ゲームソフト大手の第3四半期決算が出揃う スマホゲーム好調のバンナム、コナミ、セガサミーは増益 明暗分かれるも全体としては良好
家庭用ゲームソフト大手6社の2016年4~12月期決算が出揃った。本業の儲けを示す営業利益が前年同期に比べてプラスとなったのは、6社中3社だった。増益となったコナミホールディングス<9766>やセガサミーホールディングス<6460>、バンダイナムコホールディングス<7832>だが、いずれも家庭用ゲームソフトなど主力事業が収益を伸ばしつつも、スマートフォンゲームの収益も大きく寄与した。
他方、減益となったカプコン<9697>は、「バイオハザード7 レジデント イービル」と「モンスターハンターダブルクロス」というパッケージソフトの販売を第4四半期に控えている。コーエーテクモホールディングス<3635>も品質向上を図るため、複数のタイトルの発売時期を第4四半期以降に延期し、その開発費が先行した計上されたもの。いわば先行投資によるものであった。
スクウェア・エニックス・ホールディングスについては、パッケージソフトとスマホゲームはいずれも増収増益だったものの、前年同期に計上された、MMOゲームの拡張ディスクの販売が今期はなかったことによる反動減が響いた。その意味で、減益となった会社も製品やサービスの売上が低下したことによる減益ではなく、決算の内容自体は決して悪いものではないように見える。
【大手ゲーム会社の第3四半期の決算】
大手ゲーム6社の売上高と営業利益を一覧にしたのが以下のグラフとなる。バンダイナムコホールディングスが売上高、営業利益ともに他社を圧倒している。
各社の状況は以下のとおり。
■カプコン<9697>
売上高535億円(前年同期比6.2%減)、営業利益51億円(同51.7%減)だった。前年同期に大ヒットした「モンスターハンタークロス」の反動減があったことにより、大幅な減益となった。第4四半期(1~3月)には、カプコンの二枚看板タイトル「バイオハザード7 レジデント イービル」と「モンスターハンターダブルクロス」のパッケージソフトを発売する予定で、この2タイトルで本格的な攻勢をかけていく方針。
【関連記事】
・カプコン、第3四半期は営業益51%減の51億円 「モンハンクロス」の反動減で 「バイオ7」と「モンハンダブルクロス」で本格攻勢へ
■コーエーテクモホールディングス<3635>
売上高241億円(前年同期比7.3%増)、営業利益34億円(同11.1%減)だった。新作タイトルのさらなる品質向上を図るため、複数のタイトルの発売時期を延期し、第4四半期以降に発売を予定しているタイトルの開発費が先行して発生したことが響いた。「100万人シリーズ」や『Winning Post スタリオン』などのスマートフォンゲームが堅調に推移したほか、ネクソン・コリアの配信する『三國志曹操伝 Online』が韓国セールスランキングでGoogle Play5位、App Store6位に入った。
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・コーエーテクモHD、第3四半期は営業益11%減の34億円…複数タイトルの発売延期と新作の開発費の先行計上で
■コナミホールディングス<9766>
売上高1639億円(前年同期比8.5%減)、営業利益295億円(同69.8%増)だった。『遊戯王 デュエルリンクス』と『実況パワフルサッカー』が好調に推移したほか、『実況パワフルプロ野球』や『プロ野球スピリッツA(エース)』をはじめとするモバイルゲームが引き続き堅調に推移したことに加え、健康サービス事業で、施設運営の品質改善とともに効率化を進めたことも寄与した。
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・コナミHD、17年3月期の連結業績予想を上方修正…営業益は250億円→360億円に上ブレ 『遊戯王』『パワサカ』も好発進のモバイルゲームが好調
■セガサミーホールディングス<6460>
売上高2857億円(前年同期比16.6%増)、営業利益350億円(同2.8倍)だった。、主力タイトル「パチスロ北斗の拳 修羅の国篇」や「パチスロ犬夜叉」などパチスロ遊技機の販売が伸びたほか、『オルタンシア・サーガ -蒼の騎士団-』『ぷよぷよ!!クエスト』『チェインクロニクル3』など既存のスマートフォン向けゲームが好調に推移した。『艦これアーケード』を展開するアミューズメント機器や、パッケージソフトの販売も堅調に推移した。
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■スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>
売上高1900億円(前年同期比24.4%増)、営業利益214億円(同9.7%減)だった。主力のデジタルエンタテインメント事業が減益となったほか、アミューズメント、出版も減益だった。『ファイナルファンタジーXV』や『RISE OF THE TOMB RAIDER』、過去の販売タイトルのリピートに加え、『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』『星のドラゴンクエスト』『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』が高水準に推移し、家庭用とスマホゲームは増収増益だった。ただ、オンラインゲームは、前年同期に計上された拡張ディスクの販売が今期はなかったことによる反動減が影響した。
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■バンダイナムコホールディングス<7832>
売上高4591億円(前年同期比8.0%増)、営業利益616億円(同32.9%増)だった。玩具を展開するトイホビーは減収減益だったが、スマートフォンゲームを中心とするネットワークコンテンツが大きく伸びた。『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』などの国内の既存主力タイトルが安定した人気となったことに加え、海外は『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』がヒットした。
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・バンナムHD、「妖怪ウォッチ」関連の3Q売上高は70%減の89億円 「ドラゴンボール」が『ドッカンバトル』などの貢献で大きく伸長 「ここたま」が初登場
他方、減益となったカプコン<9697>は、「バイオハザード7 レジデント イービル」と「モンスターハンターダブルクロス」というパッケージソフトの販売を第4四半期に控えている。コーエーテクモホールディングス<3635>も品質向上を図るため、複数のタイトルの発売時期を第4四半期以降に延期し、その開発費が先行した計上されたもの。いわば先行投資によるものであった。
スクウェア・エニックス・ホールディングスについては、パッケージソフトとスマホゲームはいずれも増収増益だったものの、前年同期に計上された、MMOゲームの拡張ディスクの販売が今期はなかったことによる反動減が響いた。その意味で、減益となった会社も製品やサービスの売上が低下したことによる減益ではなく、決算の内容自体は決して悪いものではないように見える。
【大手ゲーム会社の第3四半期の決算】
大手ゲーム6社の売上高と営業利益を一覧にしたのが以下のグラフとなる。バンダイナムコホールディングスが売上高、営業利益ともに他社を圧倒している。
各社の状況は以下のとおり。
■カプコン<9697>
売上高535億円(前年同期比6.2%減)、営業利益51億円(同51.7%減)だった。前年同期に大ヒットした「モンスターハンタークロス」の反動減があったことにより、大幅な減益となった。第4四半期(1~3月)には、カプコンの二枚看板タイトル「バイオハザード7 レジデント イービル」と「モンスターハンターダブルクロス」のパッケージソフトを発売する予定で、この2タイトルで本格的な攻勢をかけていく方針。
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■コーエーテクモホールディングス<3635>
売上高241億円(前年同期比7.3%増)、営業利益34億円(同11.1%減)だった。新作タイトルのさらなる品質向上を図るため、複数のタイトルの発売時期を延期し、第4四半期以降に発売を予定しているタイトルの開発費が先行して発生したことが響いた。「100万人シリーズ」や『Winning Post スタリオン』などのスマートフォンゲームが堅調に推移したほか、ネクソン・コリアの配信する『三國志曹操伝 Online』が韓国セールスランキングでGoogle Play5位、App Store6位に入った。
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■コナミホールディングス<9766>
売上高1639億円(前年同期比8.5%減)、営業利益295億円(同69.8%増)だった。『遊戯王 デュエルリンクス』と『実況パワフルサッカー』が好調に推移したほか、『実況パワフルプロ野球』や『プロ野球スピリッツA(エース)』をはじめとするモバイルゲームが引き続き堅調に推移したことに加え、健康サービス事業で、施設運営の品質改善とともに効率化を進めたことも寄与した。
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■セガサミーホールディングス<6460>
売上高2857億円(前年同期比16.6%増)、営業利益350億円(同2.8倍)だった。、主力タイトル「パチスロ北斗の拳 修羅の国篇」や「パチスロ犬夜叉」などパチスロ遊技機の販売が伸びたほか、『オルタンシア・サーガ -蒼の騎士団-』『ぷよぷよ!!クエスト』『チェインクロニクル3』など既存のスマートフォン向けゲームが好調に推移した。『艦これアーケード』を展開するアミューズメント機器や、パッケージソフトの販売も堅調に推移した。
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■スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>
売上高1900億円(前年同期比24.4%増)、営業利益214億円(同9.7%減)だった。主力のデジタルエンタテインメント事業が減益となったほか、アミューズメント、出版も減益だった。『ファイナルファンタジーXV』や『RISE OF THE TOMB RAIDER』、過去の販売タイトルのリピートに加え、『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』『星のドラゴンクエスト』『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』が高水準に推移し、家庭用とスマホゲームは増収増益だった。ただ、オンラインゲームは、前年同期に計上された拡張ディスクの販売が今期はなかったことによる反動減が影響した。
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■バンダイナムコホールディングス<7832>
売上高4591億円(前年同期比8.0%増)、営業利益616億円(同32.9%増)だった。玩具を展開するトイホビーは減収減益だったが、スマートフォンゲームを中心とするネットワークコンテンツが大きく伸びた。『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』などの国内の既存主力タイトルが安定した人気となったことに加え、海外は『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』がヒットした。
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・バンナムHD、ネットワークコンテンツの3Q売上高が55%増の1123億円と大幅増 四半期ベースで初の400億円 『デレステ』『ドッカンバトル』貢献
・バンナムHD、「妖怪ウォッチ」関連の3Q売上高は70%減の89億円 「ドラゴンボール」が『ドッカンバトル』などの貢献で大きく伸長 「ここたま」が初登場
会社情報
- 会社名
- 株式会社カプコン
- 設立
- 1983年6月
- 代表者
- 代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9697
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
- 設立
- 1975年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3563億4400万円、営業利益325億5800万円、経常利益415億4100万円、最終利益149億1200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9684
会社情報
- 会社名
- コナミグループ株式会社
- 設立
- 1973年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
- 証券コード
- 9766
会社情報
- 会社名
- コーエーテクモホールディングス株式会社
- 設立
- 2009年4月
- 代表者
- 代表取締役会長 襟川 恵子/代表取締役社長 襟川 陽一
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高845億8400万円、営業利益284億9400万円、経常利益457億4100万円、最終利益337億9200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3635
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンダイナムコホールディングス
- 設立
- 2005年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 川口 勝
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1兆502億1000万円、営業利益906億8200万円、経常利益1041億6400万円、最終利益1014億9300万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7832
会社情報
- 会社名
- セガサミーホールディングス株式会社
- 設立
- 2004年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高4678億9600万円、営業利益568億3600万円、経常利益597億7800万円、最終利益330億5500万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 6460