インディーゲームクリエイターが自身のゲームを効率よく世に伝えるため、メディア視点から掲載しやすいプレスリリースを紹介する連載「クリエイターの広報術」。
第1回では、「ゲームの配信日が決まった時」や「配信当日」など、リリースのタイミングについて解説した。しかし、実はもう一つ重要な「いつ?」がある。それは、「何曜日の、何時頃に送信ボタンを押すか」という実務的なタイミングだ。
今回は、一通でも多くのメールに目を通したい編集部の本音と、メールボックスの混雑状況から逆算したベストタイミングを紐解く。
「いつでもいい」けれど「いつでもはよくない」理由
大前提として、プレスリリースは24時間365日、いつ送っても自由。深夜に送ろうが休日に送ろうが、平日の業務時間になれば編集者の誰かが目を通す。
しかし、深夜や休日に届いたメールは、翌営業日の朝、山積みの未読メールの中に埋もれた状態になっていることは覚悟したい。他のニュースに埋もれて「後で確認しよう」と後回しにされると、ニュースとしての鮮度が落ち、そのままお蔵入り……という悪循環に陥りやすい。
また、インディーゲーム開発者が最も避けたいタイミングの一つが、金曜日の18時ちょうど。というのもこの時間帯は、多くの企業が「今週の仕事は今週のうちに!」と、週末前のこの時間に一斉にリリースを配信するのだ。
想像してみてほしい。18時になった瞬間に、メールボックスに50通以上のリリースがドバッと流れ込んでくる光景を。そんな状況では、どんなに魅力的なタイトルでも、スクロールされる指を止めるのは至難の業。わざわざ自分から「最もライバルが多い激戦区」に飛び込む必要はないと思う。
狙い目の時間帯は?
では、いつ送るのが良いのか?あくまで個人的な経験則になるが、比較的じっくり読みやすいのは「火曜日~木曜日の午前10時~午後14時頃」だと考えている。
月曜日: 週末のメールをさばくのに追われている
金曜日: 前述の通りラッシュが発生しやすく、週末の休みを控えてバタバタしている
この間の平日は、編集部も落ち着いてネタを探している時間帯が多く、即座に「これ面白いね、記事にしよう」と判断する可能性が高まる。
さらに高度な戦略として、あえて世の中が休んでいるときや、休み明けを狙う方法がある。例えばゴールデンウィーク明け、8月のお盆休み期間中、あるいはクリスマス後~大晦日の期間などだ。
これらの時期は、大手メーカーからのプレスリリースが緩やかになる。しかし、平日である以上ニュースサイトの更新が止まることはない。メディア側も「載せるネタがない……」と困っている時期なのだ。
ライバルが少ないこの空白期間に魅力的なリリースを届けることができれば、普段よりも大きく取り上げてもらえるチャンスがぐっと広がるというわけ。
編集部からの一言
「今なら載せてもらえるかも!」というタイミングを探る感覚は、広報において非常に重要だ。
今回紹介した「狙い目の時間帯」だけでなく、「世の中が今、何に注目しているか」を把握することも忘れてはいけない。例えば、『ポケモン』や『モンスターハンター』といった超大型タイトルの発売直後や、東京ゲームショウ(TGS)の開催期間中などは、メディアのトップページもSNSのタイムラインもその話題で埋め尽くされる。ここに小さなインディーゲームのニュースを投げ込んでも、情報の荒波に飲み込まれてしまうだけだ。
今日から実践できるコツは、「ゲーム業界のカレンダー」を意識すること。大型タイトルの発売スケジュールをチェックし、激戦区を避ける。TGSなど、大型イベントの開催時期を把握しておく。
ゲームを作る際、皆さんは常に市場のトレンドをチェックしているはず。その観察眼を、ぜひ「広報のタイミング選び」にも活かしてみてほしい。
連載一覧
【クリエイターの広報術:第1回】プレスリリース、どのタイミング送るのが正解?
【クリエイターの広報術:第2回】メールを開かせる「タイトル」と「一行目」
【クリエイターの広報術:第3回】意外と知らない?あると嬉しい最適メインビジュアル
【クリエイターの広報術:第4回】ゲームの魅力を伝えるのに欠かせない「スクショ」「動画」を考える
【クリエイターの広報術:第5回】作った素材の送信方法 そして意外なところにある落とし穴
【クリエイターの広報術:第6回】やっぱり基本は「5W1H」 ゲームの印象を決定づけるリード文の作り方
【クリエイターの広報術:第7回】ゲームの魅力をはっきり、そして簡潔に伝える本文の書き方
【クリエイターの広報術:第8回】リリースの価値を底上げする、本文にあるといいかもこんな情報
【クリエイターの広報術:第9回】これを書くとより丁寧&キャッチーに 他と差がつく「お役立ち項目」リスト
【クリエイターの広報術:第10回】せっかく書いたリリース、どこに送ればいい?
【クリエイターの広報術:第11回】プレスリリース送信後にミス発覚!対応方法と「良い訂正メール」の書き方を探る
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