【連載企画:f4samuraiマガジン⑮】“好き”を原動力に、心を動かすコンテンツを作る…コンテンツプランナーの仕事の魅力

「世界に、“一番のワクワク”を届ける」をミッションとし、スマートフォン向けゲームの企画・開発・運営を行っているゲーム会社、f4samurai。

秋葉原に拠点を構える同社は、世界観の構築に強みを持ち、『オルタンシア・サーガ -蒼の騎士団-』(『オルサガ』)をはじめ、『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』(『マギレコ』)、『コードギアス 反逆のルルーシュ ロストストーリーズ』などを手掛け、いずれもヒット作として覚えている人も多いだろう。

そんなf4samuraiのゲーム開発はどのようにして行われているか。今回、gamebizでは、そんなf4samuraiの開発環境を、同社マスコットであるエフフォーくんと探る「f4samuraiマガジン」を特集掲載していく。同社がヒット作を輩出するその秘密について探ってみた。






皆さん、こんにちは! f4samurai・エフフォーくんです。

今回は、f4samuraiで活躍するメンバーにインタビューし、担当業務や仕事の価値観を掘り下げていく「わたしのあゆみ」シリーズ。今回の社員インタビューでは、2020年中途入社のコンテンツプランナー・Natsuさんをご紹介します。

Natsuさんのこれまでのキャリアやコンテンツプランナーの仕事の魅力、今後の目標までを語ってもらいました。

「好き」と「得意」を起点に これまでのキャリア

Natsu / コンテンツプランナー 2020年中途入社

ーー:まずは簡単に自己紹介をお願いします。

IP(版権)タイトルのコンテンツプランナーのNatsuです。2020年にf4samuraiに入社して、シナリオのチェックや制作進行管理といった統括業務を中心に担当しています。

コンテンツプランナーは一般的なゲームプランナーとどう違うの?と気になる方もいると思いますが、主にアートやシナリオの領域に関する業務を担当するという点が特徴です。

例えば、ゲーム内でイベントを実施する際に、コンテンツプランナーはキャラクターがどんな姿で登場し、どんなシナリオで進んでいくのかを考えるのが仕事です。そして、ゲームプランナーはそのアート要素をどうゲームの中で展開して、ユーザーのみなさんに楽しんでいただくかを考えるという役割分担になっています。

▼参考記事(f4samurai公式noteより)
【お仕事紹介】コンテンツプランナー|開発を前に進め、クオリティを担保するプロジェクトの要
【お仕事紹介】ゲームプランナー|「おもしろい!」を創り出す設計のプロ


ーー:続いて、f4samurai入社前のキャリアを教えてください。

最初は、歯科助手からスタートしました。高校卒業後、美術大学に進学する予定だったのですが、家庭の事情で断念することになって。とにかく働かなければと地元の歯科医院に勤めることにしました。

3~4年ほど続けたのですが、歯科助手と言いながら職場の環境改善に努めたりと、通常の歯科助手業務の範疇を超える仕事をするようになってしまって。歯科助手としての仕事もやり切った実感があり、元々何かを企画して生み出すような仕事に携わりたいと思っていたので、夢をあきらめずに転職をすることにしました。

2社目では、遊技機の企画を行っていました。転職時は、歯科助手としてのスキルよりも、自分の得意分野での企画を考えたり、それを実行したり、そういった面で能力を生かして働きたいと考えたのがきっかけです。遊技機には普段から触れていたので、業界は未経験でしたが思い切って飛び込んでみた、という感じです。

色々な業務こなしていく中、そのときから趣味でキャラクターの“グッズ熱”が加速し、今度は作る側になろうとグッズの企画営業に転職しました。始発でグッズを買いに行くような生活を送っていたので「これは消費者でいるより、提供側に回った方が建設的だな」と思って(笑)。

ーー:Nastuさん自身の「好き」や「得意」をどんどん伸ばすようにしてキャリアを歩んできたのですね。

確かにそうかもしれません。自分が少しでも明るい分野で能力を伸ばせないか、生かせないかというのはいつも考えていたと思います。いろんな転職先がある中で、自分が一番武器になる分野があるというのは、どの転職活動でも一貫して重視していたところでしたね。

夢だった“ゲームづくり”への挑戦 f4samurai入社のきっかけ

ーー:前職からの転職理由はなんでしたか?

前職では、出した企画が売れないこともありましたし、ヒットを出すためにすごく悩んだ時期もありました。ですが、その過程で、企画を生み出す力や版元様をはじめとする取引先とのコミュニケーション力が身に付けることができましたし、私自身もそういった仕事がやっぱり好きだなと感じていました。

そんなときに、前職で大型のヒット企画を出すことができたんです。達成感を得ると同時に、市場のリサーチや日程調整、費用の扱いなど、グッズ制作を通してスキルを身に付けることができたと思って、新しい挑戦をしたいなと考えるようになりました。

そのことを前職の職場に相談したところ「応援するよ」と背中を押していただき、これまでの培ったスキルを活かしながら、「もっとこうしたい」という気持ちをぶつけられる場所に行こうと転職を決めました。

ーー:転職活動をする中で、f4samuraiへの入社を決めた理由は何でしたか?

転職活動では、人気が爆発的に伸びていたVTuber業界と、元々大好きだったゲーム業界の2軸に絞って面接を受けていました。学生時代からゲームを作ってみたいという夢もありましたし、女性向けゲームはまだまだ市場開拓できそうだなとも思っていたので、f4samuraiに入社を決めました。

応募のきっかけは、当時コンテンツプランナーはアシスタントプロデューサーという名称で、ゲームプロデューサーの下で仕事ができることに魅力を感じたことでした。前職での業務経験が活かせる職種ではありましたが、ゲーム業界は未経験だったので、プロデューサーの仕事を直に見られる機会はありがたいと思いましたね。

ーー:未経験だからこその苦労も多そうですね。

キャッチアップには当然苦労しましたが、そこはやはり「入社したからにはどんどん吸収しないと!」という気持ちでした。当時を振り返ると、ゲームプランナーとコンテンツプランナーの違いも、ゲーム開発におけるサーバーサイドとクライアントサイドの関係性なども全くわかっていなくて、それでもとにかく「ガッツだけはあります!」という感じで入社した覚えがあります(笑)。

もちろん知識や経験があるに越したことはないのですが、それ以上にがんばりたい気持ちやゲームへの情熱のようなものがコンテンツプランナーには大切かもしれません。

現在は職種の名称も変わり、プロデューサー直下という構造ではなくなったものの、その分、一人のプランナーとして主体的に業務に取り組めるようになり、入社当時とは違ったやりがいを感じています。

経験年数に関わらず、意見をカタチにできる職場

ーー:これまでの業務の中で特に印象的だったエピソードを教えてください。

入社してすぐ、悩みながら、サポートしてもらいながら企画を作ったときのことが印象に残っています。

最初の頃は、業界未経験の自分が本当に戦力になれるのか悩んでいたのですが、版元様からのご意見がきっかけでやってみたい企画があって。どうしたら良い企画として通せるかを考えていたとき、周りの方が積極的にサポートしてくれましたし、プロデューサーにも相談しながら、1つの施策として形にすることができました。

f4samuraiのメンバーは経験年数に関わらず真剣に意見を聞いてくれて、一緒に考えてくれるんです。そうして、みんなでユーザーのみなさまに響く何かを作り上げられる。これが本当にうれしいんですよね。

ーー:f4samuraiのチーム力を感じるエピソードですね。企画の発案やアイディア出しはコンテンツプランナーからというのが多いのでしょうか?

そんなことは全然なくて、シナリオライターやイラストレーターからの発案もありますし、他プロジェクトだともっと別角度からの提案もあると思います。

私の関わっている範囲で例を挙げると、登場させたいキャラクターがいて、そのキャラクターを中心としたシナリオから企画が始まったり、キャンプの衣装を着せたイラストがあって、それを元にキャンプのイベントが組み立てられたりといった感じです。

ーー:セクションや職種関係なく提案ができるというのは面白いですね。

そうですね! コンテンツプランナーとしては自分から提案できる面白さもありますが、誰からのどんな意見であっても、多くの関係者に相談したり、みんなでアイディアを出し合って形にしていけるのがやりがいだと思います。

しっかり会議という感じだけでなくて、隣の席同士で雑談的に話すことも多いですし、その過程で別の人からまた新しいアイディアが出てくることもあります。

周りとコミュニケーションを取りながら一人では作れないものを作って行けるというのがコンテンツプランナーという仕事の楽しさだと思います。

経験を”企画力”に変える コンテンツプランナーに向いている人とは?

ーー:これまでの経験やスキルの中で、現在の業務に生きているなと思うものはありますか?

何かと何かを組み合わせて新たな価値を見出す「発想力」は付けていてよかったと思います。前職では扱う作品によって、お客様の好きな分野やデザインの方向性、喜ばれるアイテムなどが違っていたので、基本のグッズ制作にこの作品はAの方向で付加価値をつけよう、あの作品はBの方向に工夫してみようといった考え方をしていました。

現在の仕事に置き換えると、シナリオライターさんたちから上がってきたアイディアを元に「こうしたらもっと面白くなるんじゃないか?」というアイディア出しや提案の際に役立っているなと感じることが多いですね。

あと、イベントタイトルや衣装名を考えるときにも、グッズ名を考えていた経験が生きているなと思います。前職は、会社の方針でひと捻り加えた印象に残るようなグッズ名を付けることになっていたので、缶バッチ一つとっても、作品と掛け合わせた名称などをよく考えていました。ちょっとしたところではあるのですが、そのときの考え方や発想は現在も生きているなと感じます。

ーー:Natsuさんが思う、f4samuraiのコンテンツプランナーになるために特にあるといい経験や、向いていると思うタイプはありますか?

人や物事と粘り強く付き合える力は特に大切だと思います。例えば、納期が間に合わないなどのスケジュール管理・対応は、経験があってよかったと感じていることの一つです。

どんな仕事でも納期がずれ込むことはあると思うのですが、そうなったときに「納期は納期なんだから間に合わせてください」と押し通すのではなく、空いてしまった時間をどう埋めるのか、スケジュールがずれるなら別のところを調整して影響を最小限にできないかなど、広い視野と柔軟な思考を持っている方は活躍できる職種だと思います。

まずは間に合わせるように進めることが前提ではあるものの、いざそうなったとき冷静に対処できる対応力や関係各所との交渉力、調整力はコンテンツプランナーに求められる部分だと感じますね。

あとは、“コンテンツ”プランナーという名前の通り、作品に関する情報や知識が必要な仕事でもあるので、多くの情報をキャッチアップできることも大切だと思います。その情報も、一つのことを深くというよりは、類似の情報やトレンドなど幅広く知っているほうがブレストのときに役立ちますし、アイディアをひらめくきっかけになるので、情報に対して広くアンテナを張れる方はより向いていると思います。

“任せたい存在”になるために 描くこれからのキャリア

ーー:f4samuraiの好きなところを教えてください。

チームとしての動きはありますが、基本的には自分のペースで働けることが大きな魅力ですね。マイペースに働けるというよりは、オンとオフの切り替えがしっかりできる職場だと思っていて、詰めるところはきっちりみんなで詰める。でも、ちょっと雑談してもいいような緩やかな空気もあって、そこが心地いいです。

全体の雰囲気もすごく和気あいあいとしているので、提案がしやすい環境なのも魅力だと思います。もちろん意見が否定されることもありますが、頭ごなしにではなく「こういう理由で難しいかもね」とちゃんと考えた上でのフィードバックをもらえます。

プロデューサーをはじめ、みんな真剣に向き合ってくれるので、建設的な議論ができている実感があります。「こういうことやってみたい」という声に対して、ちゃんとリアクションが返ってきますし、「こういうアイディアも面白そうだよね」という反応が返ってくることもあって、それがとてもありがたい環境だなと思います。

あと、ウォーターサーバーやカフェスペースなどのオフィス環境もとても気に入っています!いつでも水が飲めるのはすごく助かりますし、月に1回バリスタデーが開催され、担当のメンバーがおいしいコーヒーを淹れてくれます。オフィス以外のリラックスできる空間で、自分のタイミングで人とつながれる場所があるというのがすごくいいなと感じています。

ーー:最後に、今後の目標や展望を教えてください。

個人的には、今の業務のクオリティをもっと上げていくことが第一の目標です。そして、自分の業務を後輩や他のメンバーにも任せられるように、後継者を育てていきたいという思いもあります。

現在担当しているようなイベントやシナリオに関する業務に加えて、今後はもっと領域を広げて「Natsuに任せれば、新しい機能や施策をうまく作ってくれるよね」と言ってもらえるようになりたいですね。将来的には、ゲームタイトル全体に関わる施策も任されるような、社内外で信頼される存在になっていきたいと思っています。

ーー:ありがとうございました!



他にも、f4samuraiではnoteおいても開発環境について発信している。気になる人は以下のnoteでチェックしてみよう。







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