【大手ゲーム中間決算まとめ】6社中4社が営業増益…スマホゲームとMMO好調のスクエニとセガサミー、モンハン好調のカプコンが大幅増
家庭用ゲームソフト大手6社の中間決算(4~9月)の決算が出揃った。本業の儲けを示す営業利益が前年同期に比べてプラスとなったのは、6社中4社だった。
カプコン<9697>やセガサミーホールディング<6460>、スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>、セガサミーホールディングス<6460>が大幅な増益を達成した一方、コナミホールディングス<9766>とコーエーテクモホールディングス<3635>が減益と明暗が分かれた(以下、社名は略称とし、ホールディングスについては「HD」と表記する)。
増益組をみていくと、63%の映像増益を達成したスクエニHDは、家庭用ゲームが不調だったものの、『ロマンシング サガ リ・ユニバース』や『ドラゴンクエストウォーク』などのスマホゲームが好調だったほか、『ファイナルファンタジーXIV』拡張パッケージを発売したMMO、アミューズメント、出版の収益が大きく伸びた。セガサミーHDも遊技機が不調だったが、デジタルゲームの収益が改善した。カプコンは、「モンハンワールド:アイスボーン」やリピートタイトルの販売が増益要因となった。
他方、減益組では、コーエーテクモHDが26%の営業減益となった。大型タイトルの発売を第3四半期以降に予定していることに加え、上半期において一部タイトルの販売が計画を下回ったことで減収減益で着地した。
各社の状況は以下のとおり。ゲーム事業を中心にまとめた。
■カプコン<9697>
売上高372億7200万円(前年同期比14.0%減)、営業利益139億9200万円(同33.2%増)だった。ッケージ版からダウンロード版へ転換促進したことなどもあり減収だったが、利益は、ダウンロード販売中心の「モンスターハンターワールド:アイスボーン」のヒットに加え、リピートタイトルでも採算性が高いデジタル販売比率の向上したとしている。
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・カプコン、eスポーツ事業は「依然として費用先行」(野村CFO) プレイヤー層の裾野拡大に取り組む
■コーエーテクモホールディングス<3635>
売上高165億6400万円(前年同期比4.8%減)、営業利益34億3900万円(同26.6%減)だった。家庭要ゲームソフトの大型タイトルの発売を第3四半期以降に予定していることに加え、上半期において一部タイトルの販売が計画を下回ったことで減収減益で着地した。なお、主力のエンタテインメント事業は減収減益だった。スマホゲームでは、『大航海時代Ⅵ』をリリースしたほか、『新三國志』が引き継続き貢献。『三国志・战略版』も好調なスタートを切った。
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■コナミホールディングス<9766>
売上高1210億円(前年同期比0.9%減)、営業利益209億円(同16.4%減)だった。デジタルエンタテインメント事業とアミューズメント事業、スポーツ事業が減益となった。モバイルゲームでは『プロ野球スピリッツA』や『遊戯王 デュエルリンクス』『実況パワフルプロ野球』などの既存タイトルがけん引したほか、『Frogger in Toy Town』をApple Arcadeにて配信開始した。
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■スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>
売上高1207億円(前年同期比8.2%増)、営業利益159億円(同62.9%増)だった。ゲームと出版、ライツなど全事業が好調だった。MMOゲーム『ファイナルファンタジーXIV』拡張パッケージの発売とそれに伴う課金会員者数が増加し、ゲーム事業の収益拡大をけん引した。またスマホゲームは、『ロマンシング サガ リ・ユニバース』の好調に加えて、『ドラゴンクエストウォーク』が貢献した。
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・スクエニHD、7-9月のスマホゲームは増収増益 『ロマサガRS』と『ドラクエウォーク』貢献
・高成長続くスクエニの出版事業、7~9月は売上高50億円、営業利益20億円 売上・利益ともにさらなる高みに 「マンガUP!」など電子書籍大幅増
■セガサミーホールディングス<6460>
売上高1655億円(前年同期比3.2%減)、営業利益146億円(同43.0%増)だった。遊技機事業が減益だったほか、リゾート事業の赤字が継続したものの、ゲームを中心とするエンタテインメントコンテンツ事業が好調だった。特にスマホゲームが収益改善に立役者となった。既存タイトルが堅調に推移したことに加えて、タイトル譲渡やApple Arcade向けタイトル提供に伴う収益などを計上した、としている。前期実施した減損処理により費用が減少したことも収益の改善につながった。
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・セガサミー、デジタルゲーム営業益はQonQ43%増の33億円と大幅増 『PSO2』『サカつく』『ぷよクエ』のほか、Apple Arcade向け寄与
・セガサミーHD、上期のパッケージゲームは増収減益 『ペルソナ5』や『龍が如く7』『新サクラ大戦』『マリオ&ソニック』など新作を下期投入
・セガサミーHDの映像玩具事業、中間の営業益は89%増の14億円と大幅増 過去最高の興行収入の『名探偵コナン 紺青の拳』の配分収入で
■バンダイナムコホールディングス<7832>
売上高3493億円(前年同期比4.4%増)、営業利益479億円(同9.1%増)だった。国内外でハイターゲット層(大人層)に向けた商品が好調だったトイホビー事業、国内外のネットワークコンテンツや海外の家庭用ゲームソフトのリピート販売が安定的に推移したネットワークエンターテインメント事業が好調に推移した。ネットワークエンターテインメント事業は増益となったが、家庭用ゲームがけん引したもよう。新作「コードヴェイン」を発売したほか、「DRAGON BALL」シリーズや「鉄拳7」、「ダークソウル」シリーズなど高いリピート販売が伸びた。
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・バンナムHD、中間期の営業益は9.1%増の479億円…大人向け玩具とスマホゲーム、家庭用ゲームが好調
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・バンナムHDの中間期のIP別売上高、『ドラゴンボール』が4.6%増の613億円と過去最高 国内トイホビーが伸長 ガンダム、ワンピース、ライダーも拡大
カプコン<9697>やセガサミーホールディング<6460>、スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>、セガサミーホールディングス<6460>が大幅な増益を達成した一方、コナミホールディングス<9766>とコーエーテクモホールディングス<3635>が減益と明暗が分かれた(以下、社名は略称とし、ホールディングスについては「HD」と表記する)。
増益組をみていくと、63%の映像増益を達成したスクエニHDは、家庭用ゲームが不調だったものの、『ロマンシング サガ リ・ユニバース』や『ドラゴンクエストウォーク』などのスマホゲームが好調だったほか、『ファイナルファンタジーXIV』拡張パッケージを発売したMMO、アミューズメント、出版の収益が大きく伸びた。セガサミーHDも遊技機が不調だったが、デジタルゲームの収益が改善した。カプコンは、「モンハンワールド:アイスボーン」やリピートタイトルの販売が増益要因となった。
他方、減益組では、コーエーテクモHDが26%の営業減益となった。大型タイトルの発売を第3四半期以降に予定していることに加え、上半期において一部タイトルの販売が計画を下回ったことで減収減益で着地した。
各社の状況は以下のとおり。ゲーム事業を中心にまとめた。
■カプコン<9697>
売上高372億7200万円(前年同期比14.0%減)、営業利益139億9200万円(同33.2%増)だった。ッケージ版からダウンロード版へ転換促進したことなどもあり減収だったが、利益は、ダウンロード販売中心の「モンスターハンターワールド:アイスボーン」のヒットに加え、リピートタイトルでも採算性が高いデジタル販売比率の向上したとしている。
【関連記事】
・カプコン、中間の営業利益は33%増の139億円と大幅増益 「モンハンワールド:アイスボーン」がDL販売中心にヒット リピート販売も貢献
・カプコン、家庭用ゲーム販売本数は今期2630万本を計画 『モンハンワールド:アイスボーン』拡販に注力 『ロックマン』スマホゲームは海外で年内リリース
・カプコン、eスポーツ事業は「依然として費用先行」(野村CFO) プレイヤー層の裾野拡大に取り組む
■コーエーテクモホールディングス<3635>
売上高165億6400万円(前年同期比4.8%減)、営業利益34億3900万円(同26.6%減)だった。家庭要ゲームソフトの大型タイトルの発売を第3四半期以降に予定していることに加え、上半期において一部タイトルの販売が計画を下回ったことで減収減益で着地した。なお、主力のエンタテインメント事業は減収減益だった。スマホゲームでは、『大航海時代Ⅵ』をリリースしたほか、『新三國志』が引き継続き貢献。『三国志・战略版』も好調なスタートを切った。
【関連記事】
・コーエーテクモHD、2Qは売上高4%減、営業益26%減 一部タイトルの販売が計画を下回る 米Marvelと組んだ初の海外有力IPタイトルも発売
■コナミホールディングス<9766>
売上高1210億円(前年同期比0.9%減)、営業利益209億円(同16.4%減)だった。デジタルエンタテインメント事業とアミューズメント事業、スポーツ事業が減益となった。モバイルゲームでは『プロ野球スピリッツA』や『遊戯王 デュエルリンクス』『実況パワフルプロ野球』などの既存タイトルがけん引したほか、『Frogger in Toy Town』をApple Arcadeにて配信開始した。
【関連記事】
・コナミHD、2Qは売上高0.9%減、営業益16.4%減 デジタルエンタテインメント事業は既存タイトル堅調でほぼ横ばいの売り上げに
■スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>
売上高1207億円(前年同期比8.2%増)、営業利益159億円(同62.9%増)だった。ゲームと出版、ライツなど全事業が好調だった。MMOゲーム『ファイナルファンタジーXIV』拡張パッケージの発売とそれに伴う課金会員者数が増加し、ゲーム事業の収益拡大をけん引した。またスマホゲームは、『ロマンシング サガ リ・ユニバース』の好調に加えて、『ドラゴンクエストウォーク』が貢献した。
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・スクエニHD、7-9月のスマホゲームは増収増益 『ロマサガRS』と『ドラクエウォーク』貢献
・高成長続くスクエニの出版事業、7~9月は売上高50億円、営業利益20億円 売上・利益ともにさらなる高みに 「マンガUP!」など電子書籍大幅増
■セガサミーホールディングス<6460>
売上高1655億円(前年同期比3.2%減)、営業利益146億円(同43.0%増)だった。遊技機事業が減益だったほか、リゾート事業の赤字が継続したものの、ゲームを中心とするエンタテインメントコンテンツ事業が好調だった。特にスマホゲームが収益改善に立役者となった。既存タイトルが堅調に推移したことに加えて、タイトル譲渡やApple Arcade向けタイトル提供に伴う収益などを計上した、としている。前期実施した減損処理により費用が減少したことも収益の改善につながった。
【関連記事】
・セガサミーHD、2Qは売上高3%減ながら営業益43%増に 前期に減損実施でデジタルゲーム分野の利益率が大幅改善 パッケージゲームのリピート販売なども寄与
・セガサミー、デジタルゲーム営業益はQonQ43%増の33億円と大幅増 『PSO2』『サカつく』『ぷよクエ』のほか、Apple Arcade向け寄与
・セガサミーHD、上期のパッケージゲームは増収減益 『ペルソナ5』や『龍が如く7』『新サクラ大戦』『マリオ&ソニック』など新作を下期投入
・セガサミーHDの映像玩具事業、中間の営業益は89%増の14億円と大幅増 過去最高の興行収入の『名探偵コナン 紺青の拳』の配分収入で
■バンダイナムコホールディングス<7832>
売上高3493億円(前年同期比4.4%増)、営業利益479億円(同9.1%増)だった。国内外でハイターゲット層(大人層)に向けた商品が好調だったトイホビー事業、国内外のネットワークコンテンツや海外の家庭用ゲームソフトのリピート販売が安定的に推移したネットワークエンターテインメント事業が好調に推移した。ネットワークエンターテインメント事業は増益となったが、家庭用ゲームがけん引したもよう。新作「コードヴェイン」を発売したほか、「DRAGON BALL」シリーズや「鉄拳7」、「ダークソウル」シリーズなど高いリピート販売が伸びた。
【関連記事】
・バンナムHD、中間期の営業益は9.1%増の479億円…大人向け玩具とスマホゲーム、家庭用ゲームが好調
・バンナムHD、スマホゲームの売上は横ばいの1008億円 「ドラゴンボール」「ワンピース」「アイマス」が安定的人気 家庭用ゲームが増益要因に
・バンナムHDの中間期のIP別売上高、『ドラゴンボール』が4.6%増の613億円と過去最高 国内トイホビーが伸長 ガンダム、ワンピース、ライダーも拡大
会社情報
- 会社名
- 株式会社カプコン
- 設立
- 1983年6月
- 代表者
- 代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9697
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
- 設立
- 1975年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3563億4400万円、営業利益325億5800万円、経常利益415億4100万円、最終利益149億1200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9684
会社情報
- 会社名
- コナミグループ株式会社
- 設立
- 1973年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
- 証券コード
- 9766
会社情報
- 会社名
- コーエーテクモホールディングス株式会社
- 設立
- 2009年4月
- 代表者
- 代表取締役会長 襟川 恵子/代表取締役社長 襟川 陽一
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高845億8400万円、営業利益284億9400万円、経常利益457億4100万円、最終利益337億9200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3635
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンダイナムコホールディングス
- 設立
- 2005年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 川口 勝
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1兆502億1000万円、営業利益906億8200万円、経常利益1041億6400万円、最終利益1014億9300万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7832
会社情報
- 会社名
- セガサミーホールディングス株式会社
- 設立
- 2004年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高4678億9600万円、営業利益568億3600万円、経常利益597億7800万円、最終利益330億5500万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 6460