家庭用ゲームソフト大手、第3四半期決算は全6社が増収増益決算 3社最高益、3社上方修正 ゲームは明暗 コロナで苦戦の遊技機やゲーセン関連なども復調

木村英彦 編集長
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家庭用ゲームソフト大手6社の第3四半期の決算が出揃った。本業の儲けを示す営業利益でみると、6社中6社が2ケタ増益を達成するなど好調な内容だった。9月中間期では、スクウェア・エニックス・ホールディングス(スクエニHD)<9684>が唯一減益となったが、MMORPG『ファイナルファンタジーXIV』の拡張パッケージと課金会員が好調だったことを受けて一気に増益に転じた。

第3四半期ベースとしては過去最高業績を達成したのは、カプコン<9697>とコーエーテクモホールディングス(コーテクHD)<3635>、コナミホールディングス(コナミHD)<9697>の3社だった。そして3月通期の業績予想を上方修正したのが、スクエニHDとバンダイナムコホールディングス(バンナムHD)<7832>、セガサミーホールディングス(セガサミーHD)<6460>だった。

前年同期は、新型コロナによる巣篭もり消費の影響でゲーム事業で収益を伸ばす会社が多かった。今回は、カプコンとコーエーテクモ、スクエニが主力事業で大きく伸びたが、その他は非ゲーム事業の収益回復が目立った。コナミHDはスポーツやカジノ関連、バンナムはアミューズメントや音楽ライブ、セガサミーはパチンコ・パチスロ遊技機の業績が復調した。

各社の状況を見ていこう。

カプコン
売上高881億6300万円(前年同期比35.9%増)、営業利益350億9600万円(同43.9%増)と大幅増収増益、最高益を達成した。『バイオハザード ヴィレッジ』と『モンスターハンターストーリーズ2~破滅の翼~』など大型新作のほか、『バイオハザード7レジデント イービル』などリピートタイトルの販売が好調に推移した。前年同期で緊急事態宣言の影響を大きく受けたアミューズメント施設も収益が大きく回復した。

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コーエーテクモ
売上高553億2700万円(前年同期比25.9%増)、営業利益271億2700万円(同40.1%増)と大幅増益、最高業績を達成した。パッケージゲームでは、複数の新作やリマスター版を発売したほか、スマートフォンゲームでは、自社開発タイトルの運営収入が堅調に推移した、としている。IP許諾によるロイヤリティ収入は引き続き高い水準で推移した。KT Zepp Yokohamaなど不動産が稼働し、不動産事業も利益を伸ばした。

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コナミHD
売上高2150億4800万円(前年同期比12.0%増)、事業利益596億5700万円(同30.2%増)と大幅増益、最高益を達成した。主力のスマホや家庭用ゲーム、TCGが引き続き堅調に推移したことに加えて、新型コロナの影響で前年同期に苦戦したアミューズメント事業とゲーミング&システム事業、スポーツ事業が復調したことが主な要因だ。

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スクエニHD
売上高2736億2700万円(前年同期比7.9%増)、営業利益501億3800万円(同22.2%増)と増収増益を達成した。22年3月通期の業績予想も上方修正した。9月中間期では減収・営業減益だったが、MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」がけん引し一気に増収・営業増益に転じた。前年同期に新型コロナの影響を受けたアミューズメント事業も黒字転換するなど復調したが、家庭用ゲーム、スマホゲームともに弱含んだ。

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・スクエニHD、第3四半期の出版事業は増収増益を確保も足元は2ケタの減収減益に 「地縛少年花子くん」「薬屋のひとりごと」「その着せ替え人形は恋をする」が主な作品に
・スクエニHD、第3四半期のMMO売上は138%増の205億円と脅威の伸び 過去最高に 『FFXIV』課金会員数の大幅増、拡張パッケージも大きく貢献

 

セガサミーHD
売上高2367億5200万円(前年同期比12.7%増)、営業利益326億6800万円(同141.6%増)と増収増益だった。2022年3月通期の業績予想を上方修正した。パチンコ・パチスロ事業の収益が大きく改善したことが主な要因だった。セガを中心とするエンタテインメント事業も増収増益で収益を押し上げた。ただ、前年同期に損失計上していたセガアミューズメントが連結から離脱したことや、アミューズメント機器の収益が改善したことによる。

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バンナムHD
売上高6283億1100万円(前年同期比15.6%増)、営業利益921億5300万円(同26.4%増)と増収増益だった。あわせて2022年3月通期の業績予想を上方修正した。ゲーム事業が先行投資などが発生して減益となったものの、トイホビー事業が引き続き伸びた。映像音楽やアミューズメント事業など、新型コロナの影響で前年同期に苦戦したセグメントの業績が回復し、収益を押し上げた。

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・バンナムHD、第3四半期のスマホゲーム売上高は0.7%増の426億円 『ガンダムUCE』や『まおりゅう』『ルミナリア』などリリース 減収続いたが一旦下げ止まりか
【中期計画】
・バンナムHD、25年3月期に売上高1兆1000億円、営業利益1250億円を目指す新中期計画 IPを軸につながりを深める戦略 IPメタバース開発150億円や戦略投資250億円など合計400億円の投資
・バンナムHD、IP創出に向けた映像投資として3年間で総額350億円を120作品に投資 新規IPが32本、既存IPが88本 ガンダムは12作品を予定
・バンナムHD、IPとファンがつながるための新しい仕組みとして「IPメタバース」を発表 150億円投じてIPごとに開発 現実と融合した新たなサービスに
・バンナムHD、「ガンプラ」の生産体制の強化を行なう考え 20年12月に拠点拡充も需要拡大を受けて供給不足に

株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役社長 最高執行責任者 (COO) 辻本 春弘
決算期
3月
直近業績
売上高1100億5400万円、営業利益429億900万円、経常利益443億3000万円、最終利益325億5300万円(2022年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
企業データを見る
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
https://www.hd.square-enix.com/jpn/

会社情報

会社名
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
設立
1975年9月
代表者
代表取締役社長 松田 洋祐
決算期
3月
直近業績
売上高3652億7500万円、営業利益592億6100万円、経常利益707億400万円、最終利益510億1300万円(2022年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9684
企業データを見る
コナミホールディングス株式会社
http://www.konami.com/

会社情報

会社名
コナミホールディングス株式会社
設立
1973年3月
代表者
代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
決算期
3月
直近業績
売上高2995億2200万円、営業利益744億3500万円、最終利益548億600万円(2022年3月期)
上場区分
東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
証券コード
9766
企業データを見る
コーエーテクモホールディングス株式会社
http://www.koeitecmo.co.jp/

会社情報

会社名
コーエーテクモホールディングス株式会社
設立
2009年4月
代表者
代表取締役会長 襟川 恵子/代表取締役社長 襟川 陽一
決算期
3月
直近業績
売上高727億5900万円、営業利益345億2700万円、経常利益486億9600万円、最終利益353億5900万円(2022年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3635
企業データを見る
株式会社バンダイナムコホールディングス
http://www.bandainamco.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社バンダイナムコホールディングス
設立
2005年9月
代表者
代表取締役社長 川口 勝
決算期
3月
直近業績
売上高8892億7000万円、営業利益1254億9600万円、経常利益1336億800万円、最終利益927億5200万円(2022年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7832
企業データを見る
セガサミーホールディングス株式会社
http://www.segasammy.co.jp

会社情報

会社名
セガサミーホールディングス株式会社
設立
2004年10月
代表者
代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
決算期
3月
直近業績
売上高3209億4900万円、営業利益320億4200万円、経常利益333億4400万円、最終利益370億2700万円(2021年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
6460
企業データを見る