【連載】★スマホesports★戦の時間だバカ野郎! 第25戦「ももち選手が賞金を満額もらえなかったのはなぜなのか?」
お疲れ様です。板垣です。
さてさて、表題の件ですが、いろんな論争を呼んでいますね。
よく分からないですよねぇ、難しくて。
誰かちゃんと教えて欲しい。
かなり危ういんですが、私なりに「こんな感じなんじゃないの?」というザックリした予想をメモしておこうかと思います。
全然違ってたら、マジでゴメン。
● 起きた現象まとめ
とりあえず、起きてた現象をまとめます。
・プロゲーマーももち選手が、昨年末のカプコンカップで入賞したが、賞金を満額受け取れなかったらしい。
・獲得賞金は50万円で、払われた賞金は10万円だったらしい。
・なので、全額受け取っている人と、受け取っていない人がいることに。
それはなぜ!? 誰のせいなの!? という感じで、論争を呼んでいるわけです。
そんな感じの話ですよね。
● 事実のまとめ羅列、整理
続いて大会についての整理をしておきますと、
・カプコンカップは、カプコンUSAが主催。
・カプコンUSAは、カプコンの100%子会社。
・ストリートファイターVは、カプコンのゲーム。
・自社ゲームで賞金大会を開くってことになるから、「景品規制」に該当する可能性がある
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/premium_regulation/
・したがって、景品表示法にも気を付けないといけない。
・その場合、ゲームソフトの購入金額やアーケードの課金とか踏まえ、MAX賞金は10万円になるのか?
・EVO Japanのように、カプコンとは関係ない第三者が主催だったら、この話は起きていなかった可能性がある。
って感じの流れになると思います。
● その上で、もらえる人ともらえない人がいた
その上で、賞金を満額もらった人と、満額もらえなかった人がいたという話になっているように見えます。そこのライン引きが、どうやら「プロライセンスを持っていたかどうか」という点にあったように見えます。
プロライセンスの建付けやロジックに関しては、諸説あるので、あえてここでは論じませんが、本当にザックリ言うと、「ライセンスを持ってると、上記に該当するような時でも、賞金を受け取ることができる」という話になるようです。
で、プロライセンスを発行しているのが、JeSU(一般社団法人日本eスポーツ連合)という団体ですので、色々話にあがってきていると…そういう状況なんだろうなぁと理解しています。
JeSUとしては、「プロライセンスを所持してくれれば賞金は払えます」という立場ですが、選手側としては、「現状、正しく理解できていないので、所持していいのかどうか分からない」と考えて躊躇している人もいます。
JeSUの方々と話をした時に、「選手やコミュニティの方達を蔑ろにするようなつもりは一切ない、一緒に盛り上げていきたい」という話をされていたので、その思いは信じて良いと思います。
ただ今回、実際に、本来もらえるはずの賞金をもらえないケースが出て来ているので、JeSUの中の人たちは、「はやく、選手やコミュニティに認めてもらえるような団体を目指さなければ」と考えているんじゃないかなと推測しています。
賞金大会で入賞したのに賞金がもらえない、なんて話は、全然直感的じゃないもんなぁ。
…と、そんな流れが、今回の話だったんじゃないかと。
● 以下、個人見解
Q.【なんでプロライセンス取りたくない選手がいるの?】
選手としては、概念は理解しつつも、建付けやロジックまで自分で理解しないと信用できない、取得に踏み切れない、という話なんだろうと思います。
まぁ、そりゃそうだよねと。
実際、100%正しく把握してる人ってどれだけいるんだろう? 私は、自信ないなぁ。
性善説に基づいて進んでる所もある気がしてるので、今後の話し合いといいますか、歩み寄りや制度への理解を深めてもらうことが結構大事になってくると思います。
Q.【誰かが賞金をピンハネしてるんじゃないの?】
たぶん、ピンハネとかそういう類の話ではない気がします。「カプコン側としては払いたいけど10万円までしか払えなかった」というのが正解なんじゃないかなぁ? なので、50万円のうち、差額の40万円は、カプコン側でそのままストップしているのではないかと推測しています。
Q.【本当にプロライセンスがないと賞金受け取れないの?】
カプコンカップの場合は、そういうケースに該当したんだろうなとは思いますが、建付けやロジックによっては、支払うことができる方法があるのも事実ですよね。個人的には、何かしらの方法で賞金が選手の元に渡って欲しいなと思います。
Q.【でも、今まで普通に支払われてなかったっけ?】
そうなんです。支払われていました。たぶん、割と業界全体のナレッジが増えてきたことにより、今まで意識されてなかったことが意識されるようになったことが背景にあるようです。そして徐々に整理されるようになってきた結果、今回の話になったんだろうなぁと。
● シンプルな話
選手も、コミュニティも、JeSUも、結局全員が、ゲームコミュニティ全体を活性化させたいと思ってることは間違いないわけです。
本質的には向いてる方向は同じはずなので、なんとか上手く進んで欲しいなと、思いますよねぇ。
ゲームをプレイする人、見る人、作る人、売る人、大会を主催する人、運営する人。
それぞれ誰かが誰かを出し抜くというよりは、全員が幸せになる方向性でモノことを考えた方が結果的に上手くいく時代になってきている気がします。まぁ、上手くやっていこうぜ!
という感じで、今回は締めたいと思います。
はぁ、色々、頑張ろ。
【過去記事アーカイブ】
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■第23戦「日本と韓国とesportsと!」
■第22戦「EVO2018に行ってきたよ!」
■第21戦「ファイトクラブで体験した、人間模様とドラマ」
■第20戦「クラロワリーグに参戦するぞー!」
■第19戦「ゲームのプロライセンスに関して」
■第18戦「CanadaCup2017を通して、思ったこと」
■第17戦「東京ゲームショウ2017に行って思ったこと」
■第16戦「プロゲーマーのセカンドキャリアに関して」
■第15戦「フランスのESWCに参加してきた!」
■第14戦「社内でガチの大会やってみたら、どうなるか?」
■第13戦「esportsの、本質的な価値って何だろう」
■第12戦「プロゲーマーに関して」
■第11戦「闘会議2017に行ってきた」
■第10戦「e-sportsの賞金大会に関する謎!!」
■第9戦「G-Starに行ってきた。~韓国はe-sports先進国~」
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■第7戦「今更だけど、東京ゲームショウに行った時の話」
■第6戦「テクノスポーツを体験してきました!」
■第5戦「e-sports大会のRAGEに行ってきた!」
■第4戦「ポケモンGOをe-sports化したらどうなる?」
■第3戦「ゲーム内に大会機能を同梱するのは、e-sports化の近道??」
■第2戦「『にゃんこ大戦争』を、もしe-sports化しようとしたら、どうなる??」
■第1戦「『クラッシュ・ロワイヤル』はe-sportsタイトルとなりえるのか?」
●著者紹介
著者
板垣護
ヤルキマントッキーズ株式会社、CEO。
最近の一言
「今年も色々頑張るぞ!」