■第四十六回「伝える姿勢」
この夏、数多くのイベントやインターンシップ、オープンキャンパスなどに参加させていただき、
学生
企業
各々において、感じることがありました。ただ、大前提としてそれは、「課題」ではあるものの、「問題」というような感じのネガティヴに思えるものでは決してありません。なぜならば、いずれも、
必死
だからです。一生懸命やろうとしていること自体は、尊いことだからです。ただ、やり方がもったいなく、最大効果を発揮するところからは、乖離してしまっているところを多々見受けました。そういう意味では「課題」があるわけです。この連載でも何度か言ってきておりますが、ものごとを計画し、向き合っていくときに大切なのは、
明確な「目的」を設定すること
です。この取り組みは、なにを達成するために実施する計画をたてているのか? これを自分たちで見失わないように、というか、そもそもちゃんと設定することでブレずに実施することができます。ただ、ともすれば、計画を考える時、その順序や実行しやすさから、ディテイルの実行手段ばかりを必死に考えがちです。でも、それは、ゲームの開発と同様に、
なんのために、ユーザにそれを体験させ、どんな感情を抱かせるのか?
が、ついつい抜け落ちがちです。
たとえばゲームであれば…今でこそ減ってきたと思いますが、2012,3年頃、スマホでゲームが売れはじめ、多くのコンシューマ系企業が参入、もしくは、コンシューマ系企業からスマホゲーム系の企業に転職した人たちが犯していたミスとして、コンシューマ的文法のもとで面白おかしいゲームをつくり、それにガチャをつけたら、売れるんでしょ?のような短絡な発想のもとで開発されたゲームが乱発された時がありました。当然のごとく売れるわけはなく、やはり、マネタイズもゲームデザインの中に組み込まれた大事な要素である必要があり、且つ、そもそも、
ガチャがあるからひきたいのではなく、
ゲームの中で何か達成したいことがあるから、その助けとなるための行為をしたい!
と思わせるだけのモチベーションがなければ、課金もしなければ、長時間プレイすることもない、というわけですね。
これを、学生において考えると…
●自身のアピールは確かに大切。でも、誰に伝えないといけないのか?
就職活動において、ユーザにあたるのは、受験している会社の、人事・採用担当の方です。もちろん、エントリーシート、書類選考、筆記試験(WEBテスト)、面接、作品提出などなど、様々な選考があると思います。グループディスカッションや、ショートのワークショップなどを取り入れている企業もあるとききます。
筆記試験、WEBテストなどは、やや機械的に採点、評価がなされるので、例外としますが、それ以外のものは、ほぼ、「ひと」が評価をします。エントリーシートは、個人情報を聞くところはさすがに、客観的データなので、そこで差がつくことはほぼないといっていいですが、逆にそれ以外のことを聞かれることもあるでしょう?
たとえば、趣味はなにか? そして、なぜその趣味が好きなのか? などです。
わたしも、働いていた2社でエントリーシートや書類を拝見したことがありますし、わたしも学生時代はそうであったとおもいますが、
「自身の思いのたけを、必死に書き連ねる」
ことがされていることが多いです。文字量も制限ギリギリくらいまで、とにかく、沢山書いてある方がいらっしゃいます。確かに、「熱意」はそこにあらわれると思います。決してそこは、マイナスではないと思いますが、読み手の気持ちも、ほんの少しだけ考えてみる必要があると思います。
1、採用担当者は、ものすごい数のエントリーシートを見る
→もちろん、業務ですし、それ以上に学生さん、中途の候補者さんの人生を左右することにつながるので選考官はみな、真摯に、誠実に見てくれていると思います。また、そうしてくれる人をアサインしていると思います。が、選考官も人間です。熱意こそ伝われど、構造的でなく、長いだけの文章がでてくると「うわっ」と思う瞬間がないとは言い切れません。
どんな人格者でも、うっ、と思う瞬間がある可能性があるなら、ポジティヴな状態でシートに向かえないことも、ありえるということです。
もちろん、繰りかえしになりますが、基本、真摯に誠実に見てくれているのです。が、少しでもポジティヴな状況で読み始めてもらえるようにすること、そこからは少し離れているかもしれません。
2、文字量が多いほど、構造がわかりやすい文章がありがたい
→思いのたけを文章にしていくと、ともすれば、考えた順・思いついた順に書きなぐってしまうことがままあるのではないでしょうか? ただ、そうすると、結論が最後になり、「結局この人は何が言いたいんだ?」の状態が比較的長く続いた後でないと全体を把握できません。これがまだ短い文章ならば、飲み込みやすいのですが、長文で書かれていると、読みながら、整理しながら、頭にいれていかないといけません。
結論から言うと、●●です。その理由は、箇条書き…みたいな感じにかかれていると非常に読み手もわかりやすく、頭に入ってきやすくなります。
と、いう観点からも、選考官のモチベーションや気持ちを想像する、思いやる気持ちがあることは、決してマイナスにはならないと思います。媚びる必要はありません。ただ、自分が伝えたいことを、しっかりと、相手に理化していただくには、相手のことを考えた、分量、構造、フローがあったほうがよいのではないか?ということです。
これは、企画書を書く時も実は同じことが言えます。
タイトル → ゲーム概要(何をするゲームか?) → コンセプト(何が面白いか?) → ルール、操作、画面 → 面白さを実現するためのシステム
などの順に書いたほうが、読み手の頭には想像の翼が広がりやすくなると思います。
自分の考えていること、熱意をより効果的に伝えるためには、選考官の気持ちにも少し寄り添ってみて、書類をつくるだけでも効果はあがるのではないでしょうか?(もちろん、面白さの中身は、しっかり主張しなくてはいけないですし、繰り返しますが、決して「媚びる」わけではありませんのでご注意ください)
次に、企業においてこれを考えてみると…
●自身たちがなにをしている会社か?ではなく、学生にとって魅力的にうつる要素の何をもっているか?
採用選考官に立場をかえると、ユーザにあたるのは、学生です。
もちろん、ブランドもある、キャッシュもある、タイトル名も知られている、著名クリエイターもいる、福利厚生など就業環境も充実している…というような、穴がない状態の企業は、ほとんどないと思います。
どこかには、課題があり、採用をするうえで、認知を高めないと学生に振り向いてもらえない企業もあるのではないか?と思いますし、同時に、認知度は高いのだけれど、最近はヒット作もないし、スマホやVRのゲームもつくってないので、新しい技術でアピールすることが難しく、エントリー数やイベント集客の数に苦戦しているという会社さんもあると思います。
学生は、何を求めて企業で働きたいのだろうか?
という観点から、自社の魅力を仮説を立てて、施策を検討し、運用していくことができていない、もしくは、やや課題があるという企業さんを見かけることがあります。(もちろん、されている企業さんはあります。が、まだ、なるほど!というほどの効果がでているところは、まだまだ多くはないという印象です)
それどころか、「うちはこうです」という自社のアピールに力をいれて、一生懸命、合同説明会で説く、というのを人事の方がされているのをよく見かけます。開発経験のない人事の方は、確かに説得力のある言葉を吐くことが難しく学生に「うすっぺらいな」と感じられないようにするために、人事の立場と経験からできるアピールをされているのだと思います。
ただ、各社さん、自社のサイトや、採用情報のページにけっこう、事細かに理念から、社長さんのメッセージなども含めて、沢山かいてある企業さんがほとんどです。
今に限らず、学生さんは、さすがに受ける前に、一度くらいは、その会社のサイトは見ますし、情報収集もします。もちろん、更に強くアピール!したい項目もあるとは思うので、そこをあらためて説明会で説き強調するのは良いでしょう。
ですが、逆に、サイトでは見れない、もしくは臨機応変に回答できるクリエイターが同行していたら、どうでしょう?更に魅力が高まるのではないでしょうか?
学生は、子供のころからあこがれる「●●」というゲームをつくっている会社で働きたい!という夢をもっていることが多いです。だかこそ、高校を卒業して、大学や専門学校にはいってからも、巧拙は別にしてゲームを開発することを継続しているわけですね。ですが、夢をかなえられるのは、ほんの数名であることも、皆わかっています。定員に限度がある限りは、そうなります。(限度無しに受け入れるなんて、出来るわけありませんからね)
で、あれば、夢の次の「次善の策」として、なにか働きたくなる理由、折り合える理由を探して、自分が知りもしない企業(まあ、わたしもそうでしたが、学生時代は、よほど活動的でない限りは、大手コンシューマ系のパブリッシャーを除くと、知らないことが多いと思います)を受験しゲーム業界の門をたたこう!と思っているわけです。
そういう意味では、一部の企業をのぞけば、スタートラインは各社同じようなところにあるわけです。と、なったときに差がつくのは、「学生が求める、期待しているポイントはなにか?」「そのポイントにおいて、競合他社にくらべて、自社は競争力があるのか?」を仮説をたて、情報をあつめ、企画し、実行し、振り返り、また分析する…を繰りかえしていくことで、学生さんの認知をあげていくことができるでしょうし、ひいてはエントリー数の向上につながることでしょう。
なので、インターンシップなども、タイトルやメディアにでるときの最初の何文字かを意識した文章、文字列でコピーをうたうことがまずは第一歩ではないでしょうか?必ずしも、
給与
知名度高い
代表作がある
だけでは、選んでくれません。下手に給料が高すぎても、ちょっと引いてしまう学生もいるようですし。人間なので、自分をかわいがってくれそうな、面倒見の良い人に出会いたいと思っていることの方が多いのではないでしょうか?そして、成長したいのです。
で、あれば、それにかかわることで自社の強みをまとめて、アピールすれば、リーチさえできれば、エントリー数を増やすことはそれほど難しくはないと思います。(質保証は、また別の問題)とにかく、ユーザ=学生に、気づいてもらい、振り向いてもらい、一度直接あうところまでこぎつけることができたら、あとは、「ひと」「就業環境」で勝負することができます。そこまでの前段をととのえて、開発経験ない人でも、クリエイターに、学生に、気づかいと誠意をむければ少なからず響くのではないでしょうか?吉田松陰じゃないですが、
至誠にして動かざるものは、未だこれあらざるなり
だと、わたしも思います。
学生は、企業の採用選考官の立場、気持ちにたって、考えた書類作成や面接時の回答を!
企業は、学生にとっての魅力を如何に抽出してアピールするか?
をお互いが歩み寄るだけでも、マッチングの効率と、成立も増えるのではないかと思います。
このあたりの「就職活動にかかわるヒント」なども、弊社開催のイベント「駿馬 ゲームクリエイター育成講座」では、
演習終了後、実施しております。次回は、
10月30日(月)19:00 ~
第7回 駿馬 TOKYO
http://shunme-7.peatix.com/
で、実施いたします!
それでは、今回は、これまで!
学生
企業
各々において、感じることがありました。ただ、大前提としてそれは、「課題」ではあるものの、「問題」というような感じのネガティヴに思えるものでは決してありません。なぜならば、いずれも、
必死
だからです。一生懸命やろうとしていること自体は、尊いことだからです。ただ、やり方がもったいなく、最大効果を発揮するところからは、乖離してしまっているところを多々見受けました。そういう意味では「課題」があるわけです。この連載でも何度か言ってきておりますが、ものごとを計画し、向き合っていくときに大切なのは、
明確な「目的」を設定すること
です。この取り組みは、なにを達成するために実施する計画をたてているのか? これを自分たちで見失わないように、というか、そもそもちゃんと設定することでブレずに実施することができます。ただ、ともすれば、計画を考える時、その順序や実行しやすさから、ディテイルの実行手段ばかりを必死に考えがちです。でも、それは、ゲームの開発と同様に、
なんのために、ユーザにそれを体験させ、どんな感情を抱かせるのか?
が、ついつい抜け落ちがちです。
たとえばゲームであれば…今でこそ減ってきたと思いますが、2012,3年頃、スマホでゲームが売れはじめ、多くのコンシューマ系企業が参入、もしくは、コンシューマ系企業からスマホゲーム系の企業に転職した人たちが犯していたミスとして、コンシューマ的文法のもとで面白おかしいゲームをつくり、それにガチャをつけたら、売れるんでしょ?のような短絡な発想のもとで開発されたゲームが乱発された時がありました。当然のごとく売れるわけはなく、やはり、マネタイズもゲームデザインの中に組み込まれた大事な要素である必要があり、且つ、そもそも、
ガチャがあるからひきたいのではなく、
ゲームの中で何か達成したいことがあるから、その助けとなるための行為をしたい!
と思わせるだけのモチベーションがなければ、課金もしなければ、長時間プレイすることもない、というわけですね。
これを、学生において考えると…
●自身のアピールは確かに大切。でも、誰に伝えないといけないのか?
就職活動において、ユーザにあたるのは、受験している会社の、人事・採用担当の方です。もちろん、エントリーシート、書類選考、筆記試験(WEBテスト)、面接、作品提出などなど、様々な選考があると思います。グループディスカッションや、ショートのワークショップなどを取り入れている企業もあるとききます。
筆記試験、WEBテストなどは、やや機械的に採点、評価がなされるので、例外としますが、それ以外のものは、ほぼ、「ひと」が評価をします。エントリーシートは、個人情報を聞くところはさすがに、客観的データなので、そこで差がつくことはほぼないといっていいですが、逆にそれ以外のことを聞かれることもあるでしょう?
たとえば、趣味はなにか? そして、なぜその趣味が好きなのか? などです。
わたしも、働いていた2社でエントリーシートや書類を拝見したことがありますし、わたしも学生時代はそうであったとおもいますが、
「自身の思いのたけを、必死に書き連ねる」
ことがされていることが多いです。文字量も制限ギリギリくらいまで、とにかく、沢山書いてある方がいらっしゃいます。確かに、「熱意」はそこにあらわれると思います。決してそこは、マイナスではないと思いますが、読み手の気持ちも、ほんの少しだけ考えてみる必要があると思います。
1、採用担当者は、ものすごい数のエントリーシートを見る
→もちろん、業務ですし、それ以上に学生さん、中途の候補者さんの人生を左右することにつながるので選考官はみな、真摯に、誠実に見てくれていると思います。また、そうしてくれる人をアサインしていると思います。が、選考官も人間です。熱意こそ伝われど、構造的でなく、長いだけの文章がでてくると「うわっ」と思う瞬間がないとは言い切れません。
どんな人格者でも、うっ、と思う瞬間がある可能性があるなら、ポジティヴな状態でシートに向かえないことも、ありえるということです。
もちろん、繰りかえしになりますが、基本、真摯に誠実に見てくれているのです。が、少しでもポジティヴな状況で読み始めてもらえるようにすること、そこからは少し離れているかもしれません。
2、文字量が多いほど、構造がわかりやすい文章がありがたい
→思いのたけを文章にしていくと、ともすれば、考えた順・思いついた順に書きなぐってしまうことがままあるのではないでしょうか? ただ、そうすると、結論が最後になり、「結局この人は何が言いたいんだ?」の状態が比較的長く続いた後でないと全体を把握できません。これがまだ短い文章ならば、飲み込みやすいのですが、長文で書かれていると、読みながら、整理しながら、頭にいれていかないといけません。
結論から言うと、●●です。その理由は、箇条書き…みたいな感じにかかれていると非常に読み手もわかりやすく、頭に入ってきやすくなります。
と、いう観点からも、選考官のモチベーションや気持ちを想像する、思いやる気持ちがあることは、決してマイナスにはならないと思います。媚びる必要はありません。ただ、自分が伝えたいことを、しっかりと、相手に理化していただくには、相手のことを考えた、分量、構造、フローがあったほうがよいのではないか?ということです。
これは、企画書を書く時も実は同じことが言えます。
タイトル → ゲーム概要(何をするゲームか?) → コンセプト(何が面白いか?) → ルール、操作、画面 → 面白さを実現するためのシステム
などの順に書いたほうが、読み手の頭には想像の翼が広がりやすくなると思います。
自分の考えていること、熱意をより効果的に伝えるためには、選考官の気持ちにも少し寄り添ってみて、書類をつくるだけでも効果はあがるのではないでしょうか?(もちろん、面白さの中身は、しっかり主張しなくてはいけないですし、繰り返しますが、決して「媚びる」わけではありませんのでご注意ください)
次に、企業においてこれを考えてみると…
●自身たちがなにをしている会社か?ではなく、学生にとって魅力的にうつる要素の何をもっているか?
採用選考官に立場をかえると、ユーザにあたるのは、学生です。
もちろん、ブランドもある、キャッシュもある、タイトル名も知られている、著名クリエイターもいる、福利厚生など就業環境も充実している…というような、穴がない状態の企業は、ほとんどないと思います。
どこかには、課題があり、採用をするうえで、認知を高めないと学生に振り向いてもらえない企業もあるのではないか?と思いますし、同時に、認知度は高いのだけれど、最近はヒット作もないし、スマホやVRのゲームもつくってないので、新しい技術でアピールすることが難しく、エントリー数やイベント集客の数に苦戦しているという会社さんもあると思います。
学生は、何を求めて企業で働きたいのだろうか?
という観点から、自社の魅力を仮説を立てて、施策を検討し、運用していくことができていない、もしくは、やや課題があるという企業さんを見かけることがあります。(もちろん、されている企業さんはあります。が、まだ、なるほど!というほどの効果がでているところは、まだまだ多くはないという印象です)
それどころか、「うちはこうです」という自社のアピールに力をいれて、一生懸命、合同説明会で説く、というのを人事の方がされているのをよく見かけます。開発経験のない人事の方は、確かに説得力のある言葉を吐くことが難しく学生に「うすっぺらいな」と感じられないようにするために、人事の立場と経験からできるアピールをされているのだと思います。
ただ、各社さん、自社のサイトや、採用情報のページにけっこう、事細かに理念から、社長さんのメッセージなども含めて、沢山かいてある企業さんがほとんどです。
今に限らず、学生さんは、さすがに受ける前に、一度くらいは、その会社のサイトは見ますし、情報収集もします。もちろん、更に強くアピール!したい項目もあるとは思うので、そこをあらためて説明会で説き強調するのは良いでしょう。
ですが、逆に、サイトでは見れない、もしくは臨機応変に回答できるクリエイターが同行していたら、どうでしょう?更に魅力が高まるのではないでしょうか?
学生は、子供のころからあこがれる「●●」というゲームをつくっている会社で働きたい!という夢をもっていることが多いです。だかこそ、高校を卒業して、大学や専門学校にはいってからも、巧拙は別にしてゲームを開発することを継続しているわけですね。ですが、夢をかなえられるのは、ほんの数名であることも、皆わかっています。定員に限度がある限りは、そうなります。(限度無しに受け入れるなんて、出来るわけありませんからね)
で、あれば、夢の次の「次善の策」として、なにか働きたくなる理由、折り合える理由を探して、自分が知りもしない企業(まあ、わたしもそうでしたが、学生時代は、よほど活動的でない限りは、大手コンシューマ系のパブリッシャーを除くと、知らないことが多いと思います)を受験しゲーム業界の門をたたこう!と思っているわけです。
そういう意味では、一部の企業をのぞけば、スタートラインは各社同じようなところにあるわけです。と、なったときに差がつくのは、「学生が求める、期待しているポイントはなにか?」「そのポイントにおいて、競合他社にくらべて、自社は競争力があるのか?」を仮説をたて、情報をあつめ、企画し、実行し、振り返り、また分析する…を繰りかえしていくことで、学生さんの認知をあげていくことができるでしょうし、ひいてはエントリー数の向上につながることでしょう。
なので、インターンシップなども、タイトルやメディアにでるときの最初の何文字かを意識した文章、文字列でコピーをうたうことがまずは第一歩ではないでしょうか?必ずしも、
給与
知名度高い
代表作がある
だけでは、選んでくれません。下手に給料が高すぎても、ちょっと引いてしまう学生もいるようですし。人間なので、自分をかわいがってくれそうな、面倒見の良い人に出会いたいと思っていることの方が多いのではないでしょうか?そして、成長したいのです。
で、あれば、それにかかわることで自社の強みをまとめて、アピールすれば、リーチさえできれば、エントリー数を増やすことはそれほど難しくはないと思います。(質保証は、また別の問題)とにかく、ユーザ=学生に、気づいてもらい、振り向いてもらい、一度直接あうところまでこぎつけることができたら、あとは、「ひと」「就業環境」で勝負することができます。そこまでの前段をととのえて、開発経験ない人でも、クリエイターに、学生に、気づかいと誠意をむければ少なからず響くのではないでしょうか?吉田松陰じゃないですが、
至誠にして動かざるものは、未だこれあらざるなり
だと、わたしも思います。
学生は、企業の採用選考官の立場、気持ちにたって、考えた書類作成や面接時の回答を!
企業は、学生にとっての魅力を如何に抽出してアピールするか?
をお互いが歩み寄るだけでも、マッチングの効率と、成立も増えるのではないかと思います。
このあたりの「就職活動にかかわるヒント」なども、弊社開催のイベント「駿馬 ゲームクリエイター育成講座」では、
演習終了後、実施しております。次回は、
10月30日(月)19:00 ~
第7回 駿馬 TOKYO
http://shunme-7.peatix.com/
で、実施いたします!
それでは、今回は、これまで!
ご相談、お問い合わせは…
■著者 : 馬場保仁
株式会社ファリアー 代表取締役社長。過去、セガ(当時 セガ・エンタープライゼス)で『プロ野球チームをつくろう!』『Jリーグプロサッカークラブをつくろう!』など多数のゲーム開発に従事。その後DeNAにてスマホアプリ開発のプロデューサーを担うほか、人事・採用担当も兼任。現在は、ファリアー社を創業し、“人は人に活かされる”をモットーにゲーム開発、人材発掘・育成にこれまで以上に尽力している。著書に「ゲームの教科書」(ちくまプリマー新書)がある。
■ゲーム業界 -活人研 KATSUNINKEN- バックナンバー
■第四十五回「どこをみるか?いつをみるか?」
■第四十四回「体験する重要性」
■「ゲーム教育トーク」【前編】(第四十三回)
■「ゲーム教育トーク」【前編】(第四十二回)
■第四十一回「"いま"やるべきこと〜その②〜」
■第四十回「"いま"やるべきこと」
■第三十九回「ゲームをつくるのは楽しい!」
■第三十八回「軸足をもつ」
■第三十七回「どんな経験が?」
■第三十六回「自分だけの面白いから脱却」
■第三十五回「幸せのカタチ、面白さのカタチ」
■第三十四回「プロの言葉・責任」
■第三十三回「小さな成功、大きな成功」
■「ゲーム業界クリエイター教育トーク」【後編】(第三十二回)
■「ゲーム業界クリエイター教育トーク」【前編】(第三十一回)
■第三十回「指導者に問われるもの」
■第二十九回「そもそも、企画の仕事って…」
■第二十八回「転職〜中級編・自分の価値を知る〜」
■第二十七回「転職〜入門編〜」
■第二十六回「リーダーシップとは」
■第二十五回「思考のスタミナ」
■第二十四回「出て行く勇気」
■第二十三回「個人でつくる・集団でつくる」
■第二十二回「指摘される勇気、指摘する気遣い」
■第二十一回「どこを見るか? どう採るか?」
■第二十回「100%の力を発揮するために……」
■第十九回「まずは、”伝える”ことから始めよう!」
■第十八回「カード少なく勝負に挑まない」
■第二回「学校トーク!!」…三者鼎談【後編】(第十七回)
■第二回「学校トーク!!」…三者鼎談【前編】(第十七回)
■第十六回「新人事始」
■第十五回「就職活動にみられる地方格差」
■第十四回「【思いやり】の向こう側」
■第十三回「仕事選び 〜成長・夢・時間〜」
■第十二回「本当にそれは、ゲームに必要か?」
■第十一回「ハッカソンの功罪」
■第十回「会社選びと成長(プロ、アマ問わず)」
■「学校トーク!」 東京工芸大学 『パックマン』生みの親 岩谷徹氏に訊く【後編】(第九回)
■「学校トーク!」 東京工芸大学 『パックマン』生みの親 岩谷徹氏に訊く【前編】(第八回)
■第七回「学生さんにやっていただきたいこと~後編~」
■第六回「学生さんにやっていただきたいこと~前編~」
■「社長トーク!」第1弾 コロプラ 馬場功淳 社長【後編】(第五回)
■「社長トーク!」第1弾 コロプラ 馬場功淳 社長【前編】(第四回)
■第三回「若手のチャンスとキャリアパス」
■第二回「企業×学校×学生」
■第一回「ゲーム業界って本当に人手不足なの?」
会社情報
- 会社名
- 株式会社ファリアー
- 設立
- 2016年7月
- 代表者
- 代表取締役社長 馬場 保仁