2023年の振り返りを行う意味で、当サイト「Gamebiz」のアクセスランキング上位を見ていこう。バンダイの廃棄商品をグループ会社に勤務していた派遣社員が不正に持ち出して売却益を得ていたというニュースが2位以下を大きく引き離しての、圧倒的な1位だった。1位と2位の間では1.5倍くらい違っている。
2位は、競馬の冠名「サトノ」で知られるサトミホースカンパニーが解散し、個人名義に戻ったという情報だった。ゲームメディアらしい情報として、カプコンの『モンスターハンターライズ:サンブレイク』無料アップデートの情報が3位に入った。
不祥事やサービス終了、アニメ会社の決算記事にアクセスが集まった一方、モバイルゲームの記事の比率が大きく減った。記事本数ではモバイルゲームが圧倒的に多いものの、ニッチな内容が多く、1本1本の記事のアクセスは決して多くない。
当サイトがモバイルを中心としたゲーム業界向けメディアからゲームを中心としたエンタメ業界向けのメディアに徐々に変質しつつあることを示唆している。こうした状況は、運営サイドとして明確に意図していたことではなかったが、7~8年前からゆっくりと起きていた大きな変化だった。
ゲームとアニメ、漫画、音楽、スポーツなどエンタメコンテンツ業界における境界線が年々薄れ、"相互乗り入れ"や協業が一般的となっている。そして、IPへの意識を強めた結果、ノベルやコミックといった原作、いわゆる"上流"に進出するモバイルゲーム会社も出てきている。
かつて「ゲームはあくまでオリジナル作品でいく。IPを使ったゲームには全く興味がない」と公言していたゲーム会社がいまやアニメ製作委員会に出資し、作品展開にも積極的に関与するようになっていることも象徴的だ。業界動向を見ていくと、こうなっていくのは当然の帰結だった。
2024年も引き続きゲームを軸足とすることに変わりはないものの、ゲーム業界ニュースサイトから徐々にエンタメ業界ニュースサイトの色彩を強めていくものと考えている。2024年もよろしくお願いいたします。