円(同23.4%減)
・最終利益:603億9800万円(同28.5%減)
グループ全体では、ハイターゲット層(大人層)向け商品やカード商材、カプセルトイ等が人気となったトイホビー事業等が業績に貢献した。デジタル事業においては、今期投入したオンラインゲームの新作タイトル等に関わる評価損に加え、次期中期計画を見据えタイトル編成の見直しを行ったことによる処分損を計上した。【追記】デジタル事業で計上した損失は第3四半期までの累計で約210億円になったとのこと。5タイトル以上を開発中止としたという。
【主な内容】
■デジタル事業
■トイホビー事業
■IPプロデュース事業
■アミューズメント事業
■その他事業
■2024年3月期の業績見通し
セグメントごとの経営成績は、次のとおり。
■デジタル事業
売上高は2630億1200万円(同8.9%減)、セグメント利益は16億1500万円(同96.5%減)となった。
デジタル事業では、ネットワークコンテンツにおいて、「DRAGON BALL」シリーズや「ONE PIECE」等の主力アプリタイトルがユーザーに向けた継続的な施策により国内外で安定的に推移する一方、オンラインゲームの新作タイトルが計画を大幅に下回った。
家庭用ゲームにおいては、ワールドワイド向けの新作タイトル「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」が人気となった。家庭用ゲーム全体では、既存タイトルについては「ELDEN RING」のリピート販売が大きく貢献した前年同期とのプロダクトミックスの違いが業績に影響した。
なお、デジタル事業においては、今期投入したオンラインゲームの新作タイトル等に関わる評価損に加え、次期中期計画を見据えタイトル編成の見直しを行ったことによる処分損を計上した。今後は、バランスの取れた最適なタイトルポートフォリオの構築、開発体制の精査を行うとともに、クオリティを重視した開発を強化していく。
■トイホビー事業
売上高は3902億1200万円(同13.1%増)、セグメント利益は697億1700万円(同31.7%増)となった。
トイホビー事業では、原材料価格や燃料価格上昇の影響を受けたものの、好調カテゴリーの商品ラインナップやグローバル展開の拡大、生産体制の強化、リアルイベントや店舗によるタッチポイント拡大等をはかったことにより、引き続き好調に推移した。
具体的には、「ガンダムシリーズ」のプラモデルやコレクターズフィギュア、キャラクターくじ等のハイターゲット層向けの商品が、販売・マーケティングや商品ラインナップの強化等により好調に推移した。また、「ONE PIECE」のトレーディングカードゲーム等のカード商材、カプセルトイ、菓子・食品等が商品ラインナップやターゲット層、顧客とのタッチポイントの強化等により業績に貢献した。
■IPプロデュース事業
売上高は555億8500万円(同1.0%増)、セグメント利益は68億0100万円(同7.1%増)となった。
IPプロデュース事業では、映像制作においてTVアニメーションや劇場作品等複数の新作作品の制作を行った。中でも「機動戦士ガンダム 水星の魔女」は、新規ファン層を獲得し、グループの商品・サービス販売の好調につながった。また、「ガンダムシリーズ」や「ラブライブ!シリーズ」、「アイドリッシュセブン」、「転生したらスライムだった件」、「ブルーロック」等のライセンスビジネスや映像配信等が安定的に推移したほか、「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」がインバウンド需要等を取り込み好調に推移した。
■アミューズメント事業
売上高は883億1000万円(同17.0%増)、セグメント利益は75億6000万円(同9.0%増)となった。
アミューズメント事業では、国内アミューズメント施設の既存店売上高が102.4%となった。また、「バンダイナムコ Cross Store」や「ガシャポンのデパート」のようなグループの商品・サービスと連携したバンダイナムコならではの施設展開が好調に推移した。業務用ゲームにおいては、新製品「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2オーバーブースト」や人気シリーズのアップデートキットの販売が好調に推移した。また、燃料価格の上昇等の外部環境の変化も踏まえ、引き続き効率化に取り組んだ。
■その他事業
売上高は245億7100万円(同4.4%増)、セグメント利益は12億6800万円(同11.2%増)となった。
その他事業では、グループ各社へ向けた物流事業、その他管理業務等を行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでいる。
■2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の業績は、売上高1兆円(前期比1.0%増)、営業利益820億円(同29.6%増)、経常利益930億円(同27.3%減)、最終利益未定を見込む。
・売上高:1兆円(同1.0%増)
・営業利益:820億円(同29.6%増)
・経常利益:930億円(同27.3%減)
・最終利益:未定
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンダイナムコホールディングス
- 設立
- 2005年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 川口 勝
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1兆502億1000万円、営業利益906億8200万円、経常利益1041億6400万円、最終利益1014億9300万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7832