【大手ゲーム第3四半期決算まとめ】6社中4社が営業増益 スマホゲーム・PCオンラインゲーム好調のスクエニとセガサミーが躍進 

家庭用ゲームソフト大手6社の9ヶ月決算(19年4~9月)の決算が出揃った。本業の儲けを示す営業利益が前年同期に比べてプラスとなったのは、6社中4社だった。カプコン<9697>やセガサミーHD<6460>、スクエニHD<9684>が大幅な増益を達成した一方、コナミホールディングス<9766>とコーエーテクモホールディングス<3635>が減益と明暗が分かれた。また、バンナムHD<7832>は売上・営業利益ともに僅かな増加にとどまった。

このなかでも目立ったのは、スクエニHDだ。『ドラゴンクエストウォーク』や『ロマンシング サガ リ・ユニバース』など、同社の保有する有力IP(知的財産権)を活用したスマホゲームが大ヒットしたほか、MMORPGが業績拡大をけん引した。また、セガサミーHDも主力の遊技機事業の伸びとともに、PCオンラインゲーム・スマートフォンゲームの収益改善が利益拡大の大きな要因となった。

スマホゲーム市場の成熟化が進むとともに、ゲームユーザーから幅広く認知されているIPを持ち、そして、"失敗できる"経営体力をもつ大手家庭用ゲーム会社がモバイルゲームの会社と組みながらチャレンジを続けて成果を出している。また、コーエーテクモのように、海外の会社にライセンス供与を行い、対価としてロイヤリティ収益を得て安定した利益を生み出す源泉とすることもケースもある。

また、異色の強さを見せているのがカプコンだろう。『モンスターハンターワールド:アイスボーン』のダウンロード販売を伸ばしたほか、採算性の高いリピート販売を伸ばしていった。この結果、13%の減収と売り上げを落としたものの、営業利益は37%増と大幅な伸びとなった。

 
※コナミHDのみ経常利益は税引前利益。
※1億円以下は四捨五入。


■コーエーテクモホールディングス<3635>
売上高266億7600万円(前年同期比0.5%減)、営業利益64億2900万円(同9.5%減)だった。主力のゲーム事業では、パッケージ分野の売上が低下する一方、同社がIPを許諾したスマートフォンゲームが好調。『三国志・战略版』に加え、『新三國志』も引き続き順調に推移しロイヤリティ収入が伸長した。第3四半期まで営業利益は前年を下回って推移しているが、第4四半期に大型タイトルの発売を予定しているうえ、ロイヤリティも好調に推移しているため、 通期計画に対して順調に進捗しているという。

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■セガサミーホールディングス<6460>
売上高2808億円(前年同期比12.2%増)、営業利益280億円(同135.4%増)だった。遊技機事業の収益が大きく回復し、ゲーム事業もスマホゲームの採算性が改善した。PCオンライン・スマホゲームの営業利益は75億円となり、前年同期の27億円の赤字から大幅な黒字転換を果たした。『プロサッカークラブをつくろう! ロード・トゥ・ワールド』と『北斗の拳 LEGENDS ReVIVE』が好調だったことに加えて、前期に行った減損処理で費用負担が軽減した。また、タイトル譲渡に伴う収益計上も利益水準を押し上げた。

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■バンダイナムコホールディングス<7832>
売上高5325億円(前年同期比0.7%増)、営業利益720億円(同3.2%増)だった。国内外のハイターゲット層(大人層)に向けた商品が人気となったトイホビー事業が好調に推移したほか、各事業の主力IP商品・サービスが安定的に推移した。ゲーム事業を見ると、スマートフォンゲームの売上が4.2%減の1458億円と低下する一方、家庭用ゲームソフトは同2.6%増の675億円と伸びた。「DRAGON BALL」シリーズや「ワンピース」、国内の「アイドルマスター」シリーズなどの主力タイトルが安定的に推移したという。

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■スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>
売上高1897億円(前年同期比4.4%増)、営業利益277億円(同124.3%増)と大幅な増益を達成した。ゲーム事業と出版事業の好調が目立った。ゲーム事業では、家庭用ゲームは赤字転落となったものの、スマホゲームとMMORPGが好調だった。『ロマンシング サガ リ・ユニバース』や『ドラゴンクエストウォーク』といったスマホゲームが貢献した。MMORPGについては、『ファイナルファンタジーXIV』と『ドラゴンクエストX』の拡張パッケージ発売とそれに伴う課金会員者数の増加が業績に寄与したという。

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■カプコン<9697>
売上高529億800万円(前年同期比13.6%減)、営業利益184億4800万円(同37.1%増)と大幅増益を達成した。家庭用ゲームがけん引した。とりわけ『モンスターハンターワールド:アイスボーン』(PS4、Xbox One用)が堅調に推移するとともに、採算性が高いダウンロード販売中心の事業展開により、収益アップのけん引役を果たした。『デビル メイ クライ 5』や『モンスターハンター:ワールド』などリピート販売も利益を押し上げた。アミューズメント施設とアミューズメント機器も好調だった。

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■コナミホールディングス<9766>
売上高及び営業収入1931億円(前年同期比0.2%増)、営業利益240億円(同39.2%減)だった。スポーツ事業で固定資産の減損損失を計上したことに加えて、新技術対応のための先行投資が響いた。「コナミクリエイティブセンター銀座」への移転に伴う費用も負担となった。ゲーム事業では、『遊戯王 デュエルリンクス』や『eFootball ウイニングイレブン 2020』(海外名『eFootball PES 2020』)、『プロ野球スピリッツA』などが好調に推移した。新作の開発費や研究開発投資を行ったことからゲーム事業は減益となった。

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株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
決算期
3月
直近業績
売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
企業データを見る
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
https://www.hd.square-enix.com/jpn/

会社情報

会社名
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
設立
1975年9月
代表者
代表取締役社長 桐生 隆司
決算期
3月
直近業績
売上高3563億4400万円、営業利益325億5800万円、経常利益415億4100万円、最終利益149億1200万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9684
企業データを見る
コナミグループ株式会社
http://www.konami.com/

会社情報

会社名
コナミグループ株式会社
設立
1973年3月
代表者
代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
決算期
3月
直近業績
売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
証券コード
9766
企業データを見る
コーエーテクモホールディングス株式会社
http://www.koeitecmo.co.jp/

会社情報

会社名
コーエーテクモホールディングス株式会社
設立
2009年4月
代表者
代表取締役会長 襟川 恵子/代表取締役社長 襟川 陽一
決算期
3月
直近業績
売上高845億8400万円、営業利益284億9400万円、経常利益457億4100万円、最終利益337億9200万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3635
企業データを見る
株式会社バンダイナムコホールディングス
http://www.bandainamco.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社バンダイナムコホールディングス
設立
2005年9月
代表者
代表取締役社長 川口 勝
決算期
3月
直近業績
売上高1兆502億1000万円、営業利益906億8200万円、経常利益1041億6400万円、最終利益1014億9300万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7832
企業データを見る
セガサミーホールディングス株式会社
http://www.segasammy.co.jp

会社情報

会社名
セガサミーホールディングス株式会社
設立
2004年10月
代表者
代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
決算期
3月
直近業績
売上高4678億9600万円、営業利益568億3600万円、経常利益597億7800万円、最終利益330億5500万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
6460
企業データを見る