【連載】中山淳雄の「推しもオタクもグローバル」 NCC編第4回 五十川舞香―シルク・ド・ソレイユのパフォーマーがスタンフォードとマイクロソフトを経て始めたサイバーセキュリティ会社Webacy

中山淳雄 エンタメ社会学者&Re entertainment社長
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デジタルガレージ(DG)社は1997年価格コム、2005年食べログとWeb1.0、2.0時代を乗り越えてきたインターネット企業で、2013年からサンフランシスコでインキュベーションセンター「DG717」を運営している。今回6/14に第22回目となるNCC(THE NEW CONTEXT CONFERENCE)カンファレンスは、過去最大の1500名もの参加者を数えた。なぜなら「web3 Summer Gathering 〜未来からのテクノロジーの波をサーフしろ〜」と、web3、DAO、NFT、暗号通貨をテーマとするものであったからだ。この領域は「English speaking Community」が主導している。すなわち米国を中心としたコミュニティである。DG社取締役でもある伊藤穰一氏は言わずと知れた元MITメディアラボ所長であり、孫正義氏にYahoo!を紹介したエピソードから始まる様々な伝説や広い交友関係で知られる。過去はWikipedia、Linkedin、Twitterの創業者を直に呼んでくる豪華なDGカンファレンス、本ステージも彼を中心とする米国のweb3.0サービスの先駆者たちを呼んでのパネルディスカッションが行われた。

今回はその1人、五十川舞香氏に個別インタビューを行った。


■ストーリー共感が肝。インフルエンサーに取り上げられた瞬間1万体即完のシンデレラストーリー
――:自己紹介からお願いしてよろしいでしょうか?

五十川舞香と申します。5歳のときに父の仕事でミネソタ州に移ってから米国で育っていて、昔からAcrobaticなどの体操をしていたこともあって、2014~17年はシルクドソレイユのパフォーマーとして活動しておりました。オーストラリアやラスベガスなどまわりながら、『トーテム』を日本で公演していた時代もあって、当時お台場や大阪・名古屋と週に10回くらいの公演をこなしていたのでご覧になっている方もいらっしゃるかもしれません。

そこからStanford大学に戻って、2年間のなかでZipcarなど複数のベンチャーでインターンをしてから、マイクロソフトでエンジニアとして働きはじめて、Webacyという会社を2021年8月に立ち上げました。


――:起業にあたって、シルクドソレイユやマイクロソフトの経験がもとになっているのでしょうか?

スタンフォード時代にインターンでやっていたことのほうが大きく影響していると思います。頭がいい人が多く、インスパイアされる機会が多かったです。もちろん技術的には私の最初のフルタイム従業員の経験にもなったマイクロソフト(MS)の経験が生きてますが(行政系のシステムの仕事をしていた)、MSではやっていることは大きいのですがなかなか自分自身が出せるImpactの実感が薄いところがあり、ベンチャーで自分で立ち上げる道を選びました。

シルクドソレイユが現在につながっている、ということもあまりないですね。強いて言えば、厳しいトレーニングをしていたのでその分タフになれた、というところ、そしてエンターテイメント業界に身を置いたことで、現在のフィールドに近い経験値を積めたというところかと思います。


――:Microsoft時代から起業準備をはじめていたのでしょうか?

はい、思いついてから仕事外の時間にWebacyのサービスを作りはじめて、深夜から早朝まで働いていたときに、こっちの仕事のほうがExcitedに進められると思い、起業しています。慣れない法人設立作業など苦労したこともありますが、友人たちが手伝ってくれて、なんとか現在のところまでやってきました。


――:Webacyについてご説明いただいてもよろしいでしょうか?

いとこが若くして亡くなったときにデジタル資産がアクセスできなくなって喪失しまったことをきっかけに、サイバーセキュリティの必要を実感して起業しました。現在暗号通貨の保存にはKeyやパスワードがないといけませんが、そこをPreapproval Smart Contractといって、自分で最初にたてたルールにそってアクセスの仕方や資産の移転が自動的にできるようにするサービスです。自分になにかあったときには家族に自動的に資産が移転されるなどのインフラになっています。


――:ビジネスモデルはどんな形なのでしょうか?現在のユーザーはどのくらいいらっしゃるのですか?

最初は無料ですが、サブスクモデルUpdateの際にグレードアップするときに例えば0.1ETH(現在約1.5万円)を支払って、使える機能を拡張させるという仕組みです。現在はまだβ版ですので100名ほどのユーザーがおりますが、これを1万ユーザーまで開放しようとしております。

現在のテストユーザーとなっている方々はやはり高額なNFTもっている人が多いですね。Crypto Securityが必要な人たちですし、やはりこういったサービスが必要なんだなと実感しております。


――:スマートコントラクトを使って、18歳になったらアカウントが開く学資保険みたいな使い方や、クラッキングされたら別のアカウントに自動的に移すとか、離婚した時に自動的にお互いの資産にクリーンナップするとか、そういったサービスということで理解しました。事業サイズはどのくらいでしょうか?資金調達もしておりますか?

現在6名のフルタイム社員がいて、シリーズC(A、Bですでに2回資金調達はしている)です。従業員も募集中なので、興味ある方はぜひ応募してほしいです。特にエンジニアを募集しています。


――:web3業界について、特にマイクロソフトのような大企業はどう反応しているのでしょうか?皆さん、自分もそろそろ自分たちも何かしないとと思っている状況ではないでしょうか?

まだマイクロソフトの同僚だと、そんなにいないです。皆、もらっている給与も高いですし、捨てるものが大きいので、いきなりweb3の業界に入ってくるような友人はどちらかというとスタンフォード時代やベンチャー企業の人がほとんどですね。

 

 

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第4回 五十川舞香―シルク・ド・ソレイユのパフォーマーがスタンフォードとマイクロソフトを経て始めたサイバーセキュリティ会社Webacy(当記事)

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