【連載企画:f4samuraiマガジン⑰】“悔しさ”も“うれしさ”も自分の糧に…新卒2Dデザイナーがあゆんだ成長の日々

「世界に、“一番のワクワク”を届ける」をミッションとし、スマートフォン向けゲームの企画・開発・運営を行っているゲーム会社、f4samurai。

秋葉原に拠点を構える同社は、世界観の構築に強みを持ち、『オルタンシア・サーガ -蒼の騎士団-』(『オルサガ』)をはじめ、『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』(『マギレコ』)、『コードギアス 反逆のルルーシュ ロストストーリーズ』などを手掛け、いずれもヒット作として覚えている人も多いだろう。

そんなf4samuraiのゲーム開発はどのようにして行われているか。今回、gamebizでは、そんなf4samuraiの開発環境を、同社マスコットであるエフフォーくんと探る「f4samuraiマガジン」を特集掲載していく。同社がヒット作を輩出するその秘密について探ってみた。






皆さん、こんにちは! f4samurai・エフフォーくんです。

f4samuraiで活躍するメンバーにインタビューし、担当業務や仕事の価値観を掘り下げていく「わたしのあゆみ」シリーズ。

今回の社員インタビューでは、2021年新卒入社の2Dデザイナー・Mutouさんをご紹介します。

Mutouさんの入社の経緯や2Dデザイナーとしてぶつかった壁、2Dデザイナーという仕事の魅力などを語ってもらいました。

f4samurai入社までのあゆみ

ーー:まずは簡単に自己紹介をお願いします。

2021年新卒入社のMutouです。所属は入社当時からIPプロジェクトで、2Dデザイナーを担当しています。

ーー:就職活動中、ゲーム業界の他に検討していた業界はありましたか?

美術大学出身で、授業でUIデザインに触れる機会があり、将来はその道に進みたいと考えていました。そのため、就職活動中は業界を絞らず、ゲーム業界のほかにWebサービス企業など、UIデザインの仕事が必要な会社を広く見るようにしていましたね。ただ、当時は新卒採用でUIデザイナーという職種の募集は少なかったので、2Dデザイナーにも応募していました。

ーー:様々な会社を見ていく中で、最終的にゲーム業界に決めた理由を教えてください。

就職活動を進めていくうちに、仕事がこれからの生活の大半を占めるなということに気づいて、それなら長く向き合っていける仕事をしたいと思うようになりました。

幼い頃からゲームが好きでしたし、自分がやりたいこと、長く携わっていたいことはゲーム業界にあるのかもしれないと考えるようになって。チームで一緒にゲーム制作をしてみたいという想いもあったので、内定が出たときは夢を叶えたという感覚に近かったですね。

ーー:数あるゲーム会社の中でf4samuraiに入社を決めた理由はなんですか?

f4samuraiを知ったきっかけは会社説明会でした。登壇されていた社員のみなさんのお話や雰囲気がすごく穏やかで、いい意味で会社に対するイメージが変わりました。様々な企業の説明会に参加しましたが、そのうちに「会社」や「社会」に対してすごくカチッとしたイメージを持つようになり、少し気おくれしていた部分があったんです。

ですが、f4samuraiの説明会の雰囲気や実際の面接を通して、「変に畏まる必要はないんだ」と思うことができました。「ここでなら自分らしく楽しく働けそう」と感じたことが入社を決めた理由です。

チームに貢献したい気持ちが支えに
苦難を力に変えて成長した日々

ーー:2Dデザイナーの業務内容について詳しく教えてください。

2Dデザイナーチームでは、ゲーム内の2D素材全般の制作を手がけています。チーム内には「2Ⅾデザイナー」と「SDデザイナー」という2つのデザイナーが在籍しています。

2Dデザイナーは、ゲーム内で使用される2D素材の幅広い制作を担当しています。ストーリーパートに使用するアイテムやマップ・SDキャラクター(※)用の背景イラスト・ルーム機能で使用する家具制作などを主に担当しています。

※SDは「スーパーデフォルメ」の略称で、ゲーム内に登場する2~4頭身程度のキャラクターを指します。他に「ミニキャラ」「ちびキャラ」と呼ばれることもあります。

SDデザイナーは、SDキャラクターの制作業務に特化しています。バトル画面等で登場するSDキャラクターの描写・新規カードに合わせた衣装差分の制作・キャラクター用の武器などを制作しています。また、SDキャラクターには必ず動きがつくため、モーション担当と一緒にキャラクターの動きを確認することも業務の一環です。

▼参考記事(f4samurai公式noteより)
【お仕事紹介】2Dデザイナー(SDキャラクター)|1ピクセル単位でキャラクターの魅力を引き出す職人

イベントごとに制作物の内容が変わってきますし、そもそもアイテムとマップでは作業内容も全く異なっているので、本当に幅広く制作するチームだと思います。いろいろな制作ができることが楽しさでもありますね。

ーー:現在、Mutouさんはどのような業務をメインで行っているのでしょうか?

私は2Dデザインの業務がメインで、アイテム全般やカードフレームの制作を主に行っています。制作業務以外でいうと、制作した素材を本番環境にアップする作業などにも最近は携わらせてもらっています。

ーー:入社前まではUIデザイナー志望だったとのことですが、2Dデザインは少し畑が違うようにも感じます。そこに関しての葛藤はありましたか?

本当にその通りで、UIは導線やボタン等の配置を設計・デザインする仕事なので、素材を作り込んでいく2Dデザインとは業務内容が違っていて。ただ、「だから2Dデザインをやりたくない」とは思いませんでした。

志望していた業務とのギャップに戸惑いはありましたが、それ以上にチームに貢献したいという気持ちの方が大きかったので、「きちんと任せてもらえるまでがんばろう」という気持ちで業務に取り組んでいました。


ーー:業務的に難しかったこと、壁に感じたことは何かありましたか?

イラストのクオリティを上げていくことです。幼い頃からイラストへの関心は高かったですし、大学でデッサンなどイラストの基礎となる勉強はしていたものの、イラスト制作を本業とするほどのスキルが入社当時はありませんでした。

それを実感したのが、1年目で任されたアイテム制作のときでした。制作物に対して先輩からフィードバックをいただいたのですが、当時の私には制作を通してどのように反映すれば良いのか分かりませんでした。結局、最後まで作り切れず、先輩に制作を巻き取っていただく形になったのです。後日、先輩が制作したアイテムを見たときに「こうすればよかったのか」という納得するのと同時に、自分の力不足がすごく悔しかったのを今でも覚えています。

ーー:その後、どのようにスキルアップをしていったのでしょうか?

過去にリリースされていたテキストを何度も読み返したり、IPの元となる原作のモチーフを再度見直したりと、インプットにかなり注力した記憶があります。それまでもインプットはしていたつもりだったのですが、全然足りていなかったのだと気が付きましたね。

それからは、そのインプットをアウトプットしていくというのを繰り返し、知識や感覚を磨いていくことで2Ⅾ素材制作のスキルも徐々に上がっていったと思います。

ーー:その過程で、気持ち的につらいときもあったと思います。それはどう乗り切ったのでしょうか?

元々の性格的に、困難に当たったときは“やるしかない”という気持ちのスイッチが入りがちなので、フィードバックが多かったり、うまく制作できなかったりしても「全部糧にするぞ」という気持ちで乗り切っていました。

その性格自体は学生のときから変わってはいないものの、社会人になってからは単にそう思うだけでなく、“責任感”のようなものが上乗せされたように思います。制作したものに対するユーザーのみなさんの反応を見ていると、「お一人お一人にとって大切な作品を扱っているんだ」と感じるので、それに応えられるような仕事をしたいと思うようになりましたね。

キャラクターを引き立てる喜びとユーザーの声がくれるやりがい

ーー:様々な苦労や葛藤があった中で、逆に楽しさを感じた瞬間やうれしいと思った出来事はありますか?

ユーザーのみなさんに「私が作ったものを見ていただいているんだ」と実感できたときはとてもうれしかったです。ソーシャルゲームの醍醐味はやはり魅力的なキャラクターたちで、そのキャラクターたちが輝いてこそだと考えています。なので、私たちが作るアイテムなどは、キャラクターたちをより引き立たせるために添えるつもりで作っていました。

その気持ちは今も変わらないのですが、メインではないアイテムや家具のデザインを見てくださっているユーザーの方も多くて。自分が制作したアイテムにSNS等で言及してくださっているのを見るととてもうれしいですし、「自分たちの仕事が楽しんでもらえるものになっているんだ」と感動しました。

ーー:そういったうれしい気持ちはお仕事のやりがいにもなりそうですね。

そうですね! ユーザーのみなさんの声は日々の励みになっています。他にも、2Dデザインはキャラクターデザインがあってこその制作になるので、描く上での制約もありますが、その中で自分ができ得る限りの出力をすることもやりがいの1つです。自分にできる最大限で答える、それを日々少しずつでも更新していくことは、クリエイターとしてのやりがいに繋がっていると思います。

ーー:お仕事をする上で大切にしていることや意識していることはありますか?

当然といえば当然なのですが、作品もキャラクターも大事にすることは日頃からすごく考えています。直接シナリオやキャラクターイラストを描く仕事ではないですが、作品を彩る一部として、メインコンテンツに添えられていて納得のいく制作をしたいなと。そういった責任と自覚を持って取り組むようにしています。

”誰かの支えになる存在に” 後輩を思う気持ちの原点

ーー:Mutouさんは新卒の先輩として、23卒以降の後輩のみなさんの指導にも携わっていると聞きました。本業とは異なる業務だとは思いますが、どのような想いがあって取り組んでいるのでしょうか?

想いの原点としては、私が1年目のときに感じた気持ちがあります。入社したときはちょうどコロナ禍で、入社直後からリモートワークでした。

対面であれば雑談やちょっとした相談などもしやすかったのですが、テキストコミュニケーションで自分から会話をどう広げたらいいのか分からず、難しさを感じていました。常にそわそわしているような日々が続き、「これでいいんだろうか」と不安がずっと頭の中にあったように思います。

ーー:当時は環境の変化に戸惑った方が多かったですし、新卒だったMutouさんであればなおさら不安でしたよね。

そうですね。ただ、業務そのものにやりがいを感じていたことはもちろん、リモートワークであっても先輩方が丁寧にフィードバックをくださっていたことが本当に支えになっていました。当時は自分のことで手一杯でしたが、「ちゃんと見てくれている」「支えようとしてくれている」ことが安心感につながりました。

そうした、自分が新卒だった頃の経験は、これから何十年と働いていく中で、何度も思い返すことになるんじゃないかなと思っています。今は後輩や新卒の子たちと接するときに「自分があのときどう感じていたか」をよく思い出しますね。

あの頃の自分と同じように、何か不安を感じていたり、居場所がつかめていなかったりする子たちにとって、自分の存在や考え方が1つの“支え”になったら嬉しいです。「こういう先輩もいるんだな」「こういう考え方もあっていいんだな」と思ってもらえるだけでもすごく大きなことなんじゃないかなと。

ーー:苦しい時期を乗り越えてきたからこそ、今の新卒のみなさんの気持ちになって接することができているんですね

今の新卒のみんなが「少しでも気持ちをわかってくれる」と思ってくれていたらうれしいですね。とはいえ、やっぱり気持ち的にどうしてもつらいときはあったのですが、そんなときは同期の存在が励みになりました。みんなやっぱり同じようなことで悩んでいましたし、同期の奮闘する姿を見て、自分もがんばろうと思うことができました。

信頼に応え続ける2Dデザイナーへ 今後の目標とメッセージ

ーー:f4samuraiの好きなところを教えてください。

まず、先輩方にすごく相談しやすいところです。年齢や経験に関係なく、きちんと話を聞いて真摯に向き合ってくださった上でアドバイスをいただけるので、安心して相談することができます。

あとは、一人ひとりが限られた時間の中でも「少しでも良いものにしたい」という気持ちで動いているところが魅力的だなと思います。その環境の中にいることで、自分もがんばろうと思えますし、そういった周りの姿にすごく刺激をもらっています。

ーー:これからf4samuraiに入社を検討している方もいると思います。そんな方々へのメッセージをお願いします。

f4samuraiはものづくりに熱心な人を本当に応援してくれる会社ですし、それは私がこの会社を好きな理由の1つでもあります。自分の得意分野を活かしたい人や、真剣にものづくりに取り組める場所を探している人にはとても合っているのではないかと思います。

あとは、やっぱりチームでものづくりを楽しめる人にはぴったりの環境だと感じますね。制作自体はほとんど個人でやることになりますが、全体の流れで見るとみんなで意見を出し合って一つのものを作り上げていくというのが根底にあります。なので、「みんなでいいものを作りたい」という想いの方は職種関係なく活躍できるんじゃないかなと。

2Dデザイナーに関してでいうと、IP作品の制作が多いので、IPならではの面白さや魅力を引き出すことにやりがいを見出せる方は特に向いている気がします。制作の幅も広いので、いろいろな制作にチャレンジしたいという方は楽しく働ける環境だと思います!

ーー:最後に、今後の目標を教えてください。

新卒の頃からずっと「Mutouに任せておけば大丈夫」と思ってもらえるようになりたい、というのが目標でした。今は、少しずつ任せてもらえることも増えて、チームに貢献できている実感も得られるようになってきています。その分、丁寧な仕事を続けていきたいという気持ちも強くなっているので、小さなミスも見逃さず、周りからの信頼に応え続けられるようにがんばっていきたいです。

ーー:ありがとうございました!



他にも、f4samuraiではnoteにおいても開発環境について発信している。気になる人は以下のnoteでチェックしてみよう。







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